リスティング広告を配信するにあたって、広告の掲載順位は気になる指標の一つですよね。
入札しているキーワードを検索した際に、常に一番上(掲載順位:1位)に自社の広告が出ていれば嬉しいですが、1位がいつも最も成果が良いというわけではありません。
商材や予算、運用方法によっては2位以下の方が成果が良いこともありますよね。
今回、2位の方が成果が良かった事例がありましたのでご紹介いたします。
事例紹介
今回の事例は、以下の様なお客様になります。
- 業種:オンライン学習サービス
- リスティング広告配信の目的:登録者数の増加
- 目標CPA:15,000円
期間1:ある期間の配信結果
期間1の配信結果(期間1)は以下の様になります。
まとめると以下の様になります。
期間が短いため、データの信ぴょう性に欠ける部分もありますが…配信結果を見てみると、目標CPAを達成しています。ですが、平均掲載順位が2位となっており、画像にはありませんが広告ランクによるインプレッションシェアの損失が約20%発生していました。
そこで、平均掲載順位とインプレッションシェアを改善するために、入札価格を上げることで、CV数の増加を目指すことにしました。
【初心者向け】インプレッションシェアは重要な指標【リスティング】
期間2:入札価格を上げた後の配信結果
入札価格を上げた後の配信結果(期間2)は以下の様になります。
前の配信結果と比較すると以下の様になります。(赤文字が今回の配信結果です。)
入札価格を上げたことで、平均掲載順位も上がり、インプレッションシェアも改善されましたが、CVを獲得できておらず、以前に比べパフォーマンスが悪くなっていることが分かります。
検索クエリを確認したところ、キーワードが今まで以上に拡張して表示されていました。入札価格を上げたことで、オンライン学習でもサイト内に取り扱いのない商材にまで広告が表示され、その結果、ターゲットとならないユーザーからのクリックばかりを集めてしまった為、CVを獲得できなかったようです。
このまま入札価格を上げた状態で運用しても、現状のアカウント状況では目標CPAに見合わないと判断しました。そこで、入札価格を上げた直後からパフォーマンスが悪化したので、ひとまず入札価格を元に戻してみました。
期間3:入札価格を戻した後の配信結果
入札価格を戻した後の配信結果(期間3)は以下の様になります。
3つの期間の配信結果を比較すると以下の様になります。
(赤文字が前回の配信結果、青文字が今回の配信結果です。)
平均掲載順位が2位近くまで戻り、インプレッションシェアも入札価格を戻したので期間1と同程度まで下がりました。しかし、期間3ではCVが獲得できており、入札価格を上げていた期間2よりパフォーマンスが良くなっていることが分かります。
1位より2位の方が成果が良い?
掲載順位が1位の時より2位の方が成果が良かった理由としては、1位に広告を表示するための入札価格が目標CPAに見合わなかったから、だと思います。
期間2の配信結果を見ると、1位に広告を表示するには700円程度で入札を行う必要があります。ですが、1位に表示した状態で、CPA15,000円を達成しようと思うとCVRが4.7%ほど必要です。
実際にはCVRは3%ほどですので、CPA15,000円を達成するには、以下の様にクリック単価を450円で運用する必要があります。クリック単価450円で運用を行うと、結果、掲載順位は2位程度となり、1位の時より成果が良くなります。
上位に掲載してみた結果、CVRも改善され、パフォーマンスが良くなることもあるため、やってみないとわからない部分もありますが、このアカウントは上位に表示しても成果が一気に改善されることはなさそうです。
逆に2位を維持したままクリック単価450円以下で広告を掲載することができれば、CPAはかなり改善されると思います。
まとめ
今回のように、「1位に表示すればCV数が増えるはずだ。」と、考えて入札価格を上げた結果、逆にCPAが悪化することは、たまにあると思います。改めて、毎日アカウントを見て、適切な配信状況で運用しているかを確認する事は大切だと感じました。
比較的多い事例だと思いますので、同じような状況の方の参考になれば幸いです。