【Salesforce】差し込み項目の基本と活用法
はじめに
差し込み項目は、Salesforceのメールテンプレートや文書作成をより便利にするための機能です。
顧客ごとにカスタマイズされた内容を動的に挿入できるため、効率的な顧客対応やパーソナライズされたコミュニケーションが可能です。
本記事では、差し込み項目の基本や実際の活用方法について解説します。
差し込み項目とは?
差し込み項目は、テンプレート内で「動的に変わる内容」を埋め込む機能です。
顧客名や会社名、担当者の情報など、Salesforceのオブジェクトに保存されているデータを自動的に表示できます。
例えば、以下のようなデータを自動的に挿入できます。
- 顧客名
- 会社名
- 契約開始日や終了日
- 営業担当者名
この機能を活用すると、様々な場面で活用できそうですよね?
どんな項目がよく使われるのかや、使い方をチェックしていきましょう。
差し込み項目の紹介、基本的な使い方
ここからは、よく使われる差し込み項目のご紹介と、実際の使用方法を解説していきます。
よく使う差し込み項目のご紹介
まずはじめに、よく使われる差し込み項目をいくつかご紹介します。
こちらの表では、「差し込み項目名」を項目名(システム内の実際のフィールド名)と表示名(一般的な説明)に分け、一般的な使用方法も記載しています。参考にしてみてください。
項目名 | 表示名 | 使用方法 |
---|---|---|
{{Recipient.FirstName}} | 顧客の名前(First Name) | 顧客の名前。メールや挨拶文の個別化に使用。 |
{{Recipient.LastName}} | 顧客の苗字(Last Name) | 顧客の苗字。フォーマルな場面で役立つ。 |
{{Recipient.Email}} | メールアドレス(Email) | 顧客のメールアドレス。確認や連絡時に必要。 |
{{Recipient.Phone}} | 電話番号(Phone) | 顧客の電話番号。フォローアップの際に便利。 |
{{Opportunity.Name}} | 商談名(Opportunity Name) | 商談名。商談関連のメールで有用。 |
{{Opportunity.CloseDate}} | 終了予定日(Close Date) | 商談の終了予定日。期限のリマインドに使用。 |
{{Account.Name}} | 取引先名(Account Name) | 取引先名。ビジネス文書や報告書に適切。 |
{{Account.Industry}} | 業界(Industry) | 取引先の業界。ターゲティングメールやキャンペーンに活用。 |
{{Contract.StartDate}} | 契約開始日(Contract Start Date) | 契約開始日。契約更新通知に適している。 |
{{Contract.EndDate}} | 契約終了日(Contract End Date) | 契約終了日。リマインダーの送信に使用。 |
{{Billing.Amount}} | 請求金額(Billing Amount) | 請求書メールや確認メッセージに役立つ。 |
{{Today}} | 現在の日付(Current Date) | 現在の日付。通知やスケジュールに使用可能。 |
{{User.Name}} | ユーザー名(User Name) | Salesforceユーザー名。内部通知や業務報告で利用。 |
いよいよ使用方法を確認していきましょう。
差し込み項目の使用方法
① メール本文を作成する際に、テンプレートエディターの「差し込み項目」ボタンをクリックします。
② 使用したい項目(例:取引先責任者の名前)を選択します。
③ テンプレート内に、{{Recipient.FirstName}}
のようなタグが挿入されます。
④ メール送信時、このタグが実際のデータに置き換わります。
お礼メールの一例ですが、このような形になります。
{{Recipient.FirstName}}様
このたびは弊社サービスをご利用いただき、ありがとうございます。 次回のご利用を心よりお待ちしております。株式会社○○
営業部 {{Sender.Name}}
送信時に、差し込み項目が以下のように自動変換されます:
山田様
このたびは弊社サービスをご利用いただき、ありがとうございます。
次回のご利用を心よりお待ちしております。株式会社○○
営業部 鈴木
差し込み項目機能、便利ですね~
単体で使われることはなさそうですが、実際にどんな機能と併せて使われるのか知りたいですよね?
差し込み項目を活用している主な機能一覧
差し込み項目の機能は、単体で使う機能ではありませんが、他の機能をより良く活用するために併用して用いられます。
下の表に、Salesforceで差し込み項目を活用できる主な機能をまとめています。
どんな機能があるのかチェックしてみましょう。
機能 | 用途 | 例 |
---|---|---|
メールテンプレート | 顧客名や取引先名を動的に挿入し、パーソナライズされたメールを作成。 | お礼メール、フォローアップメール、キャンペーンメール。 |
リストメール | リストビューやキャンペーンメンバーに基づく一括送信。 | 新規顧客リストに対して個別対応感のあるメール送信。 |
承認プロセス通知 | 承認依頼や完了通知メールにレコード情報を自動挿入。 | 承認対象の商談名やリクエスター名を通知。 |
ワークフロー通知 | 自動送信される通知メールに差し込み項目を活用。 | 契約更新リマインダーや商談更新通知。 |
カスタム通知 | ChatterやSlackで動的な情報を含む通知を作成。 | Chatter投稿に案件情報を自動表示。 |
ドキュメント生成 | 契約書や見積書に顧客情報を動的に挿入(Salesforce CPQやサードパーティアプリ)。 | DocuSignで契約プランや顧客名を挿入した契約書作成。 |
スケジュール済みメール | 差し込み項目で個別対応感のある内容をスケジュール送信。 | 契約更新通知やイベントリマインダー。 |
ダッシュボード通知 | レポートやダッシュボードのアラート通知に動的な情報を挿入。 | メールアラート件名にレポートの数値を表示。 |
差し込み項目を使った具体的な活用例
具体的な状況を挙げて、どんな場面でこの機能を活用できそうか見ていきましょう。
お礼メール:差し込み項目 × リストビュー
ケース: 新規顧客にお礼メールを一括送信したい。
使い方:
・リストビューで「新規顧客」の条件を設定し、該当する顧客を抽出します。
・リストメール機能を使用し、差し込み項目で顧客名や取引開始日を挿入したメールを一括送信。
💡ポイント: 顧客一人ひとりに合わせた対応が可能となり、信頼関係の構築に役立ちます。
営業フォローアップ:差し込み項目 × Lightning Email Templates
ケース: 営業担当者が商談後にフォローアップメールを送信するとき。
使い方:
・Lightning Email Templatesを利用し、商談名や担当者名を差し込み項目で挿入。
・営業担当者がテンプレートを選び、必要に応じて個別編集した後、即時送信。
💡ポイント: 顧客のニーズに合わせたフォローがしやすくなり、商談成功率の向上につながります。
契約更新リマインダー:差し込み項目 × スケジュール済みメール
ケース: サブスクリプションサービスの契約更新時期を知らせるメールを送信するとき。
使い方:
・「契約終了日」や「契約プラン」を差し込み項目で挿入したテンプレートを作成。
・スケジュール済みメールを活用し、適切なタイミングで配信。
💡ポイント: 契約更新率を高めるリマインダーを効率的に送信できます。
差し込み項目を使うポイントと効果
便利な機能なのでぜひ、効果的に活用して行きたいですよね?
ここでは効果的に使うポイントと実際にどんな効果がありそうか、まとめてみました。
差し込み項目を効果的に使うポイント
顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた対応が可能
Salesforce上の顧客情報や契約内容を常に最新の状態に保つ。
事前テストの重要性
テスト送信機能を活用し、データ置換が正確に行われるか確認。
トラブルシューティング
タグが置換されない場合、テンプレート設定やデータ項目を再確認する。
差し込み項目を使用する実際の効果
🌟 顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされた対応が可能。
👏自動化による作業時間の大幅な削減。
🌟応の一貫性が向上し、顧客満足度がアップ。
まとめ
Salesforceの「差し込み項目」は、顧客情報をテンプレート内に動的に挿入し、効率的かつパーソナライズされたメールやドキュメント作成を実現する便利な機能です。
この機能をうまく活用することで、業務効率化や顧客満足度の向上につながることでしょう。
メールテンプレートやリストメール、営業フォローアップ、契約更新通知など、多岐にわたる用途で活用可能です。
データの正確性や事前テストをしっかり行ういつつ、より効果的に運用につなげていきましょう。
ぜひ本記事を参考に、差し込み項目を自社業務に取り入れてみてください。
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それではまた、次回の記事でお会いしましょう。