本シリーズを始めるにあたっての経緯は下記の記事をご覧ください。
【中小企業のためのWebサイト改善術その1】反響を出すために改善すべき3つのページとその具体的な改善策
※本シリーズは主観による部分が大いにありますので、コラムとして読んでいただければ幸いです
過去記事はこちら → Webサイト改善術の過去記事を見る
Webサイトで●●を出さないと基本的に売れない、●●とは?
中小企業のWebサイトの目的は多くの場合、「Webサイトから売上を上げたい」だと思います。売上を上げるために、ECサイトで物を売りたい、資料請求が欲しい、問い合わせが欲しい、というケースがほとんどですね。
ですが、この記事のタイトル通り「●●を出さないと基本的に売れない」のです。みんなが売りたいと思っているのに●●を出していないWebサイトが世の中にはかなり多いです。●●とは何でしょう?
もったいぶらずに結論を言います。●●とは「値段」です。値段を出さないと基本的に売れないと考えた方が良いです。
世の中には値段を出していないWebサイトが結構多く見受けられますが、こういったWebサイトはとにかく売れません。値段を出すというのはECサイトに限らず、ECではなくても、売上を上げたい全てのWebサイトで値段は出すべきです。
知らない会社の値段の書いていないサービス買いますか?
改めてですがこの記事は中小企業の方向けの記事です。基本的に中小企業の商品やサービスは大手企業に比べて知名度も低く、信用度もありません。つまりユーザーにとって、知らない会社であり知らないサービスなのです。
あなたがユーザーだとして、知らない会社の値段の書いていないサービスを買いますか?
大手企業であれば話は別です。例えば大手企業が出した有名なスマホであったり、大手企業の注文住宅であれば、たとえ値段が書いてなくてもその企業のことを知っているし、その企業のファンであれば値段なんか気にせず欲しいと思うユーザーが存在します。
しかしながら中小企業はそんな状況下にはありません。
「そんなの当たり前じゃん」と思うと思いますが、第三者として聞けば分かる話もいざ自分事になるとこの感覚が抜け落ちてしまうものです。自分のサービスへのこだわりがじゃまをして、自分だけ何故か特別だと思ってしまいがちです。
あなたも自分がユーザーとして何か買おうと思うとき、中小企業の値段の書いていないサービスなんて見向きもせずに別のWebサイトに行ってしまいますよね?あなたのWebサイトもユーザーからするとそういったサイトの一つということを理解しなくてはいけません。
無料見積もりがあるから大丈夫だよ?
こういう話をすると、「大丈夫!うちは無料見積もりがあるから!」という方が結構いらっしゃいます。
いやいや、無料見積もりなんてどこもありますし、値段が分からない状態でそもそも検討の土台にも乗りません。
「でもうちはリフォーム業者だから現場見てみないと値段なんて書けないよ!」という方もいらっしゃいます。もちろんその気持ちも分かります。しかしここで大事なのはユーザーが知りたい「値段」というのは自分の場合の実際のお支払い金額ではなく、大体の費用感です。
要するに1万円くらいか、5万円くらいか、10万円くらいかが知りたいのです。
だからもちろんリフォームのように現場次第で金額が変わるものであれば、「10万円から」のような記載で十分です。ですがそれさえなく「無料見積もりはこちら」というだけのWebサイトが非常に多いです。
値段のありなしケーススタディ
例えば車のコーティングを依頼しようと思ったときに下記の4つのWebサイトのがあったとします。
- 「1万円ポッキリ!追加料金なし!」という激安業者A
- 「5万円~」と表記のある業者B
- 「10万円~」と表記のある高級車専門の業者C
- 値段が書いていなくて無料見積もりをしないと値段が分からない業者D
もちろん安ければ選ばれるわけではありません。例えば、ちょっとお金に余裕があるからコーティングにこだわりたいというユーザーなら「せっかくだから業者Bか業者Cがいいなー、うーん、でも10万円はちょっと予算オーバーだからBにしよう!」なんてなったりします。
どうしても安いものがいいなら業者Aにしますよね。高級車をお持ちの方なら「1万円とか5万円だと釣り合わないからやっぱり業者Cかな、Dも気になるけど金額よく分からんしな・・・うーんまあBの話も聞いてみるか」となったりすると思います。
値段の目安すら書いていないと、費用感が分からないだけで比較検討にも乗ってこないケースが発生しますよね。無料見積もりで値段を出すからOKではなく、ユーザーからすると無料見積もりをわざわざしないと費用感が分からないのが面倒なのです。
つまり、値段を出すことは別に価格競争ではありません。ユーザーに選んでもらう理由を作るだけです。であれば一つでも多く理由を作るために値段を出したほうが僕は良いと思っています。
「こだわりが伝われば値段なんか書いてなくても売れるんだ」そう思う方が値段を出さずにWebサイトを運営することはご自分の自由です。ですが、僕の経験上、そのこだわりは素人であるユーザーには専門的過ぎてよく分からないですし、こだわりそのものが独自の物でなく他社も普通にやっていることが非常に多いです。
中小企業であるからこそ値段を出しましょう。大手企業ではなく中小企業をユーザーが選ぼうとしている理由の一つに「安さ」だってありますからね。
値段の書き方で客単価を簡単に上げる方法
値段の書き方で客単価を100%確実に上げる方法があります。
やり方は簡単です。
オプションメニューなども全て詳細まですべて書くだけです。なぜ客単価がこれだけで上がるかというと、ユーザーにはいろいろなユーザーがいるからです。
料金表としてオプションメニューが事細かに書いてあれば興味のあるユーザーは基本的にざっと見ます。その中で、「おっ?」と思うサービスがあればお問い合わせの際に「これなんですか?」と聞いてきます。そしたらそれを説明するだけです。ユーザーきっかけでいわゆるアップセルが勝手にできますよね。
通常、こういったオプションサービスは営業マンが基本サービスの申込時に「追加でこちらもどうですか?」と営業トークを考えて頑張って売らなくてはいけません。しかしながらこの方法なら、ユーザーが勝手にオプションサービスについて聞いてきます。それに正しく答えるだけでアップセルにつなげることができます。
逆にそのオプションサービスに興味のない人は聞いてこないので全くマイナスにはなりません。
オプションサービスのケーススタディ
例えば住宅のリフォーム業者を選ぼうとした時に下記のような料金表がWebサイトに載っていたとします。
- キッチンリフォーム基本料金:100万円から
- 1日で終了特急オプション:+10万円
- 女性スタッフ対応オプション:+10万円
- キッチンの収納物の梱包・保管オプション:+1万円
すごく急ぎのユーザーであれば「お!1日で終了のオプションあるじゃん!」と食いついて「これってなんですか?」とお電話なりで聞いてきていただけるかもしれませんね。
それにキッチンのリフォームですから「女性にやってもらえたら気持ちわかってくれるかも!」ということで女性対応オプションを選ぶ可能性もあります。
キッチンの下の収納に入ってる物を工事中に置いておくところがないという方がいれば、梱包・保管オプションにグッときちゃうかもですね。
その反面、とにかく安くすませたい人や上記のように思わないユーザーはオプションは選びません。ですが、書いてあるだけで上記のように選んでくれる可能性はゼロではありません。書いておくだけで100万円程度の客単価が110万円になったり、客単価が上がる可能性がありますよね。
書かないほうが損だと僕は考えています。
どうしても値段が書けない商品はどうする?
確かにどうしても値段の書けない商品も世の中にはあるのかもしれません。業界のルールで値段をWebサイトに出してはいけないとか、値段の差がありすぎて「○○円~」のような書き方すらできない業種もあるかもしれません。
だからと言って、Webサイトのゴールが「無料見積もり」のみというのはNGです。値段の表記という部分でハンディキャップがある分、できるだけ多くのユーザーニーズに応えられるように無料の資料請求や無料のカタログなど、出せるものは全て使って問い合わせの窓口を増やしましょう。
とは言え、値段が出せないサービスや商品なんて基本的にはないと思いますけどね・・・。
今回の内容はここまでです。次回はカラムについて書きたいと思います。スマホが出てきたことでカラムについて考えるべきことが増えてきたのでそこを理解いただければと思います。これを知らずにリニューアルで大ゴケしているWebサイト多いですよ。
無料で出張セミナー行います
このシリーズがどこまで続くか分かりませんが、中小企業向けのあまりお金がかからずに即効性のあるWebサイト改善術は、実はまだまだ大量にあります。
通常セミナーや講演については費用をいただいて行っておりますが、中小企業のためのWebサイト改善術についてのセミナーであれば、僕が全国どこでも無料で行います。※往復の交通費と宿泊費(適当なビジネスホテルで構いません)だけご負担いただきたいです。
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