【Salesforce】フローとは?業務を自動化するための基礎知識

目次

はじめに

日々の業務で繰り返される定型作業や通知業務に時間を取られていませんか?
Salesforceは、こうした業務を効率化するための強力な自動化機能「フロー(Flow)」を提供しています。

この記事では、Salesforce初心者や導入直後の管理者の方にもわかりやすく、
「業務自動化の必要性」から「フローの種類と活用例」、「作成手順」までをシリーズ記事として丁寧にご紹介します。

ワークフローとは?初心者向けの基礎解説

ワークフローの定義

「ワークフロー」とは、ある業務の一連の流れ(プロセス)を、順序立てて明確に定義したものです。
たとえば、

見積もり申請 → 承認 → 発行
新規リードの登録 → 担当者への割当て → フォローアップ

といったように、「誰が」「何を」「どのタイミングで」行うかを整理した手順書のようなものです。

この「流れ」を明確にすることで、以下のようなメリットがあります。

・業務の属人化を防げる
・作業の抜け漏れをなくせる
・作業品質が標準化される

Salesforceにおけるワークフローの役割

Salesforceでは、この「ワークフロー」をシステム上で自動化できる仕組みがあります。
具体的には、レコードの作成や更新といった特定の動作を“きっかけ(トリガー)”として、通知、更新、割当てなどの処理を自動で実行できます。

たとえば、

「商談ステータスが“成立”になったら、担当マネージャーに自動でメールを送る」
「問い合わせが来たらToDoを自動で作成する」

などが、代表的なSalesforceワークフローの活用例です。

👶 初心者向けポイント
ワークフローは「作業の流れ」を自動で進めてくれる“お手伝いロボット”のようなものとイメージすると分かりやすいです。

なぜ今「フロー」が重要なのか?

手作業で行われる定型業務は、時間コストが高く、ミスの原因にもなります。
そこで注目されているのが「業務自動化」です。

Salesforceでは、従来「ワークフロールール」や「プロセスビルダー」によって自動化を実現してきましたが、
現在はこれらの機能を段階的に廃止し、「フロー」への一本化が進んでいます。

2025年末には、旧機能のサポートが終了する予定です。
これからSalesforceで自動化を構築するなら、「フロー」は必須スキルといえるでしょう。

Salesforceにおける「フロー」とは?

フローとは、Salesforceで複雑な業務を自動化するためのノーコードツールです。
フロービルダーという画面上で、ドラッグ&ドロップによって業務プロセスを視覚的に設計できます。

フローの基本機能

  • レコードの作成・更新・削除
  • メールやToDoの自動作成
  • 条件分岐、ループ処理
  • 外部システムとの連携(API)

初心者の方にも、「設定作業を自動でやってくれるアシスタント」のようなイメージで活用できます。

主なフローの種類

種類特徴・使用例
画面フローフォーム入力など対話形式のフロー
レコードトリガーフローレコードの作成・更新をトリガーに実行
スケジュールトリガーフロー日時指定で定期的に実行
プラットフォームイベントトリガーフロー外部システムとのリアルタイム連携

フローの構成要素

フローは以下のような要素で構成されます。

  • 開始条件(Start):実行のトリガー
  • 要素(Elements):データ更新・通知・画面表示などの操作
  • ロジック:条件分岐、ループなど
  • データ:レコードの取得・作成・更新・削除
  • アクション:メール送信、Chatter投稿、外部連携など
  • コネクタ:要素間の流れをつなぐ線

フロー作成について

具体的なフローの作り方の解説は別記事にまとめています。
フロー 新しくレコードを作成する / フロー 既にあるレコードを更新する

フローでできること

ここではフローを使用するとどんなことができるのか、いくつか例を上げたいと思います。使用する際に参考にしてみてください。

営業活動の自動化
商談成立後に請求書作成、担当者へ通知

顧客対応の自動化
問い合わせに自動応答、ケース起票と振り分け

契約・請求管理
クローズ商談から契約書作成、承認依頼、自動発行

従業員オンボーディング
新入社員登録→ToDo自動割当て+通知

データ品質維持
重複チェック、更新ルールの自動化

外部連携
マーケティングツールや会計システムとの自動接続

まとめ

Salesforceのフローは、日々の定型業務や通知処理を自動化し、業務効率と正確性を高める中核機能です。
従来のワークフロールールやプロセスビルダーに代わり、より高度な処理をノーコードで実現できるのが大きな特徴です。

これからSalesforceの自動化を考えるなら、まずは「フロー」から。小さな業務でも、ひとつ自動化できれば、大きな時間の節約とチーム全体の生産性向上につながります。

シリーズ記事の他の内容とあわせて、実際にフローを試しながら、Salesforceの業務自動化に取り組んでみてください。

それでは次回の記事もお楽しみに!

シリーズ目次

1年生シリーズの目次(クリックで展開)
フェーズトピック内容
🟢 導入前Salesforceって何ができるの?初心者向け超入門ガイド 
システム管理者とは?Salesforce管理者の役割と求められるスキル
クラウドって何?オンプレミスとクラウドの違いを理解しよう
Salesforceを導入するとどんなメリットがあるの?ビジネス視点で考える
成功するSalesforce導入とは?導入の流れと準備すべきこと
Salesforceのライセンスの種類とプラン選び
Salesforceの基本用語を押さえよう!
実際に画面をSalesforceの標準UIを理解しよう!
Salesforceを学ぼう!Trailheadと公式ドキュメントを活用しよう
🟡 導入初期Salesforceにログインしてみよう!ホーム画面の見方
オブジェクトとレコードって何?基本データ構造を理解する
じめてのSalesforce!レコードの作成・編集・削除をやってみよう
ユーザー管理の基本!プロファイル・ロール・権限セットを設定してみよう
セキュリティ設定の基本!アクセス権とデータの保護を考えよう
標準オブジェクトとカスタムオブジェクトの違いを理解しよう
レポートを作ってみよう!データを見える化する第一歩
ダッシュボードを作成してみよう!見やすいビジュアルを作るコツ
フローとは?業務を自動化するための基礎知識 本記事
メールテンプレートを作ってみよう!標準機能で業務効率化
🟠 導入後しばらく経過Lightningページのカスタマイズに挑戦!使いやすい画面を作る
オブジェクトのレイアウトを変更して、必要な情報を整理しよう
プロセスビルダーを使って簡単な自動化を実装しよう
フローを使ってより高度な業務プロセスを自動化する
数式フィールド・積み上げ集計フィールドの活用術
Salesforceモバイルアプリを活用して、外出先でも業務を効率化
レポートを活用した業務分析!データドリブンな意思決定をサポート
AppExchangeとは?便利なアプリを導入してSalesforceを強化しよう
データインポートとエクスポート!データの管理を適切に行う
トラブルシューティングの基本!エラーの原因を特定し解決する
🔵 導入後中期Salesforce運用のベストプラクティス!管理者としての心構え
監査ログを活用してセキュリティを強化する
定期メンテナンスのポイント!システムを健全に保つには?
Salesforceのアップデート情報をチェックし、最新機能を活用する
複雑な承認プロセスを構築して、業務フローを効率化
カスタムボタン・リンクを使ってSalesforceの操作を簡単にする
APIと外部システム連携の基礎知識(初級編)
ユーザートレーニングを実施し、社内でSalesforceを定着させる
運用ルールを決めて、Salesforceのデータ品質を向上させる
Salesforce認定アドミニストレーター資格に挑戦!学習の進め方とコツ

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