こんにちは、運用者の黒川です。
日々の調整を行っている中で、
例えば、掲載順位を上げるために入札を強めた際や、逆に入札を抑えてCPCを下げた際など、どのように結果を確認されていますか?
今回は、そのような入札調整を行った時の結果確認に便利な、「上部 vs その他」という分類表示をご紹介します。(Google AdWords)
この分類表示で見れるデータで、掲載順位が上位の時と、下位の時をざっくり比較することができます。
今回は、リニューアル版(2018年3月9日時点)での「上部 vs その他」の確認方法と、その分類表示を使って分析した事例を合わせてご紹介します。
※従来版の確認方法は、弊社過去記事にてご紹介しています。
プレミアムポジションが効果的か比較する『上部 vs その他』《Google AdWords》
※他の分割機能のご紹介も過去記事がございます。
【AdWords】分割機能が分析に便利(初心者向け)
リニューアル版での確認方法
「キャンペーン」で比較するときの例を元にご紹介します。
以下画像の「分類して表示」と記載しているボタンをクリックすると、表示できる分類方法が選択できます。
分類方法の中から「上部 vs その他」を選択してください。
確認方法は以上になります。
補足:「上部 vs その他」で確認できるデータの意味について
Google AdWordsの公式ヘルプページより、以下の説明を補足します。
Google 検索: 上部 — Google 検索結果の上部に表示された広告です。
Google 検索: その他 — Google 検索結果の真上以外に表示された AdWords テキスト広告です。
検索パートナー: 上部 — 検索パートナーのページのオーガニック検索結果の上部に表示された広告です。
検索パートナー: その他 — パートナー検索結果で上部以外に表示された広告です。
Google ディスプレイ ネットワーク — Google ディスプレイ ネットワークに表示された広告です。
公式ヘルプページ:掲載結果データをさらに細かく分割表示する
以下の事例紹介では、「Google 検索: 上部」と「Google 検索: その他」を比較した事例をご紹介します。
「上部 vs その他」で分析した事例
「その他」の方が良かった事例
まずは、「Google 検索: 上部」よりも「Google 検索: その他」の方がCVRが高く、CPAが安くなった事例をご紹介します。
- 商材:特殊技能を要する職業の求人
- CVポイント:会員登録の完了
- データ集計期間:過去半年間
「上部 vs その他」の結果
「その他」の方がCVRが高いため、CPAが安い傾向があります。「その他」の方がCPCが安いことも要因ですね。
考察
「その他」の方がCVRが高い点について、ターゲット想定から理由を考えました。
- 引く手あまたな職業(どの企業も人手不足)であるため、ユーザーが「条件」や「待遇」をしっかり吟味している → 「その他」の位置にある広告までしっかり目を通してくれる
商材特性を考えると、すぐにパッと決めるというよりは、じっくり考えて決める人が多いと思われます。
入札抑制などのCPCを下げる調整を行えば、CPAを下げることができそうです。
「上部」の方がよかった事例
次は「Google 検索: その他」よりも「Google 検索: 上部」の方がCVRが高く、CPAが安くなった事例をご紹介します。
- 商材:警備員の求人
- CVポイント:会員登録の完了
- データ集計期間:過去1年間
「上部 vs その他」の結果
「その他」の方がややCPAが高い傾向があるようです。
CPCは「その他」の方が安いですが、CVRが「上部」の方が高いため、CPAが安いということがわかります。
考察
上部の方がCPAが安い理由について、私が想定した要因は以下になります。
- 競合がとにかく多いため、上から順番に「とりあえず登録」するユーザーが多い
- 「すぐに登録して転職したい」というタイムリーなユーザーが多く、上部に広告がある方が登録されやすい
- 上部に広告があることで、広告・企業への「信頼性」が高まる
商材特性を考えると、1や2のようなユーザーが多いのではないかと想定しています。
運用としては、なるべく上位をキープすることでCPAを安定させることができそうですね。
ただ、CPA改善のためには入札抑制は悪手だと思いますので、品質スコアを高める施策など、掲載順位を落とさずにCPCを下げるような施策が有効だと想定しています。
(もしくはサイト改善などでCVRを上げるかですね…)
まとめ
今回ご紹介した事例の形で、ざっくりキャンペーン単位で「上部 vs その他」を確認するという分析は、商材の特性を理解するという初動のタイミングで役立ちそうです。
もっと具体的な分析・調整方法としては、以下の画像のようにキーワード単位で効果を比較し、それぞれのキーワード毎に入札を調整していく、というのがベストでしょう。
商材と配信目的によって、適切な広告掲載位置がありますので、「上部 vs その他」という観点からの分析も、今後チェックしてみてください。
今までと別の角度から分析することで、ターゲット像の新たな一面を発見できそうですね。
以上、黒川でした。