【Salesforce】承認プロセスを最適化する方法

はじめに
営業・経理・人事など、あらゆる部署で申請・承認業務は発生しますよね?
これらを紙やメールで対応していると、対応遅延や確認漏れが起こりやすく、業務全体のスピードと正確性が損なわれます。
Salesforceの「承認プロセス」機能は、こうした業務をシステム上で自動化・標準化し、業務効率化を強力にサポートします。
本記事では、Salesforceにおける承認プロセスの概要、構成要素、設計のポイント、よくある課題とその回避策について詳しく解説します。
Salesforceの承認プロセスとは?

Salesforceの承認プロセスは、レコード(見積、申請書、契約など)に対して、指定された条件に基づき、定められた承認者による決裁を段階的に進める仕組みです。ワークフローの一部として設計でき、承認/却下の履歴やステータス変更などを自動で管理できます。
主な活用例:
・見積金額が一定額を超えた場合の上長承認
・経費精算の金額に応じた部門別承認
・採用申請など人事関連の多段階承認
機能の特徴:
・履歴の記録とレポートによる可視化
・ワンクリック承認/却下
・承認後の自動アクション(ステータス更新など)
・ユーザーやロールに応じた動的承認者設定
設計前に知っておきたい!承認プロセスの構成要素
承認プロセスを設計するにあたり、まず知っておくべき基本用語と構成要素を整理しておきましょう。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| 開始条件 | 承認プロセスを起動する条件。例:金額が100万円以上のとき |
| 承認ステップ | 1つ以上の承認段階を設定可能。段階的な処理が可能 |
| 承認者の指定方法 | 固定ユーザー、上司、ロール、関連ユーザーなどから柔軟に設定可能 |
| 自動アクション | 承認/却下に伴って自動実行される処理。ステータス変更、メール通知など |
| 通知機能 | 承認依頼時に承認者へ通知(メール、Chatter、モバイル通知など) |
設計では、「誰が」「どの条件で」「何をするか」を明確にすることが成功の鍵です。
よくある課題とその回避策
承認プロセスの導入後に起こりがちなトラブルとその対処法を以下に紹介します。
ケース1:承認者の設定ミス
問題点:異動や退職により承認者が不在となる
対策:マネージャ項目やロールベースの動的承認者指定を使用する
ケース2:条件が複雑すぎてフローが動かない
問題点:設計段階で条件が入り組みすぎて承認プロセスが開始されない
対策:まずは単純な条件から始め、段階的に拡張していく
ケース3:通知が見逃される
問題点:メール通知のみで気づかれにくい
対策:Chatter通知やToDo、Slack連携なども併用する
ケース4:ステップが多すぎる
問題点:承認に時間がかかり業務が滞留
対策:本当に必要な承認だけを残し、業務ボトルネックを削減
応用テクニックと改善のヒント
承認プロセスをさらに業務にフィットさせるための応用テクニックも存在します。
✅️ 動的承認者の活用:申請者のマネージャや関連オブジェクトから承認者を自動取得
✅️ レポートとダッシュボードの活用:承認件数、滞留時間、承認率などを可視化
✅️ FlowやApexとの連携:複雑な前後処理、条件分岐、外部通知との連動を実現
✅️ モバイル承認の推進:外出先でも承認が可能。承認スピードの向上に貢献
まとめ
Salesforceの承認プロセスは、組織内の意思決定をスムーズにし、業務の透明性・効率性を高める重要な機能です。ただし、設計や運用を誤ると、逆に業務の負担やボトルネックになりかねません。
まずはシンプルな承認フローから導入を始め、段階的に拡張・改善していくことがポイントです
適切な設計と継続的な最適化により、Salesforceの承認プロセスは貴社の業務基盤として大きな力を発揮することでしょう。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
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