【Salesforce】データインポートとエクスポート!データの管理を適切に行う

はじめに
Salesforceを最大限に活用するには、「正確で一貫性のあるデータ管理」が欠かせません。
データは企業にとって、進むべき方向を示す羅針盤。もしも古くて不正確なデータに基づいて営業やマーケティングを進めてしまえば、機会損失や信用低下のリスクも。
常に最新かつ信頼できるデータを保持し、それを正しく移動・活用するためには、「データのインポート」と「エクスポート」の手法を正しく理解することが重要です。
本記事では、Salesforceにおけるデータの出し入れのベストプラクティスを詳しく解説します。
データインポート:Salesforceへデータを安全に取り込む方法
インポートが必要な場面とは?
- 新規顧客リストの一括登録
- 他システムからのデータ移行
- 展示会などで集めた名刺データの登録
- 既存顧客情報の一括更新
主なインポートツールと特徴
🧭 データインポートウィザード
・ブラウザ上から簡単に使える初心者向け
・対応件数:最大5万件
・単一オブジェクト向き、簡易的な重複チェック可能

⚙️ データローダ
・PCにインストールして使用(中〜上級者向け)
・大量データ対応(500万件以上)
・親子関係のあるデータや複雑な更新処理に強い

💡 AppExchangeの拡張ツール
・インポートの自動化、データの標準化が必要な場合に有効
・高度な重複排除・マッピングが可能なアプリも存在
インポート成功のための準備
- クレンジング:不要データの削除、表記ゆれ統一、空白処理
- マッピング:CSVの列とSalesforce項目を正確に対応づける
- 項目制約チェック:必須項目、文字数制限、型などの事前確認
- ID連携:関連オブジェクトを扱う際は、Salesforce IDの準備
- テストインポート:本番前に少数レコードで検証
- バックアップ:インポート前に必ず現状のデータを保管
データエクスポート:Salesforceからデータを適切に取り出す方法
主なエクスポート方法と使いどころ
📄 レポート機能からのエクスポート
・条件指定のデータをすぐにCSV/Excelで出力
・フィルタ付きの軽量データに最適
・限定されたデータだけを取り出したい場合に便利
⚙️ データローダによるエクスポート
・複雑な条件での大量エクスポートが可能
・フルバックアップやID付きデータの抽出に最適
・オブジェクト単位での操作が基本
🗂 データエクスポートサービス
・Salesforce設定画面から週次・月次で自動バックアップを生成
・ZIP形式で全オブジェクトのデータ(添付ファイル含む)を取得可能
・保守目的での定期バックアップにおすすめ
エクスポート後の注意点と活用法
- セキュリティ対策:パスワード保護や暗号化、アクセス制限を設定
- 個人情報の管理:法令遵守(GDPR、個人情報保護法など)を徹底
- データ構造の理解:CSVの列構成、Salesforce IDの活用ポイントを把握
- バックアップ体制の整備:定期取得・複数箇所への保存も検討
適切なデータ管理のためのベストプラクティス
Salesforceでのデータ活用を継続的に最適化するには、インポート・エクスポートだけでなく、日常的な管理体制の強化が不可欠です。
データガバナンス体制の確立
- データ入力ルール(命名規則、必須項目)を標準化
- データ管理責任者の配置
- 定期的なデータレビュー・監査の実施
データ品質の維持
- 重複ルールの設定と自動マージ
- データクレンジングツールの活用
- 表記の揺れ、記入漏れ、整合性の定期チェック
項目とアクセスの最適化
- 不要な項目の削除・非表示化
- ピックリストの定期見直し
- ロール・プロファイル・共有設定の最適化
- テスト環境での事前検証と影響分析
まとめ
Salesforceは強力なプラットフォームですが、その実力を最大限に引き出すためには、データの質と流通の適正化が鍵となります。正しく整備されたデータは、営業戦略の精度を高め、顧客満足度を向上させ、組織全体の意思決定を支える土台となります。
日々のインポートやエクスポート作業を「ただの事務作業」と捉えるのではなく、企業の未来を左右する重要な業務として見直すことが必要です。
特に、大量データを扱う場面では、少しのミスが大きな影響を及ぼす可能性があるため、事前の準備と理解が欠かせません。さらに、インポート・エクスポート後のデータ活用方法も含めた総合的なデータ戦略を意識することが、競争優位を築く上で大きな意味を持つでしょう。
それでは次回の記事でまたお会いしましょう。
シリーズ目次
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