消費者行動モデルの変遷と一覧(後編)


皆さんこんにちは。
今回の記事は少し間が空いてしまいましたが、消費者行動モデルのご紹介の続きとなります。

前編はこちら

今回ご紹介する範囲については、「SNSが発達してきてからの消費者行動モデル」「コンテンツマーケティングが台頭してきた現代の消費者行動モデル」となります。どちらかというと前回のような「変遷」というより、「時代に応じて様々な形が出てきた」という色の方が強くなってきます。中にはかなり新しいモデルもあり、まだまだ知らない方も多いのではないかと思われるものです。ですが、InstagramやTwitterが老若男女で使用される世の中なので、しっかり押さえておきたい部分でもあります。こちらも前編同様、マーケティング課題解決や勉強の足掛かりに活用していただけますと幸いです。

消費者行動モデルの変遷と概要

目次(今回はマーケティング分野別で項目を分けます)

SNSマーケティング

コンテンツマーケティング

VISAS(ヴィサス)

2010年にクラウドセキュリティアナリストの大元隆志さんが提唱された、ソーシャルメディアマーケティングにおける消費者行動モデルです。

V Viral(口コミ)
I Influence(影響される
S Sympathy(共感)
A Action(購買)
S Share(共有)

AISASと一文字違いの割には随分と内容が違いますね。SEO時代ではAISASが重要とした一方で、ソーシャルメディア時代では「口コミ」が大きな力を持つとし、Viralから始まるVISASが提唱されております。このモデルの入り口は再三言っていますが、Viral(口コミ)です。商品やサービスの認知はSNS上では「Viral(口コミ)」から始まります。そして、その口コミに「影響(Influence)」され、「Sympathy(共感)」を感じれば「Action(購買)」に繋がります。そしてその結果はまたSNSなどで「Share(共有)」され…といったモデルになります。何かを欲しいと思うキッカケがSEOなどで重宝されてきた「検索する」というところから、友人や憧れの有名人などのSNSでの「口コミ」での認知が重要となります。

私自身もそうですが、購買行動において、近年かなりこの傾向が強いのではないでしょうか?例えば、全く知らないお店のおいしそうな料理や珍しい料理の画像と「おいしかった」などの感想が流れてきたら「食べたいな」という共感を持ち、食べに行く、なんていう今では当たり前のことがモデルとして定義されています。

またAISASとの本質的な違いとして、AISASはほしいと思っていたものを求めて検索するところから入り、それのみを求める「顕在的なニーズ」の刈り取りとなり、一方でVISASは口コミから認知が始まるため、「潜在的ニーズ」の発掘が出来る事を示しています。

SIPS(シップス)

2011年に電通の佐藤尚之氏によって提唱された頻繁にソーシャルメディアを利用する層に対応した、消費者行動モデルとなります。

S Sympathize(共感)
I Identify(確認)
P Participate(参加)
S Share,Spread(共有、拡散)

共感は、友人や有名人、専門家の意見に共感する、という行動が当てはまります。ただ、それを聞いたり見たりしただけでは行動に繋がりません。というのも現代は情報が圧倒的に多く、すぐにレビューや口コミを調べることが出来るからです。これが「確認(Identify)」に該当します。共感とその内容の確認によって次のステップにいくわけですね。そして、次の「参加(Participate)」がこのモデルの特徴です。今までのモデルでは「購買行動(Action)」が実質的な行動モデルとして組み込まれていたことが多かったと思いますが、SIPSでは参加、つまり「いいね」やリツイート、その他支援、情報の伝達の一端となることすべてが参加に繋がります。購買を伴わない行動もモデルとして組み込まれることがこのモデルの大きな特徴となります。その後のShare,Spreadで次の共感を生む足掛かりとなるという循環を生みます。AISASのようなファネルではなく循環するフレームワークとして認識すべきでしょう。これもSNS世代の我々にとっては当たり前のような行動ですが、SNSでのマーケティングの際はしっかりと押さえておく必要があります。

ULSSAS(ウルサス)

ここ最近、かなり注目されている消費者モデルです。ULSSASはホットリンク社によって提唱されました。

U UGC(User Generated Contents)
→ユーザーによるSNS投稿
L Like(いいね)
S Search1(検索1)
S Search2(検索2)
A Action(行動)
S Spread(拡散)

このモデルの重要なポイントはUGC、ユーザーが投稿したコンテンツによって認知が始まることです。つまりSNSが認知の起点になるということです。UGCは皆さんがInstagramなどに投稿する写真や簡単なレビューが当てはまります。それを「Like(いいね)」することで行動へつながっていきます。気になるのはSearchが2つあることですね。この内容としてSearch1ではSNS内の検索、つまりハッシュタグ検索などが該当します。今までのモデルでのSearchは大方Googleなどの検索エンジンでの検索が当てはまっていました。しかし、ここではSNS内での検索が1つの段階としてモデリングされています。ちなみに通常の検索エンジンでの検索はSearch2に該当します。そのあとは「Action(購買行動)」、「Spread(SNSでの投稿、拡散)」を示します。このモデルも循環型になるのですが、特徴として、UGCには戻らないことが挙げられます。Spreadまでたどり着いた後はふたたびLikeに戻るということになります。

引用元:株式会社ホットリンク様(https://www.hottolink.co.jp/service/twitter/method/ulssas/

また、もう一つの特徴として、こちらのモデルにうまく当てはめることが出来ると、広告費がかかりません。認知の始まりがユーザーによる投稿となっているため、一人でも自社の商品を使い、評価し、SNSに投稿したものに「いいね」がついた瞬間からこのモデルが始まります。ただ、このUGCを生むのにかなりの労力をかけることにはなるかと思います。重要なことは商品やサービスの質を上げ、いかにUGCを生んでもらうか、となります。こちらは前記事の冒頭でご紹介した本に詳しく記載されています。2020年5月現在、Kindleで無料で読めますので、是非読んでみてください!(ホットリンクさん、飯高さん、ありがとうございます!)

以上がSNSに特化した消費者行動モデルとなります。
そしてこの後からはコンテンツマーケティングに特化した消費者行動モデルのご紹介をします。
コンテンツマーケティングの特徴としては、「消費者から動いてもらう」というところにあります。情報が氾濫するこの現代で、企業はユーザーに対して有益な情報を発信し、ユーザーの心に残るよう努力をするようになり、コンテンツマーケティングが生まれました。ではコンテンツマーケティングの消費者行動モデルにはどのようなものがあるのでしょうか?

DECAX(デキャックス)

DECAXは2015年に電通が提唱した消費者モデルです。

D Discovery(発見)
E Engage(関係する)
C Check(確認)
A Action(行動)
X eXperience(体験共有)

ExperienceはEじゃないのか、というツッコミはさておき…。このDECAXは消費者が有益な情報を発見するところからスタートします。それはニュース記事やブログ記事など多岐にわたります。そこからユーザーは有益だと思った情報を提供した企業に「関係(Engage)」していきます。関係は会員登録やメルマガ登録などで深まっていきます。その過程でユーザーは本当に有益であるかどうかを「確認(Check)」します。例えばコンテンツの質が悪かったり、少しでも関係した時点で押し売りをしたりする企業からはユーザーは離れていくでしょう。逆に言えばしっかりと関係していくことでユーザーはその企業の商品を確認してもらえる可能性が高くなります。そして、信頼関係の構築が完了し、ユーザーが自分にとって必要・有益であると判断したら「行動(Action)」に移っていきます。ユーザーは商品やサービスを「体験(Experience)」し、体験したものをSNSや口コミを通じて共有していきます。そしてこの共有がきっかけとなり、また別のユーザーの発見につながっていきます。

一見当たり前のように見えますが、この情報が氾濫した現代で自分にとって有益な情報を探し出すのは難しく、企業にとっても見つけてもらうこと自体がまた難しいと考えられます。ですが、決して自分(企業)本位にならず、有益である情報を発信し続けることが、このモデルの出発点のキッカケとなると考えると、しっかりとユーザーに求められているものを分析し、情報を発信していくことが重要ですね。

Dual AISAS(デュアルアイサス)

最後にご紹介するのはDual AISASです。2015年に電通から提唱されました。AISASは前回の記事でご紹介したインターネット時代での消費者行動モデルとなります。これがDualになることによってどのような変化があるのでしょうか?恒例の頭文字からご紹介。

①「買いたい」AISAS
A Attention(注意)
I Interest(興味)
S Search(検索)
A Action(行動、購買)
S Share(共有)

②「広めたい」AISAS
A Activate(起動)
I Interest(興味)
S Share(共有)
A Accept(需要)
S Spread(拡散)

なかなか難しいですが、Iを中心として、「買いたい」AISASを縦に、「広めたい」AISASを横に組むとわかりやすいかと思われます。

わかりやすいといいつつ、この図だと少しわかりにくいですが、従来のAISAS、「買いたい」AISASはファネルを示し、「広めたい」AISASはSNSマーケティングの項で出ていた循環型のモデルとなります。また、この2つの軸は独立したものではなく、複合的に考えていただければと思います。「買いたい」AISASのA、つまりAttentionからInterestに遷移する段階でグルグルと「広めたい」AISASが循環しているようなイメージです。また、Activateは実質は広めたいから買いたいへ変遷するための要素となるため、実際には「広めたい」AISAS=A+ISASと解釈しておくと、より理解が進むかと思います。
電通様の電通報にてより詳細な図がありますので、そちらをご覧ください。
https://dentsu-ho.com/articles/3100

「広めたい」AISAS

そもそもこのモデルが提唱されたキッカケとして、インターネットとユーザーがかなり密接に結びつくようになり、従来のAISASでは説明のつかない事例が数多く生まれたためです。その最たる事例がSNSの台頭で、ユーザーはSNS共有からAttentionを得る機会が飛躍的に増加しました。ただ、そのAttentionを得るのに成功はしても購買に結びつかない、などの現象がAISASでは説明がつかないのです。そこにはユーザーの感情がSNSなどのソーシャルメディアで広めたい>買いたいとなっている段階が存在していることに起因しています。そこで編み出されたのが「広めたい」AISASです。商品やサービスに興味(Interest)を持ち、SNSなどで共有(Share)、それを第三者が受け取り(Accept)、また拡散(Spread)され、第三者のネットワークでここまでの「ISAS」が繰り返されるというモデルです。

ただ、このISASが繰り返される中で、何かのきっかけで「買いたい」AISASへ転換するユーザーが現れます。この転換こそが起動(Activate)となります。ここからは従来のAISAS、「買いたい」AISASに当てはめる事が出来るようになります。

このモデルは、我らが名古屋を代表する企業「コメ兵」が活用し、話題となりましたね。
コメ兵が仕掛ける、Dual AISAS Modelを活用したテレビxSNS連動プロジェクトの全貌

このようにAISASをコンテンツマーケティングへと特化したモデルがDual AISASとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?2部にわたってかなり長編となってしまいましたが、今回の記事のSNS、コンテンツマーケティングにかかるモデルについては、現代でマーケティングをするのであれば、押さえておいて損はありません。マーケティング分析をする際には是非活用していただければと思います。

ブログ記事の中で広告運用の事例をご紹介することがありますが、実際の事例を一部加工した内容となっておりますのでご留意ください。

また、2018年7月24日よりGoogle AdWordsはGoogle広告に名称変更されました。それ以前の記事に関してはGoogle AdWordsと表記されておりますのでご了承ください。




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