【Salesforce】初心者必見!現場でよく使う基本用語12選と理解のコツ

はじめに
Salesforceを導入したばかりの現場でよく聞くのが、「用語が多すぎて何を覚えればいいか分からない…」という声です。
確かに、オブジェクトやレコード、プロファイルや権限セットなど、独特な言い回しが多く、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。
そこで今回は、実際の業務でよく使われるSalesforceの基本用語を、役割と使い方の観点からやさしく解説していきます。
設定や運用の場面でもつまずきやすいポイントを補足しているので、これからSalesforceを使いこなしたい方はぜひ参考にしてみてください。
オブジェクト
情報の種類をまとめる「箱」
Salesforceでは、顧客や商談、問い合わせなど、管理する情報の種類ごとに「オブジェクト」が用意されています。
「取引先」や「リード」などの標準オブジェクトに加え、自社独自に作れるカスタムオブジェクトもあります。
・Excelでいうと「シート(タブ)」に近いイメージです。
・管理者はオブジェクト単位でアクセス権や入力項目を制御します。


レコード
オブジェクトの中にある1件ごとのデータ
レコードは、オブジェクトの中に保存される個別のデータのこと。たとえば「株式会社テスト」や「〇〇商談」などが1件のレコードです。
・Excelなら1行分の情報に該当します。
・ユーザーは主にこのレコードを作成・更新・検索して業務を進めます。

項目(フィールド)
レコードを構成する「列」や「入力欄」
名前や住所、金額、ステータスなど、レコード内にある1つひとつの入力フィールドを指します。
テキスト、日付、選択リストなど、項目の型によって入力内容が制限されます。

選択リスト
あらかじめ決めた選択肢から選ぶ項目形式
「都道府県」「業種」「ステータス」など、入力者に自由入力させず、決まった選択肢から選ばせる項目形式です。
企業内で用語を統一したいときや、レポート集計しやすくしたいときに便利です。
・管理者は「値セット」や「連動項目(依存関係)」の設定も可能。

レコードタイプ
同じオブジェクトでも使い分けるための分類
たとえば、商談オブジェクトを「新規商談」と「既存顧客商談」に分けたいときに使うのがレコードタイプ。
レコードタイプごとに入力項目(ページレイアウト)や選択リストの内容を切り替えることができます。


ページレイアウト
入力画面の見た目と項目の並び順を設定
どの項目をどこに表示するか、どれを必須にするかを定義します。
レコードタイプと組み合わせることで、「営業用」「サポート用」など異なる画面設計が可能です。


プロファイル
ユーザーごとの操作・アクセス制限の基本単位
プロファイルでは、「どのオブジェクトにアクセスできるか」「どんな機能を使えるか」を決めます。
ユーザーごとに1つだけ割り当てられるため、基本的なアクセス権はプロファイルに依存します。

権限セット
一部のユーザーに個別に権限を追加できる仕組み
プロファイルだけではカバーしきれない細かな権限調整に使います。
特定のレポート編集権限や、特定オブジェクトの作成権限などを、柔軟に一部ユーザーへ付与可能です。

ロール
階層ベースでレコードの参照権限を制御
営業部長はチーム全員の商談を見られるけれど、担当者は自分の分だけ見える――
こうしたレコード単位の閲覧範囲を管理するのがロールです。
・プロファイルと異なり、1ユーザーに1ロールが原則。
・ロールはデータの「見える範囲」、プロファイルは「使える範囲」

レポート
Salesforceに蓄積されたデータを一覧・集計表示する機能
リスト化、グラフ化、集計など、ビジネス指標の可視化に役立ちます。
標準レポートタイプをもとに、自由なカスタマイズも可能です。

ダッシュボード
レポートをビジュアルにまとめた表示パネル
棒グラフ、円グラフ、ゲージなどを活用して、重要な指標を一目で確認できるようにします。
営業会議などの報告にもよく使われます。

フロー(Flow)
Salesforceの標準自動化ツール
申請処理、メール通知、レコード更新など、手作業を減らす処理をノーコードで実装できます。
以前は「プロセスビルダー」「ワークフロー」が主流でしたが、今後はフローへの一本化が進められています。

管理者として意識しておきたい3つの視点
- 混同しやすい用語を正しく理解する
→ 特にオブジェクトとレコード、プロファイルとロールの違いは混同しやすいため、設定時に注意が必要。 - 設定の変更が及ぼす影響範囲を理解する
→ レコードタイプやレイアウトの変更は、ユーザー画面に即影響する - 権限まわりは“見えない問題”として相談されがち
→ 「項目が見えない」「編集できない」といった相談の大半はプロファイル/権限セットの設定不備が原因
まとめ
Salesforceには多くの専門用語がありますが、実際に現場で使うのはその一部です。
今回ご紹介した12個の用語を押さえておくだけでも、設定ミスの予防やトラブル対応の精度は格段に高まります。
設定を行う管理者はもちろん、運用担当者・サポート担当者にとっても、共通言語として用語の理解を揃えておくことが大切です。用語の理解は、正確な運用の第一歩です。現場でのコミュニケーションや設定作業に、ぜひ今日から役立ててみてください。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
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