暑さも和らぎ、秋がもうそこまでやってきてますね。
秋といえば「読書の秋」。というわけではありませんが、最近息子の図鑑シリーズに新しいものが加わっていました。
タイトルは「猛毒の生き物」
どうやら覚えた猛毒生物を保育園の友達に話しているようなんですが、何がどうなってそうなったのか、そら組さんでは、毒を武器に世界を救うヒーロー「仮面ライダーヒアリ」が誕生し、みな思い思いに変身しているそうです。
テレビ朝日さん、ぜひ次回作でご検討を。
さて、昨日の弊社記事でも紹介しているアトリビューションモデルについてですが、ラストクリック以外にもコンバージョンに貢献しているクリックを確認することができるといったものでした。
昨日の記事:【Google広告】ラストクリック以外のアトリビューションモデルを利用してみよう
では、どんなときに活用するといいのでしょうか。
アトリビューションモデルを活用しやすい配信
コンバージョンに至るまでにラストクリック以外にも広告クリックがある場合に評価できるものなので、ファーストクリックですぐコンバージョンに至る配信は適していないですね。
皆さんご存知のマーケティング用語「AISAS」でもあるように、商品を認知してからアクション(購入や問い合わせ)に至るまでに「興味を持つ」→「検索する」という行動を経るわけですが、この行動において複数回の広告接点が発生する場合なので、例えば、マイホーム購入などの検討期間が長い商材などは、検討フェーズによって検索語句や広告との接点も変わってきそうですね。
どんなアトリビューションが考えられるか
では、マンション販売で来場予約をコンバージョンとした例で考えてみましょう。
検討初期はざっくりとした検討地域での物件情報に興味を持ち検索をすると思いますし、検討が進めば興味を持った物件名で直接検索されて、最終的に来場予約につながっていくものと考えられます。
Google広告での配信において考えられるアトリビューションは以下のようなパターンでしょうか。
- 「〇〇市 新築分譲」で検索 → 「△△マンション(マンション名)」で検索 → 来場予約
- バナー広告から流入して認知 → 「△△マンション(マンション名)」で検索 → 来場予約
- 「△△マンション(マンション名)」で検索 → リマーケティング配信で再訪 → 来場予約
- 「△△マンション(マンション名)」で検索 → 直接モデルルームへ来場
もちろん、この他にも様々なパターンが考えられ、Google広告以外での接触もあると思いますが、ここではGoogle広告の配信におけるアトリビューションを考えて見たいと思います。
Google広告の管理画面で可能なアトリビューション分析は検索連動のみ
Google広告の管理画面上で確認ができるアトリビューションモデルは、上記のパターン1のような検索連動広告における経路で複数のクリックが発生している場合のみとなります。
GDNでのコンバージョンに関しては、ラストクリック以外のモデルが対応していないため管理画面上ではアトリビューションの確認ができません。
またコンバージョン設定においてもアトリビューションモデルを選べますが、GDNにおいてはラストクリック以外が選択されていたとしてもラストクリックでの計上となります。
そのため、キャンペーンタイプを跨いだものや他媒体を含んだアトリビューションを確認する場合はアナリティクスに頼るしかないようです。
※一応Googleヘルプに確認しましたが、現時点でGDNへ拡張するという話はないようです。
ちなみにパターン3のようなラストクリックがGDNでのコンバージョンの場合は、GDNのラストクリックのみが計測されるため、それまでに検索広告でのクリックがあったとしてもアトリビューションの確認はできないようです。
またパターン4のような実店舗でのコンバージョンのおけるアトリビューションはアナリティクスでも追えないですが、昨年発表されたGoogle Attributionではオフラインのコンバージョンも追跡可能とか。下記に紹介されていますので参考までに。
Google Attribution の提供スタートへ。Google Analytics のアトリビューションと何が違う?
アトリビューションモデルをコンバージョン計測に適応
さて、アトリビューション分析した結果、ラストクリック以外にコンバージョンへの貢献が確認できた場合は、コンバージョン計測にもアトリビューションモデルを適応することで、自動入札による最適化に利用できます。
では、どういった場合にどのアトリビューションモデルを選択するとよいのでしょうか。
Googleヘルプでも下記のように各モデルの特徴をまとめていますが、正直「データドリブン」と「減衰」以外はなかなかいい活用法が思いつきませんでした。
Googleヘルプ:ニーズに最も合ったアトリビューション モデルを選択する
弊社過去記事でも紹介されている「データドリブン」は、コンバージョンにつながりやすい経路を機械学習して割り出し、価値の高いクリックにより多くの貢献度を割り当てるモデルなので成果拡大を図るには最適だと思いますが、過去30日間に15,000回以上のクリック、コンバージョンアクション毎に600回以上のコンバージョンがあることが使用条件なので、ハードルは高いですね。
「減衰」はコンバージョンした日時に近いクリックにより多くの貢献度を割り振ります。
したがって、ラストクリックが最も大きな貢献度として認識されますが、その前に発生していたクリックにも貢献度が割り当てられるため、ラストクリックのキーワードが重要視されつつも、その前までのクリックキーワードに対しても考慮されます。
減衰以外にも線状や接点ベースなど、間接的にコンバージョンにつながったクリックすべてに貢献度が割り振られるモデルがありますが、通常の配信においてはやはりラストクリックでのキーワードが重要度として高いことが多く、ファーストクリックに近づくほどビッグワードでの検索となることを考えると、貢献度に重みづけはしたくなるところ。
またファーストクリックだけの計測では、ラストクリックによるコンバージョン獲得キーワードもわからなくなることを思うとなかなか使いづらいですね。
ただコンバージョンに至るラストクリックがほぼ指名ワードという場合は、もしかすると指名検索に至るまでにもっと一般的な検索でのクリックを経由している可能性も高いので、ラストクリックに重点を置かない線状や接点ベースでの計測の方が潜在層へのアプローチ拡大につながるかもしれません。が、あまりにビッグワードが含まれる場合は要注意なので、自動入札ではなく、アトリビューション分析をもとに手動で入札調整する方がいいのかもしれません。
アトリビューション適応における注意
ラストクリック、ファーストクリック以外での計測では、貢献度によってコンバージョンが割り振られるため、コンバージョン数に小数点以下の値が表示されます。
それは1件のコンバージョンが得られるまでにキャンペーンを跨いだクリックだったり、数か月にわたってクリックが発生していたりするためですが、お客様への説明をしておかないと不思議に思われますし、問い合わせや購入実数値との乖離要因となる場合もあるので導入には注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
コンバージョン計測に用いるのはまだまだラストクリックがメインで、他のアトリビューションモデルを導入するにはハードルが高いのかなといった印象です。
ただ、分析をする上ではアトリビューションは重要で、もしかすると見落としていた注力すべきキーワードが見つかるかもしれません。
個人的には管理画面上でディスプレイ広告も含めた貢献度が見れるようになることを切望しております。
ディスプレイ広告でのクリックがサービスや商品を初めて知るキッカケになっていることも多いと思われるので、ディスプレイ広告も含めた貢献度が分かればもっと配信の最適化、効率的な広告配信が進むのではと思います。