こんにちは。リスティング広告などの運用型広告は日々数値が変化するため、お客様への日々の報告が欠かせませんよね。過去の記事でもこの報告についてご紹介したことがありますが、今日は『報連相を意識する』という観点で、イケてる運用所感はどんなものなのか、ということをお話ししようと思います。
運用所感でお客様へ伝えること
突然ですが質問です。
とあるアカウントの直近3ヶ月の運用結果です。6月月初の段階で先月結果を振り返るとすると、皆さんはお客様にどんな運用所感を書きますか?
- クリック単価の上下が大きい
- CV関連数は増加傾向にありそう
- CVRは一旦4月で落ち込んだが、5月は持ち直している
など、様々な指標それぞれに数値の変化があります。しかし、ここでいきなり指標の変化に気を取られてはいけません。
お客様へ伝えなければいけないことは『運用目標に対して結果がどうだったのか』であり、目標値でない数値の増減は報告ではありません。
報告、連絡、相談をきちんと使い分ける
以前の記事で報告書はお客様目線で書くことが大切、ということをご紹介しましたが、個人的にイケてないなと感じる運用所感は『報連相が入り混じって書かれている』という傾向があります。
それでは、先程の表のアカウントの目標がCPA目標6,500円だったと仮定して例をご覧ください。
5月は4月に比べクリック単価が高騰したため、コストは320,000円使用しましたが獲得できたクリック数も先月より減少してしまいました。CV数は先月と同様ですがCPAは少し悪化しています。
入札は強化していますが、クリック率も少し下がっているようなのでキーワードの調整を強化し、広告文の入れ替えをご提案します。
さすがにこんなに酷い報告はなかなか無いと思いますが、何も考えずに数値の変化だけをまとめるとこんな感じになります。それぞれの数値に対してのコメントが間違っているわけではありませんが、これじゃない感がすごいですよね。どうしてこんなことになってしまうのか。まさにこれが報連相の入り混じりです。
それでは、この運用所感例を、それぞれ報告、連絡、相談に分けて見てみましょう
報告:目標に対しての結果を伝える
報告とは『ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。また、その内容。』とあります。(by 大辞泉)
広告運用においては、お任せいただいているアカウントの動きや成果の結果を伝えることが報告です。
先程の例で一番良くないのが、目標であるCPA6,500円を達成しているにも関わらず、単純に先月と比較して『悪化』していると表現した点です。さらに、それを文頭に置かず、最初になぜかクリック単価を話題にしているあたりもマイナスです。報告は、目標に対しての良し悪しを、まず最初に伝えることを意識しましょう。
連絡:情報を知らせる
連絡とは『気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。』とあります。(by 大辞泉)
広告運用では、レポートや管理画面上で分かったこと、どうしてそうなったかという運用者自身の所感等のことを指します。
例だと、クリック単価の高騰やクリック率の低下が連絡に当たります。ここに「なぜクリック単価が高騰したのか」等の理由や所感が加わると良いですね。
相談:話し合う、意見を聞く
相談とは『問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。』とあります。(by 大辞泉)
広告運用の場合は、改善提案の実施可否や、方針の転換等を行う際にお客様への相談が発生しますね。
例では広告文の入れ替えを提案している部分が相談にあたりますが、広告文の入れ替えが何に対してどう良いのかが分かりづらくなっています。相談(提案)する場合は、現在の問題や課題と、その先のメリットときちんと伝えることを意識しましょう。
報告の仕方で顧客満足度も上がる!
それでは、先程のアカウントの運用所感を、報連相を意識して書き直ししてみましょう。
5月もCPA6,400円着地で目標を達成しています。
CVRの高いキーワードのクリック単価が高騰傾向にあったためアカウント全体でもクリック単価、CPAの高騰傾向が見られますが、CVRとのバランスを見ながらCPA目標内でしっかりと調整できているのでご安心ください。なお、クリック単価の高騰は競合の入札強化によるものと考えられます。クリック率を上げて広告の品質を向上させるためにも、よりキーワードとの関連性の高い広告文への差し替えをご提案してもよろしいでしょうか。
文字量としてはメールで簡単に書けるボリュームですが、要点を押さえてまとまっている印象を受けませんか?
このように、報連相のポイントを意識するだけで運用所感はぐっと分かりやすくなります。
まとめ
いかがでしたか? 運用所感は何を書けば良いか分からない、どうしても文章がまとまらない、という方は、所感作成に取りかかる前に下記手順を振り返ってみてください。
- 目標指標、目標値に対しての結果がどうだったのか【報告】
- なぜその結果(良い、悪い)になったのか【報告】
- 今後(今月)起こりそうなことの予想、もしくはパフォーマンスを維持できそうか【連絡】
- 何か課題がある場合は、解決するためにすべきことは何か【連絡】or【相談】
- お客様に確認していただくことはあるか【相談】
本日ご紹介した内容は、過去記事でも一部ご紹介しています。報告書や運用所感についてお困りの方の参考になれば幸いです。
参考記事
・その報告資料、お客様視点で書けてますか?
・もらって嬉しい報告書を目指そう!
・ここだけは押さえておきたい報告書のコツ