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広告主様も関心が高まってる?ネット広告の闇とは

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今季最強最長の寒波到来と寒い日が続きますね。

先日家族でドライブしていると、道路脇にはパチンコ屋さんの大きな看板があり、そこには江頭2:50さんが「次の信号を右折!」と、おなじみの格好とポーズで案内されていました。

息子はそれを見て「パパ、あの人寒くないかなぁ」とタイツ一枚のおじさんを心配するわけです。

なんて優しい子なんだ。。。と、わが子の純粋さにほっこりしながらも「これもあのおじさんのお仕事なんだよ」と言うと「え~僕そんな仕事したくない」と。
うん、それでいい。そのまますくすく育ってください。

さて、昨年末に週刊東洋経済にて「ネット広告の闇」と見出しが付けられて特集されていたことをご存知でしょうか。
「闇」なんて表現されると、ネット広告に携わる身としては放っておけないですよね。

今回はここで特集されていた概要と、運用者として何かできないのかという観点でまとめてみました。

ネット広告の闇とは?

どんな内容が特集されていたのかというと、運用型のネット広告配信において下記のような懸念が広告主側から指摘され、広告出稿に影響が出ているというものでした。

  • ネガティブなサイトへの広告掲載
  • アドフラウド問題
  • ビューアビリティ
  • アドブロック

これらは一般消費財メーカーとして世界最大手のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の最高ブランド責任者もスピーチの中で指摘しており、年間売上7兆円の1割を広告投資に充てている世界最大の広告主の発言ということで、ネット広告市場において過去最も影響力の大きい発言として紹介されています。

中でも、ネット広告に対して「よく言っても不透明、悪く言うなら詐欺的」と、かなり不信感を募らせているようです。

これら懸念点は、いずれもディスプレイ広告における指摘になってくるかと思います。
媒体や配信メニューによって影響度が変わってくるかと思いますが、それぞれどんな指摘なのか見てみましょう。

※各懸念点に対する対策・防止策については、弊社が主に取り扱うYahoo!およびGoogleでのディスプレイ広告に主眼を置いております。

ネガティブなサイトへの広告掲載

ネガティブなサイトとは、例えば下記のようなジャンルのものが挙げられています。

  • 極右系のニュースサイト
  • フェイクニュースサイト
  • アダルト色が強いサイト
  • テロ支援組織のサイト

ブランドセーフティの観点からは、やはりこういった内容が書かれたサイトに広告掲載は避けたいところ。

一方、運用型広告としてアドネットワークを使うことで、様々なサイトに一括で広告出稿できることがメリットでもありますが、今回はそれが仇となり、好ましくないサイトにも広告が表示されてしまっている状況が指摘されているわけです。

現状ではこういったブランド毀損に対する意識は海外企業の方が高く、そのため日本国内では外資系企業が本国指示などを受けて、プランド毀損を与えるサイトへの広告掲載を排除する動きが多いようですが、まだまだ国内では意識が低いようです。

特集の中では、ネガティブなサイトでの広告掲載を調べたところ、国内の大手企業の掲載も確認されており、そのことを広報担当に問い合わせると「対策を講じてはいるが、指摘のサイト掲載は認識していなかったので、再度対策を検討する」といった声も紹介されていました。

やはりナショナルクライアントと呼ばれる大手企業であれば、ブランド戦略を明確に掲げているためブランド毀損への意識は高く、今後こういった要望は国内企業でも多くなってくると思われます。

昨年の初め頃にはブランド毀損の懸念からYoutubeへの動画広告を取りやめる海外大手企業が相次いでいるとニュースになっていましたね。
参考:ユーチューブから広告停止相次ぐ 悪質動画に表示で/日経新聞

防止策は?

では、運用者として何か対策はできないのかということですが、方法としてはプレースメント除外をして、望ましくないサイトへの掲載をストップすることです。

AdWordsでは下記のようなサイトカテゴリでの除外設定が用意されているので、事前に設定しておくことである程度防ぐことができるかと思います。

ただ、事前にわかっているものがあれば、あらかじめ除外設定できますが、なかなかすべてをピックアップすることは困難であり、日々いろんなサイトが作られることもあり、確実にすべてのネガティブなサイト掲載を防ぐことは難しいのが現状かもしれません。

アドフラウド問題

アドフラウドとは広告詐欺のことで、手法はいくつもありますが、ユーザーに成りすましたbot(ボット)と呼ばれる自動プログラムによる操作で、広告クリックや表示回数を水増しする行為です。

どんな手法で偽装されているのかは下記記事を参照ください。
参照:悪魔のアドフラウド14の手法まとめ ―― いまのネット広告は落とし穴だらけ!

弊社過去記事でもアドフラウド問題について紹介があるのでご参考に。
今回特集されている他の問題についても言及されています。
参照:「アドフラウド問題」について、押さえておきたい

もちろん広告代理店側が意図的に水増しをするわけではないですが、広告クリックや広告表示として不正にコストが使われ、悪徳業者の懐に入ると思えば広告主側としては看過できないと思います。
ただこちらも対策をすれば手口も巧妙になりのいたちごっこのようでなかなか根本解決は難しいようです。

米国の広告業界団体であるANA(全米広告主協会)によると、ボットによる不正表示数はディスプレイ広告で9%、動画広告で22%を占めるとのことで、日本の状況についてはインテグラル・アド・サイエンス(IAS)の調査によると国内の運用型広告のうち8.4%程度が不正との推定とあります。

防止策は?

媒体側も対策を検討しており、今でも無効な操作として不正な挙動に使った広告費は返金されていますが、Googleでは不正なトラフィックの透明化や払い戻しの自動化など、アドフラウド対策の方針を新たに発表しているようです。
参照:Google,不正トラフィックなどのアドフラウド対策の方針を発表

ただ後で不正だと判明したコストを払い戻しされても、仮に期間限定キャンペーンの訴求だとすれば、その間のクリックや視聴数の有効数は少なかったということにつながりかねないので、できれば事前の防止ができるといいですね。

アドフラウドを仕込む悪徳業者が巧妙な手口を使ってまでやる狙いは、もちろん広告収入が目的ですから、プレースメントレポートなどを分析すると、やたら広告表示されるがクリックされない、他サイトと比べて極端にクリックされるが、成果が得られていないなど、挙動がおかしいと思われるプレースメントが見つかるかもしれません。

キャンペーンの目的、計測するコンバージョンによっても変わってくるかもしれませんが、成果に結びついていないサイトの広告表示やクリックが多ければ、パフォーマンス向上の意味でもプレースメント除外する方が得策なので、適宜プレースメントでの実績も確認していきたいですね。

ビューアビリティ

広告表示はされたようだけど、ほんとにその広告は見られていますか?といった問題です。

サイトの下の方の広告枠だとスクロールしないと視認できない位置での掲載となっており、広告表示はされているが、ユーザーに見られていない可能性があるわけです。

要するに、広告表示回数=ユーザーの目に触れた回数ではないということが指摘されており、認知拡大を目的として広告の表示回数も重要指標としている広告主にとっては気になるところですね。

弊社でも過去に視認可能な広告表示について調査した記事があるのでご紹介
【調査】Googleディスプレイ広告で視認されないインプレッションはどの程度あるのか。

防止策は?

Yahoo!やGoogleであれば、配信実績の項目に「広告表示回数」の他に「視認可能なインプレッション数/Google」「ビューインプレッション数」という指標が用意されています。

これらの数値を確認することで、広告表示回数のうち、どの程度視認可能な位置での掲載につながっているのかを確認することが可能です。

まずは上記の項目を比較して、視認可能なインプレッション割合が低いようであれば、そういったサイトを配信除外にしていくことでちゃんと広告がユーザーの目に届く比率を高められると思います。

アドブロック

これは広告主側からすれば、ユーザーへの広告接触機会が減ってしまうことにつながります。
ただユーザーはリマーケティング配信に代表される、しつこく同じ広告に追われる事などへの不快感からアドブロックツールを使うユーザーが増えてきているという背景があります。

記事の中でも、オフィシャルな場でリマーケティングによる広告表示がされ恥ずかしい思いをしたなどユーザーの広告に対する不快感が高まっていることが紹介されています。
そんな中で昨年リリースされたiOS11.0ではトラッキング防止機能が追加され、リマーケティング配信ができなくなるような仕様にアップデートされました。
こちらについても特集の中で記載されていましたが、弊社の過去記事でも紹介されてますので参考に
参考:ITPがWeb広告に与える影響について

対策は?

根本はユーザーが不快に思う広告表示をしていることですので、配信する側でできることは、なるべく不快に感じないような配信にすることでしょうか。

たとえば、フリークエンシーの上限を設けたり、成果につながらないサイトへの広告表示を止めることで、少しでも不快感を払拭していくことでしょうか。
ユーザーによってはこの不快感を与える広告の広告主に対してもネガティブなイメージを抱いてしまいかねないので、前述したブランド毀損にも繋がる話ですね。

まとめ

こうした問題に対して運用者としてできうることは限られているのが現状のようです。
直接的なところはプレースメントレポートを見て除外したり、優良と思われるプレースメントのみを指定して配信などに尽きるのかもしれませんが、なかなか配信されているプレースメントをタイムリーに確認するのはなかなかやりきれるものでもないと言う側面もあります。

こういった背景から”アドベリフィケーションツール”を導入する企業も増えてきているとのことです。

アドベリフィケーションツールとは
広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されていないか、ユーザーが認識できる場所にしっかり掲載されているかなどを確認して配信をコントロールするためのツール
参照:アドベリフィケーションとは
参照:アドベリフィケーションの仕組みと役割

ただ導入することは簡単ではないので、今回の指摘されている「ネット広告の闇」が晴れることはまだまだ先が長いのかもしれません。

ただ、P&Gのブランド戦略担当者が指摘しているように「よく言っても不透明」ということが、広告主側の不信を招いている根本であると思います。

弊社の広告主様も、「闇」などと書かれてると気になってしまい、「もしかするとウチは大丈夫?」とか、配信結果に対する突っ込みが増えたりなどあるかもしれません。
そんなときでもしっかりと受けごたえして、お客様の不安を払拭し、少しでも不透明さをなくせるよう心がけたいですね。

息子の無垢な優しさを見習い、広告主様にも、ユーザーにも優しい運用者になれるよう、日々精進してまいりたいと思います。

 

 

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ブログ記事の中で広告運用の事例をご紹介することがありますが、実際の事例を一部加工した内容となっておりますのでご留意ください。

また、2018年7月24日よりGoogle AdWordsはGoogle広告に名称変更されました。それ以前の記事に関してはGoogle AdWordsと表記されておりますのでご了承ください。


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