【Salesforce】データセキュリティの強化 Salesforceで行うべき基本設定と運用方法

目次

はじめに

どのようなシステムでも共通ですが、Salesforceを使用する上でも、データのバックアップとリカバリーはとても重要な要素です。

ビジネスの成長に伴い、データの量は増加し、それに伴いデータ喪失のリスクも高まります。
予期せぬデータ損失や誤った操作によるデータの消失を防ぐためには、定期的なデータバックアップを行い、不測の事態に対しても、速やかにリカバリーできる体制を整えることが重要です。

この記事では、Salesforceでのデータバックアップとリカバリー方法について詳しく解説します。

Salesforceにおけるデータセキュリティの基本

セキュリティの定義と目的

データセキュリティとは、データを不正アクセスや損失から保護するための手段です。
Salesforceでは、顧客情報やビジネスデータなどの企業活動において、重要な情報を安全に管理することが求められます。
セキュリティ対策を講じることで、情報漏洩を防ぎ、信頼性を高めることができます。

主な脅威

それでは、Salesforceを利用する上で直面しうる可能性のある脅威とは、一体どんなものでしょうか?
下の2つは代表的なものです。

データ漏洩
誤った設定や不正アクセスにより、機密情報が漏洩する危険があります。
データ漏洩が発生すると、顧客からの信頼低下や法律的な罰則が科されるリスクがあり、企業にとっては重大な経済的損失や評判への影響も懸念されます。

不正アクセス
ユーザーアカウントがハッキングされることで、機密データにアクセスされる可能性があります。
不正アクセスの代表的なリスクとしては、個人情報や機密情報の漏洩、データの改ざん、サービス妨害(DDoS攻撃)などが挙げられます。
特にDDoS攻撃は、サーバーやネットワークに過剰な負荷をかけ、業務を一時的に停止させることもあります。

セキュリティ対策の具体案

基本設定によるセキュリティ強化

ネットワークアクセス制御
Salesforceの「ネットワークアクセス」設定を活用し、特定の信頼できるIPアドレス範囲からのみアクセスを許可します。これにより、不審なIPアドレスからのアクセスを防止し、より安全な接続環境が実現されます。


ログインアクセスポリシー
Salesforceで「ログインIP制限」や「ログイン時間制限」を設定し、ユーザーがどこから、いつアクセスできるかを制限します。業務時間外や予期しない場所からのアクセスを制御し、不正アクセスのリスクを軽減できます。


ユーザー管理
ユーザーの役割や権限を適切に設定することで、必要な情報にのみアクセスできるようにします。
プロファイル、ロール階層や権限セットを利用して、適切なデータのアクセス制御を行い、特定のユーザーが機密情報にアクセスできないようにします。


パスワードポリシーの設定
強固なパスワードポリシーを設定し、定期的なパスワード変更を推奨します。
パスワードの複雑さや最小文字数を設定し、簡単に推測されないパスワードを使用することが重要です。
Salesforce公式ヘルプに詳細があります。気になる方はご参照ください。


多要素認証の導入
多要素認証(MFA)は、ユーザーがログインする際に追加の認証を求める方法です。
この機能を利用することで、不正アクセスのリスクを大幅に減少させることができます。
詳細についてはSalesforce公式ヘルプをご参照ください。

運用方法によるセキュリティ維持

ログイン履歴の監視
Salesforceの「ログイン履歴」機能を活用し、不審な活動や異常なログインがないかを定期的にチェックします。監視により、異常を早期に発見し、リスクに応じて適切な対応が可能です。


定期的なセキュリティ監査
定期的にシステムやユーザー権限の監査を行うことで、セキュリティリスクを早期に発見できます。
監査結果に基づいて、必要な改善を行い、継続的なセキュリティ維持に努めましょう。


教育と啓発
社員へのセキュリティ教育は非常に重要です。
セキュリティポリシーや手順についての教育を定期的に実施し、全社員がセキュリティの重要性を理解するようにしましょう。


インシデント対応計画の策定
データ漏洩や不正アクセスが発生した場合に備え、インシデント対応計画を策定しておきます。
具体的な対応手順を事前に決めておくことで、もしものときに迅速な対応を取ることができ、大きなトラブルの回避に繋がるでしょう。


監査証跡とモニタリング
Salesforceの「監査証跡」機能を活用し、ユーザーの操作履歴を記録・監視します。
不正なアクセスや操作を追跡し、必要に応じて迅速な対応が可能です。

まとめ

Salesforceにおけるデータのセキュリティ強化は、基本設定と運用方法を適切に組み合わせて行うことで、より効果の高い環境の構築が実現できます。
ユーザー管理やパスワードポリシーの設定、多要素認証の導入を通じて、データを適切に安全に保護しましょう。

また、定期的な監査や社員教育を行い、セキュリティ意識を高めることもとても重要です。
これらの対策を実施し、安全なデータ管理を実現してみてください。

安全な環境で、よりよくSalesforceの活用を進めてみてくださいね。

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