【Salesforce】環境ハブの基本と活用法

はじめに
Salesforceを利用する企業では、本番環境だけでなく、テスト環境やSandbox環境など、複数の組織(Org)を運用するケースが多くあります。しかし、これらの環境を個別に管理するのは手間がかかり、組織間の切り替えやアクセス管理も煩雑になりがちです。
そこで役立つのが環境ハブ(Environment Hub)です。環境ハブを活用することで、複数のSalesforce組織を一元的に管理し、運用効率を向上させることができます。
本記事では、環境ハブの基本機能や活用方法について解説します。
環境ハブの基本機能

環境ハブとは?
環境ハブとは、Salesforceの複数の組織を統合的に管理できる機能です。
主に、Salesforceパートナーや開発者、システム管理者が活用するもので、この機能を活用することで、さまざまな環境を一元管理できるようになります。
環境ハブでできること
複数のSalesforce組織の管理
・本番環境、Sandbox、開発環境を一覧で確認・管理できる。
・組織ごとの詳細情報(エディション、作成日、有効期限など)を把握可能。
シングルサインオン(SSO)の活用
・各組織に個別ログインする手間を削減。
・組織間の切り替えがスムーズになる。
開発・テスト環境の統合管理
・新規の開発・テスト用の組織を簡単に作成。
・環境ごとの違いを把握しながら運用が可能。
環境ハブを利用するメリット
運用負担の軽減
組織管理の効率化により、システム管理者の作業負担を軽減が期待できる。
セキュリティの向上
SSOを活用することで、安全かつスムーズなログイン管理が可能になる。
開発・テストの効率化
必要に応じた新規環境の作成が容易になり、開発やテストをスムーズに進めることができる。
環境ハブで作成できる組織の種類
ISV パートナーの場合は、パートナーエディションの組織も作成できます。
組織種別 | 最適な用途 | 有効期限 |
---|---|---|
Group Edition | テスト | 30 日 |
Enterprise Edition | テスト | 30 日 |
Professional Edition | テスト | 30 日 |
Partner Developer Edition | アプリケーションおよび Lightning コンポーネントの開発 | なし |
Partner Group Edition | ロバストテストおよび顧客デモ | 1 年、ただし延長申請可 |
Partner Enterprise Edition | ロバストテストおよび顧客デモ | 1 年、ただし延長申請可 |
Partner Professional Edition | ロバストテストおよび顧客デモ | 1 年、ただし延長申請可 |
Trialforce のソース組織 | Trialforce テンプレートの作成 | 1 年、ただし延長申請可 |
Consulting Partner Edition | 顧客デモ | 1 年、ただし延長申請可 |
期限を延長したい場合のケースの起票については、また別の記事でまとめみたいと思います。
もうしばらくお待ち下さい。
注意点と制限事項
とても便利な環境ハブですが、利用する際には、いくつかの注意点があります。
利用できるエディションの確認
環境ハブは、すべてのSalesforceエディションで利用できるわけではありません。
有効化するには、Salesforceパートナー向けの組織や一部のエンタープライズ向けエディションが必要です。
導入前に、自社の環境で利用可能かを確認しましょう。
設定時の注意点(SSO設定の落とし穴など)
- シングルサインオンを利用する場合、各組織のユーザー権限や認証設定を適切に行う必要があります。
- 組織間で異なる設定がある場合、ログインの問題が発生する可能性があるため、事前にテストを行う必要があります。
まとめ
環境ハブを活用することで、Salesforceの複数の組織を一元管理でき、運用の効率化や管理負担の軽減が可能になります。
特に、以下の点でのメリットは利用者によっては大きいのではないでしょうか?
- すべての組織を一覧で管理できるため、環境の把握が容易になる
- SSOを活用することで、組織間のログインや切り替えがスムーズになる
- 開発・テスト用の環境を簡単に作成し、必要に応じた管理ができる
ただし、環境ハブの利用にはSalesforceパートナー向けの組織や特定のエディションが必要であり、SSOの設定にも注意が必要ですので、事前に確認してみてくださいね。
環境ハブを適切に活用することで、開発・テスト環境の管理がしやすくなり、業務の効率化が期待できます。
興味がある方は、是非活用してみてくださいね。
それではまた、別の記事でお会いしましょう。
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