【Salesforceレポート活用例】商談分析レポート 成約・不成約を集計
この記事では、読者のみなさんもシステム管理者としてSalesforce環境の課題解決を行っている、と仮定して、課題を解決する方法を一緒に考え、実際に試していきます。
背景:サービス業営業部門の課題
株式会社Bは、複数の業種向けに幅広くサービスを提供する中堅企業です。
営業部門と経営陣は、商談の成約を増やすための営業戦略を検討していましたが、過去の商談データをもとにした成約・不成約の推移や月ごとの傾向を正確に把握できていないことが課題となっていました。
特に、どの月に商談が成約しやすく、また不成約が多いかという傾向が把握できていないため、改善のために具体的な施策が立てられない状況でした。
また、事業計画や予算配分を策定する際に、効果的な時期を見極めた戦略が不足していることも問題視されていました。
そこで、B社の営業部長はSalesforceのレポート機能を活用し、完了予定日年月と成約と不成約がわかるレポートが必要だと考えました。
あなたはシステム管理者として、年月ごとの成約・不成約の傾向が一目でわかるレポートの作成を依頼されています。
このレポートは、会議での分析や事業計画の見直しを行い、営業活動の向上を目指すために利用される予定です。
レポートの構成
今回の依頼内容を振り返ってみましょう。
「完了予定日ごとに成約・不成約の商談件数を集計する」レポートが求められています。
つまり、月ごとに完了した商談のうち、どれだけが成約し、どれだけが不成約だったかを確認し、商談の傾向を把握することで、営業戦略の見直しや成果改善を図りたい、というニーズです。
このニーズに対応するために、完了予定日に基づいて商談件数を集計し、成約・不成約ごとに比較できるレポートを作成します。
営業活動の改善点を見つけるための重要な指標が一目で把握できる構成にします。
それでは、前提条件を踏まえて次のようなレポートを作成します。
レポートの構成
レポートタイプ:商談
表示項目:商談名、完了予定日、商談ステージ、件数
グルーピング:完了予定日(年月単位でグルーピング)、成立フラグ
フィルタ:完了フラグ
この構成により、月ごとの商談の成約・不成約数を一目で確認でき、分析がしやすくなります。
次の章で実際に作成してみましょう。
レポート作成手順
①レポートの種類を選択
Salesforceにログインし、「レポート」タブをクリックします。
次に「新規レポート」をクリックしたあとに、今回はレポートタイプとして[商談]を選択してください。
②フィルタの設定
完了フラグを条件抽出に用いて完了商談のみ抽出します。
②表示項目の追加
先ほど指定した表示項目をアウトラインに追加します。商談情報が一覧で確認できるように設定します。
④グルーピングの設定
グループ化の項目として【完了予定日】を選択します。さらに「年月」ごとの表示に切り替えます。
これにより、各月ごとにデータがグループ化され、データが見やすくわかりやすくなります。
もう一つ【成立フラグ】もグループ化項目に追加します。
⑤表示の整理
詳細行、小計、総計をオフとすることで、行数が表示されレコード件数がわかります。
⑤レポートの保存
完成したレポートに名前をつけて保存します。
ダッシュボードへの反映
分析する際にはダッシュボードに追加しましょう。
ダッシュボードに追加することで、リアルタイムで売上のピークを確認できるようになります。
① ダッシュボードを開く
対象のダッシュボードを開き編集します。
② コンポーネントを追加する
ウィジェットボタンからグラフの追加を選択し、先程作成したレポートを選択しましょう。
③ コンポーネントの詳細設定を行う
詳細画面が表示されます。設定内容は以下のとおりです。
④ ダッシュボードに配置する
ダッシュボードの任意の位置に指定して保存します。
目立たせたい場合は上の方にドラッグアンドドロップで移動させます。
活用ポイント
このレポートを使用することで、以下のような場面での営業改善や戦略立案が可能になります。
営業会議での成果分析
月ごとの商談成約・不成約数を把握することで、成功パターンや改善すべき点を営業会議で検討し、効果的なアクションプランを策定できます。
マーケティングとの連携強化
成約している商談の多い時期や不成約が多くなる傾向を分析し、マーケティング活動と連携したキャンペーンやプロモーションを実施しやすくなります。
営業スキル向上の指針
成約している商談の低い月や不成約が目立つタイミングを分析することで、営業スキル向上のためのトレーニングや対策を立案する指針になります。
あとがき
Salesforceのレポート機能を活用して商談の成約・不成約を月ごとに把握することは、営業活動の改善と営業効率の向上につながる重要なプロセスです。
今回のレポートを活用することで、データに基づいた営業戦略の見直しが実現し、組織全体の営業成績の向上を図ることができます。
是非参考にしてみてください。それでは次回もお楽しみに!