さて、一般的に成果が見込みやすいRLSA配信ですが、これを除外設定に利用できることをご存知でしょうか。今回はRLSAリストを「除外」したら良い感じになった、というお話です。
今回のあらすじはコチラ↓
- RLSA配信を実施したが、CVがつかなかった
- アトリビューションを見ると、複数クリック後のCVが非常に少なかった
- RLSAユーザーを除外で改善
RLSAユーザーとは:サイトに1度以上、訪問済みのユーザーを指します
RLSA配信でCVがつかず
初動時から、「RLSAユーザーは1度サイトを訪れていることから関心が高いため、CVが獲得しやすいのではないか」という想定から、RLSAユーザーのみに配信するキャンペーンを作成し、実施しました。また、検索結果のボリュームに対して予算が不足していることも想定していたことから、RLSAユーザーへの配信を予算を分けて実施することにより、予算配分の効率化が図れるとも考えていました。
RLSA配信を実施した結果が、以下の通りです。
クリック率は一般キャンペーンに対して大幅に上昇したことから、関心が高いユーザーに配信できていたと言えます。その一方で、RLSAを利用していないキャンペーンでかかるCPAの倍以上の費用を使用していても、CVが獲得できませんでした。
ここで、この案件では、「複数回検索するユーザーは、実はモチベーションが低いのではないか」と考えました。
クリック1回でのCVが90%
アトリビューションを確認したところ、コンバージョンに至るクリック数が2以上あるものが、全体の約10%でした。
つまり、CVした約90%のユーザーが1回の広告クリックでCVしている、ということです。
余談ですが、広告を2回以上クリックしたユーザーでも、「検索は1回」という場合が存在します。以下、例になります。
1.検索を実施、検索結果画面が表示される
2.広告をクリックしサイトに遷移(1度目)
3.「戻る」ボタンで検索結果画面に戻る
4.再度、広告をクリックしサイトに遷移(2度目)本案件でも、経路が2以上のうち、5/9がコレに該当しています。
また、RLSA除外を行っていても、この挙動は発生します。
アトリビューションも確認した限り、この案件では、「RLSAユーザーへの配信は有効ではない」との結論に至りました。
RLSAユーザーを除外する
上述の流れから、RLSAユーザーを一般キャンペーンから除外し、配信を実施することにしました(つまりサイトを訪れたことがないユーザーのみに広告を配信しました)。
前後の数値は、以下の通りです。
RLSAユーザーを除外したことで予算によるインプレッションシェア損失率が減少しました。そして、RLSAユーザーよりもCV獲得しやすい層への露出が増えたことで、CVRが上昇、その結果、CPAが改善しました。
まとめ
一般的に配信効率が良いとされるRLSAですが、実は良くない、ということも。
その場合は、RLSAを除外で用いることも有効かもしれません。
おまけ:RLSAに関する弊社過去記事
・指名被りにRLSAで対応してみた事例《リスティング広告》
・《RLSA入門》 リスティング広告:GoogleAdWords RLSAの活用についてと 簡単な事例
・【便利機能シリーズ】RLSA配信の思考ロジック実用例
・RLSAの効果的な使い方を考える<Google AdWords>
・地域限定リスティング広告の運用で、GoogleAdwords「RLSA」を使ってみた件
・RLSAがサーチの可能性を広げるかも《Google AdWords》