こんにちは。運用者の山中です。いきなりですが、人材の採用を検討するとき、どういった手法があるかご存じですか?求人媒体も種類が盛りだくさん、indeedや人材紹介、リスティング広告などもあってどれを選べばいいやら。頭を抱えずにはいられないかと思います。
そこで今回は、求人広告業界の経験がある私が、主に中小企業の採用担当者様向けに、中途求人の各媒体とリスティング広告の仕様・特徴を比較していきたいと思います。
これまでの経験上多かった「どの採用手法を選べばいいかわからない」、「常に採用活動はしてるけど、求人媒体では頭打ち」、「予算が少額でも有効なものが知りたい」などのお悩みが解消されれば幸いです。
なお、indeedとリスティング広告の比較については弊社過去記事をご覧ください。
そもそも有効求人倍率って?
そもそも有効求人倍率ってよく聞くけど、なんなのか。
簡単に言えば、求職者目線だと「転職のしやすさ」、採用企業目線だと「採用のしやすさ」です。
1人の求職者に対して、何件の求人があるかを示す指標です。例えば求職者100人に対して求人が200件ある場合、有効求人倍率は2.0倍となります。つまり有効求人倍率が高ければ求職者は就職しやすく、企業側は採用しづらいということです。
ちなみに国内では、2009年以降から右肩上がりだったのが、ここ最近は何カ月も連続で下がっています。つまり、企業側は採用しやすいということ。採用を検討している企業・採用担当者様はこの後の記事への期待感が高まりますね。それでは本題へ。
求人媒体とリスティング広告の比較
まずは中途求人媒体とリスティング広告の仕様について比較していきます。媒体ごとに特徴は様々ですが、おおよそ共通している部分をピックアップして比較します。
各媒体ごとの比較は後述します。
〈求人媒体〉
- 費用:固定(複数のプランから選択)
- 掲載期間:基本4週間
- 掲載順位:上位企画ほど掲載順位が上(同企画なら新着順)
- 求職者の閲覧情報:転職サイト内の原稿
オプションや期間限定のキャンペーンなどがない限り、求人媒体は5~6種類の基本プランの中から選択します。選ぶプランによって金額と掲載順位が異なり、掲載期間は基本4週間です。オプションやキャンペーンによって掲載期間や金額は前後します。
求職者が見る情報は媒体ごとの原稿フォーマットに沿う形式になるので、採用業務の経験が浅い企業様でも見劣りしない原稿にはなりますが、他社との差別化も図りづらくなります。
〈リスティング広告〉
- 費用:自由に設定可(案件によってシミュレーションすることが望ましい)
- 配信期間:自由に設定可
- 掲載順位:広告を掲載する機会が発生するたびにオークションで決定
- 求職者の閲覧情報:リンク先のサイト
リスティング広告は金額や配信期間の自由度は高いですが、エリアや職種によって有効な予算はある程度決まります。費用はクリック課金制で配信期間も自由なので、仮に配信してすぐに応募・採用に繋がった場合は予定していた予算よりも低く抑えられることもあります。もちろん逆も然りですが。
求職者の見る情報はリンク先の採用サイトなどになるため、魅力的な内容にするまでにはコストや手間もかかりますが、求人媒体だけでは訴求できない情報も載せることができます。
中途求人の上位4媒体を比べてみた
次に、中途求人媒体の中でもユーザー数上位4媒体のそれぞれの特徴を比較していきます。※特徴の部分は一部主観も含まれております。
リクナビNEXT
- ユーザー数:1,000万人(転職サイト1位)※2020年3月時点
- 掲載案件数:約45,000件 ※2020年11月時点
- 費用:基本企画5プラン(20万円~180万円)で構成
紹介する4媒体の中でも最も歴史が長く、幅広い年代に認知されています。その認知度もあり、ユーザー層や業種、職種などなにかに特化することなく総合的に採用が期待できる媒体です。ただ、他の媒体に比べて掲載料金が高めの設定となっており、大手企業の掲載も多いため費用の低いプランだと埋もれてしまう可能性もあるので注意が必要です。
エン転職
- ユーザー数:836万人(転職サイト2位)※2020年3月時点
- 掲載案件数:約6,000件 ※2020年11月時点
- 費用:基本企画6プラン(18万円~120万円)で構成
第二新卒の若手や未経験者の採用に特化している媒体です。上位プランから下位プランまで原稿のボリュームが変わらないため、下位プランでも十分な情報量で掲載できます。会員数のわりに求人掲載数が少なくなるよう調整されており、応募数が期待できます。若手ユーザーが多いこともあり、応募者の経験などが他媒体より劣ることがあります。
マイナビ転職
- ユーザー数:623万人(転職サイト3位)※2020年9月時点
- 掲載案件数:約12,000件 ※2020年11月時点
- 費用:基本企画5プラン(20万円~120万円)で構成
同社の新卒媒体の知名度・利用率が高いため、学歴が大卒以上のユーザーの割合が多い媒体です。また、掲載後でも無料で原稿の修正が可能なので、採用経験が浅く掲載後の反響を見て手直しなどしていきたい企業様、採用担当者様にとっては重宝されます。企業からユーザーにアプローチするスカウトメール機能が、通数を消費せずに同じユーザーに3回まで送信できるので、スカウトメールの見落としが減ります。代理店も多いため、優秀かつ親身に対応してくれる営業担当者を見極めることが重要です。
doda
- ユーザー数:561万人(転職サイト4位)※2020年6月時点
- 掲載案件数:約63,000件(人材紹介案件含む) ※2020年11月時点
- 費用:基本企画5プラン(25万円~150万円)で構成
人材紹介サービスとしても知名度が高く、人材紹介の会員も転職サイトを閲覧することができるため、経験者採用に有効な媒体です。職種コードが非常に細かい点も経験者の絞りこみに有効です。期間限定と称して長年継続しているキャンペーンを適用することにより、他媒体よりも安価に長期間掲載が可能です。ただ、他媒体よりも無料のスカウトメールのような機能が同じ文言の一斉送信となるため、ピンポイントな経験をもったユーザーへのアプローチが困難です。
〈ケース別〉リスティング広告の活用例
これまでリスティング広告と比べてきましたが、採用活動といえばやはり求人媒体への掲載がまず浮かぶと思います。そこで、採用活動にリスティング広告を活用すると良いケースをいくつかピックアップしてみます。
ケース1:採用活動にかけられる予算が少額
上述のように、リスティング広告は予算の設定が自由なので少額からでも採用活動を始めることができます。求人媒体は最低価格であればリーズナブルに見えますが、効果を期待するなら真ん中以上のプランが必要ということもざらにあります。キーワード構成やエリアでターゲットを絞れば、少額で始められるリスティング広告でも効果は期待できます。
ケース2:求人媒体に掲載してきたが、求める採用結果に繋がらない
これまで求人広告業界で多くの採用担当者様とお話してきましたが、求人媒体に掲載しても結果に繋がらないときはなかなか対策が難しいです。求人媒体では他社も同じ原稿フォーマットで掲載しているので差別化が困難、給与アップや魅力的な福利厚生など条件面ばかり見られることも要因の一つです。
その点リスティング広告は転職サイトを見ていない潜在的な層にもアプローチすることができるので、自社の採用サイトなどで魅力を伝えられれば応募に繋がりやすくなります。
ケース3:求人媒体に掲載している情報をより多くの方に見てもらいたい
これは多少荒業になりますがリスティング広告のリンク先を求人媒体の掲載ページに設定することも可能です。その場合、リスティング広告の配信期間は求人媒体の掲載期間に合わせる必要がある点、GTMなどのタグの設置ができないため、CV計測などができない点など懸念点もありますが、転職サイトから仕事探しをしていないユーザーも転職サイトの原稿に流入させることができます。予算に余裕があれば試してみるのもアリかと思います。
まとめ
採用活動を行いたいとき、それぞれの特徴を把握していれば職種、人材、予算などによってどれを選べばいいか見えてきますよね。求人媒体への掲載だけでなくリスティング広告も活用することで、費用を抑えたり求人媒体の効果をさらに底上げすることも可能になります。
リスティング広告で試してみたい、求人媒体に掲載していたけどなかなか採用に繋がらないなどのお悩みがあれば是非カルテットにご相談ください。以上、この記事を書くために転職サイトを開きまくってて、「こいつ会社内で転職活動してんのか?」と思われないかドキドキしてた山中でした。