みなさんこんにちは!
先日某牛丼屋さんにて
「牛丼つゆシュリンク味噌汁サラダセット味噌汁を豚汁にリプレース、サラダはゴボウマージ、アドオンゴマドレ。そして半熟卵インクルード、支払いはアドバンスで」※訳は略
なんて注文はするわけがありません北野です。
今回は営業orディレクター側にて重要な「もう一手間」をご紹介します。これをしないと意味が薄くなったり、後々困ったことになるよっという事の参考になれば幸いです。
事例1:競合他社ヒアリング(サイト制作、リスティング広告編)
競合他社ですが、業界に詳しいクライアントからヒアリングすることは重要ですが、社名だけを数社メモするだけではそれほど役には立ちません。社名だけというのは極論ただの文字列ですし。
それらのどこがどのように競合しているのか、というのが本当に欲しい情報ですよね。
※見方によって「競合他社」の定義が変わってくるというお話については昔の記事ですが過去記事を御覧ください。
というのも、クライアントからサクッと教えてもらっただけの競合他社名というのはベンチマーク理由が多岐に渡っている事が多く、例えば
- 商品もターゲットも商圏も重複していて価格帯も競合しているバチバチの同業の競合だからベンチマーク(王道。大抵の場合これが欲しい)
- 商品は重複していてターゲットもやや重複するが性能面、価格面で自社のほうが10倍以上高性能&高額(だがリスティング広告掲載枠でいつも自社の近くに掲載されているからベンチマーク)
- リスティング広告でいつも近くに掲載されているからとりあえずベンチマーク。
- 商品もターゲットも重複しているが商圏が異なるため直接対決は無いが、コンテンツ設計や訴求点の参考に、という意味でのベンチマーク
- とりあえず業界最大手の会社ということで参考程度にベンチマーク
- クライアントの知人(お友達)の会社だからベンチマーク
など、色々な選定理由が混在しており、なぜその他社名を挙げたのか?について把握できた上でようやく、制作時のコンテンツ構成やリスティング戦略上の訴求点、広告文差別化などに使える情報となってきます。
競合名を教えてもらった際、なぜ競合他社として認識しているのか、について可能な限り深掘りしていきましょう。
事例2:バナー制作(デザイナーへの発注編)
制作目的や狙い(ゴール)、ターゲットのデモグラフィック/サイコグラフィック想定、見た人にどんな印象を持ってもらえれば成果に繋がると考えているのか、サービスのベネフィット、文言と写真含めた要素別での目立たせ方の優先順位、全体的なカラー、ポイントでのカラー、NGカラーなどなど…
一通りの情報設計についてはマーケティングに関わっている人がディレクションしていたり制作指示書などのフォーマットが整備されていてば大きくは問題ないかと思います。
一方、戻し/出しの無限ループに陥りやすいのは色やパーツや図形やフォントなどのテイスト情報の齟齬です。この部分は指示書がある程度埋まっていたとしても問題が発生しやすいです。
齟齬が大きいと連発する再修正指示にて(最もまずいのは理由が不透明なやり直し指示)デザイナーのモチベーション低下に繋がったり、実力を引き出せずに納品物が低クオリティとなったり、デザイナーが心に蓋をして指示通りの作業のみ行うオペレーター化してしまったりしますので要注意です。
例えばクライアント指示が「爽やかな」と言っている場合には空のような爽やかさなのか水のような爽やかなのか、みずみずしい植物みたいな爽やかさなのか、炭酸水みたいなシュワシュワした爽やかさなのか一体どのような爽やかさなのか、抽象的表現には具体例も添えましょう。(「例えば○○のような」という例)
さらに安全策のダメ押しとして参考写真もしくは参考サイトパーツ、参考バナーなどの「サンプル」をクライアントから提示して貰う事ができるとより一層イメージに近いものになり、クライアント、デザイナー双方の疲弊を防止できます。
余談ですが、稀にバナー案を集めたバナー集サイトのURLをクライアントに送ってイメージの近いものを指示してもらおうとした際に、
「パクりはしたくないしデザイナーの力量を測りたいから御社側でゼロベースでとにかくデザインしてくれ。実力をみたい」
と指示を受けるケースがあります。
そうおっしゃわれた場合には営業/ディレクター側からのお願いの仕方に問題があったかもしれません。
デザイナー側が参考サンプルバナー(サイト)を求めている時、確認したいのバナーそのものではなく「クライアントの感覚の認識」であって、盗用的な類似のものは毛頭作るはずがありません。
例えば「適度に派手にしたい」というリクエストの場合、「適度」とかよく分かりませんよね(笑)
数値で表現することも難しいので、「このバナーのこの箇所が私の考える適度な派手さでです」と、参考イメージを提示していただくのが、個人の感覚を表現してもらうのにはベストなのです。
バナー探しがクライアントに労力をかけすぎるという時には、Google画像検索などでその指示のテイストや色に近い画像でもどこかサイトのパーツでも何でも良いので探していただけないか、とお願いするのが良いでしょう。
つまり、力量を測りたいのであればなおさら、参考素材は多く出したほうが良いということですね。
齟齬ゼロの状態こそデザイナーの本来の実力を引き出しやすい状況となりますので、その上で発生してしまう戻し/出しについては成果に直結する改善のための再修正としていきたいところです。
まとめ
クライアントと専門職(制作者/運用者/デザイナー)を繋ぐ営業(ディレクター)はもう一手間二手間ツッコんで抽象的要望を具体的にしていき、顧客満足と専門職者の実力を引き出せるようサポートしていきましょう。
以上、牛丼アタマの大盛でなく牛丼特盛ご飯少なめ(アタマ特盛)でオーダーしている営業マン北野でした。※店舗によっては断られますのでご了承下さい