【Salesforce】レポートスナップショット 使い方と活用法

目次

はじめに

Salesforceには、組織のパフォーマンスを可視化し、データを分析するための多くの機能が備わっています。
特に、レポート機能と複合して使用できる機能であるレポートスナップショットは、過去のデータを定期的に保存し、変化を追跡するために有用なツールです。

この記事では、レポートスナップショットの機能とその活用方法について詳しく解説します。
まだ使ったことがない読者の皆さんにも、わかりやすい内容となっているので、今後の活用に活かしてもらえたら嬉しいです。

レポートスナップショットとは?

まずレポートスナップショットとはどんな機能なのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

レポートスナップショットは、Salesforceで定期的にレポートデータを保存し、その履歴を追跡できる機能です。
この機能を活用すると、定期的に同じレポートのデータをスナップショットとして保存し、後からその時点でのデータを振り返ることができます。

使用するメリットは?

レポートスナップショットを使用するメリットは大きく3つあります!

データ履歴の保存
過去のデータを参照して、パフォーマンスの変化を確認できる

自動化
スナップショットの作成が自動化されるため、手動でデータを保存する手間が省ける

トレンド分析
過去のデータを基にトレンドを把握し、戦略的な意思決定に役立てる

レポートスナップショット活用のポイント

レポートスナップショットを最大限に活用するためのポイントを3つ紹介します。

自動化の有効活用
レポートスナップショットは一度設定すると、自動的にデータを保存できるので、この機能を有効活用して定期的なデータ確認や過去データの分析を簡単に行う

カスタムレポートでの分析
スナップショットデータを基に、カスタムレポートを作成し、過去データの比較やトレンド分析を効率的に行う

☆スナップショットのスケジュール設定
業務のペースに応じて適切なスケジュールを設定し、最新のデータを常に蓄積できるようにする

レポートスナップショットの主な活用例

レポートスナップショット機能は、さまざまな業務プロセスで活用できます。以下はその代表的な例です。

営業パイプラインの追跡

営業チームが持つ商談パイプラインを定期的にスナップショットで保存し、進捗状況を追跡できます。
例えば、毎月の商談数、成約率、成約見込み額などのデータを保存し、それを月ごとに比較してビジネスの成長を分析します。

具体的な活用シーン
営業チームのマネージャーは、月初にパイプラインの全体像をスナップショットで保存し、月末のデータと比較して営業チームのパフォーマンスを評価しています。成約率が下がっている場合には、タイムリーにチームへフィードバックを行い、次の月に向けた改善策を講じることができ、これを継続することで営業チーム全体の売上向上につながります。

在庫管理

製造業や流通業のように、在庫管理が重要なビジネスでは、日々の在庫変動をスナップショットで記録することで、過去の在庫状況を簡単に確認することができます。そうすることで、どの製品が売れ筋か、どの時期に補充が必要かを適切に把握できます。

具体的な活用シーン
マネージャーは、毎日の在庫レポートをスナップショットとして保存し、過去1ヶ月の売れ行きを分析しています。これにより、次の月の販売予測や補充計画を立てやすくなり、在庫切れや過剰在庫のリスクを低減できます。

KPIモニタリング

財務部門では、定期的な収支レポートや予算実績の追跡が求められます。レポートスナップショットを活用することで、毎月の予算と実際の支出・収入の差異を比較し、将来の予算をより正確に見積もることができます。

具体的な活用シーン
財務部長が月ごとの支出レポートをスナップショットとして保存し、年間の予算達成率をモニタリングします。予算オーバーが発生した場合、その原因を特定し、次の予算策定時に反映させることができます。

レポートスナップショット設定の手順

ここからは、実際にレポート作成スナップショットを設定する手順を紹介します。

事前準備

レポート作成スナップショットの設定を行う前に、下記2点を用意する必要があります。
・集計結果を日次で残したいレポート(ソースレポート)の選定、または作成
・日次で集計したデータを格納するオブジェクト・カスタム項目

早速詳細を確認していきましょう!

集計結果を日次で残したいレポーの選定

今回は商談レポートで試してみます。通常の流れで商談レポートを作成していきます。
「列を追加」から表示させたい項目を追加します。
※ここで表示させた項目のみカスタムオブジェクトに格納可能です。

日次で集計したデータを格納するオブジェクト・カスタム項目

レポートスナップショット保存用のオブジェクトの設定は下のような形にしてみましょう。

作成したオブジェクトにレポートの列となっている項目を作成していきます。

上記2つが準備できたら、早速レポート作成スナップショットの設定をしていきます。

設定手順

レポートスナップショットの設定

Salesforceの「設定」メニューから「カスタムオブジェクト」を作成し、作成したレポートスナップショットの保存先とします。

  1. 「レポートスナップショット」タブを開き、新しいスナップショットを作成。
  2. ソースレポートとして、保存したいレポートを選択します。


こちらの設定の際に実行するユーザーを選択することもポイントになります。実行ユーザには先ほど作成したレポートと格納先オブジェクトのアクセス権が必要です。

項目の対応づけ

続いてレポート項目のオブジェクトへの対応付をしていきましょう。
作成した格納用のオブジェクトにレポートに対応した項目を作成しましたよね?
ここにレポート項目を対応させます。

すべて対応したら保存します。

スケジュールの設定

最後にスケジュールの設定をしていきましょう!

ここまでで設定作業は完了です。
保存されたスナップショットはカスタムオブジェクトに保存され、レポートとして表示・分析に活用することができます。

よくある質問と解決策

レポートスナップショットを設定する際に直面する可能性がある問題や、よくある質問に対する解決策をここで2つ紹介します。

Q.データが正しく保存されない場合
A.→スナップショットの保存先カスタムオブジェクトのフィールド設定を確認してみましょう。

Q.スケジュールが実行されない
A.→スケジュール設定が正しく反映されているか、ユーザーの権限が適切であるかを確認しましょう。

まとめ

今回の記事でご紹介しましたように、Salesforceのレポートスナップショット機能を活用することで、データの履歴を簡単に管理し、過去のパフォーマンスを振り返ることやトレンドを把握し、戦略的な意思決定に役立てることができます。
特に、営業活動や在庫管理、KPIモニタリングなどにおいて強力なツールとなるでしょうぜひ活用してみてください。

また次回の記事でも、皆さんに活用していただける便利な機能や事例など、わかりやすくご紹介します。
お楽しみに!

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