【Salesforce】トラブルシューティングの基本!エラーの原因を特定し解決する

はじめに
業務やシステム運用中に突如発生する「エラー」。そのままにしておくと業務が滞り、大きな損失を生むこともあります。
そんなときに必要なのが、トラブルシューティング(原因究明と対処)のスキルです。
本記事では、初心者でも実践できるトラブルシューティングの基本ステップと、原因特定のためのポイントをわかりやすく解説します。正しい手順を学び、エラー対応の精度とスピードを高めましょう。
トラブルシューティングとは?

問題解決のための思考と手法
「トラブルシューティング」とは、発生した問題の原因を特定し、的確な対処を行うプロセスのことです。
ITや業務システムの分野では欠かせないスキルであり、単にエラーを修正するだけでなく、再発防止策を講じることも含まれます。
トラブルシューティングの目的
・業務の継続性を確保する
・システムの信頼性を維持する
・チーム全体の対応力を強化する
なぜエラーは発生するのか?主な原因とは
エラーの背後にはさまざまな原因があります。以下のようなカテゴリに分けて考えることで、原因の特定がしやすくなります。
主な原因の分類
・人的ミス(設定ミス、操作ミスなど)
・システム不具合(ソフトウェアのバグやアップデートの影響)
・外部要因(ネットワーク障害、電源トラブル)
・仕様理解の不足(使い方や前提条件を誤解している)
これらの分類を意識することで、初動対応の精度が格段に向上します。
Salesforceで起こりやすいトラブルとは?
Salesforceは高機能なクラウドCRMですが、構成や設定が柔軟であるがゆえに思わぬエラーが発生することもあります。
主なトラブルの例
保存時エラー(「Apex CPU time limit exceeded」など)
レコード表示の不具合(Lightning画面でのレイアウト崩れ)
フローが途中で停止(処理制限や参照エラー)
API連携エラー(連携先からの認証失敗やトークン期限切れ)
これらのエラーは、設定ミス、ユーザー権限の不整合、オブジェクト間の参照関係など、複数の要因が絡み合っているケースが多いため、冷静な分析が必要です。
原因を特定するための5つのステップ
① 現象の確認
まずは「何が・いつ・どのユーザーで起きたのか」を明確にします。エラーメッセージの全文を確認するのが第一歩です。
② システムログの確認
「開発者コンソール」や「デバッグログ」を利用して、処理の流れやエラーの発生箇所を確認しましょう。
③ 設定や変更履歴を見直す
最近行った項目の追加・削除、プロセスビルダーやフローの変更などが原因になっていないかを振り返ります。
④ 再現性のチェック
他ユーザーでも同じ現象が起きるかを確認。プロファイルやレコードタイプの違いにも注意。
⑤ 修正と検証
設定変更やApexコード修正を行った場合は、Sandbox環境で十分に検証してから本番反映しましょう。
よくあるSalesforceエラーと対処法
Salesforceでよく報告されるトラブルの原因と対応方法をいくつか紹介します。
Apex CPU time limit exceeded
処理時間が制限(最大10秒)を超えたことが原因。SOQLの見直しやループ内の処理削減が有効です。
フローの参照エラー
削除済みのオブジェクトやフィールドを参照している場合に発生。フローのバージョン管理と参照先の確認が必要。
API接続が失敗する
連携先のアクセストークンが切れているケースが多く、認証フローの再確認と再発防止の仕組みが求められます。
トラブルを未然に防ぐための予防策
日常的な運用の中で、トラブルの予兆を見逃さない仕組みを作ることも重要です。
おすすめの予防対策
・変更履歴の記録(設定変更はChatterやスプレッドシートで管理)
・Sandbox環境での事前テスト
・フローネーミングルールの統一
・定期的なプロセスの見直し(非効率な処理の洗い出し)
Salesforceは柔軟な反面、属人化しやすいため、チーム全体でルールを定めて運用しましょう。
チームでナレッジを活用しよう
トラブル対応のたびに毎回ゼロから対応していては非効率です。チーム内でのナレッジ共有体制を整備しましょう。
ナレッジ活用のコツ
・Salesforceのケース管理機能で対応履歴を残す
・SlackやNotionなどでエラー事例を蓄積
・定例ミーティングでの情報共有
属人化を防ぎ、誰でも対応できる体制を作ることで、チーム全体の対応力が高まります。
まとめ
Salesforceは多機能で柔軟なプラットフォームである一方、設定や構成が複雑化しやすく、思わぬトラブルに直面することも少なくありません。
だからこそ、問題が発生した際に冷静に状況を整理し、原因を特定し、再発を防ぐための一連のスキルが非常に重要です。
今回ご紹介した内容をぜひ日々の運用に取り入れ、「トラブルが起きても慌てない体制づくり」に役立ててください。小さな積み重ねが、大きな安定運用につながります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
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