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消費者行動モデルの変遷と一覧(前編)

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皆さんこんにちは。2019年の暮れくらいに、「僕らはSNSでモノを買う」という本を読みまして、非常に興味深く読ませていただきました。

その本の中では、「SNS(主にTwitter)でのマーケティングはどうするべきか?」が会話形式で書かれているのですが、「UGC」と「ULSSAS(ウルサス)」という言葉がメインに取り沙汰されます。

その中でも「ウルサス」という言葉を見て、「消費者行動モデルもここ数年で増えたよなぁ~」と思い、ちょっとまとめてみたくなったので、今回は「ひと目でわかる、消費者行動モデル一覧と変遷」を書こうと思います。マイナーなものも含めて一覧化してみましたので、あなたやクライアント様が直面しているマーケティング課題に応じて、使い分けられるようにしておくと良いかと思われます。また、勉強の足掛かりになったりするのも本望です!

※各モデルの呼び方については、個々人で色々あると思うので、ご参考程度で御覧ください…。

そもそも消費者行動モデルって?

人によっては「購買行動モデル」とも呼びますが、簡単に言うと「消費者がモノやサービスを買うまでの道のりを表したモデル」です。このモデルは1900年代に「AIDMA」が提唱されてから、アナログなマーケティング手法や、WEB、SNSなどの発展に伴い様々な形が生まれており、その数はマイナーなものも含め10種類以上にも登ります。正直ここにあるのが全てでは無さそうな気すらしています。

消費者行動モデルの変遷と概要

目次

 

AIDA(アイーダ)

1898年にセント・エルモ・ルイスが提唱した消費者行動モデルとなります。(初出は諸説ありそうですが…)

A Attention(顧客の注意を引く)
I Interest(顧客に商品を訴求し関心を引く)
D Desire(顧客に商品が欲しいという気持ちがあり、それが満足をもたらすことを納得させる)
A Action(顧客に行動を起こさせる)

皆さんがよく知っているのはAIDMAのかと思われますが、AIDMAよりも前に提唱されたモデルで、AIDMAはこれに「Memory」がプラスされたバージョンなんですね。記憶の部分がないということでこの2つは似て非なるものだと私は考えています。というのも、AIDMAについては「記憶する」というフェーズがあるため、購買タイミングはいつでも良いのです。対して「記憶する」というフェーズのないAIDAは「今、買ってもらう」という考察を立てることが出来ます。現代に即して考えると「記憶する」の手段が増えた(俗に言う「ふぁぼ」など)現在、AIDMAの方が新しい感じはしますね。

AIDMA(アイドマ)

1920年代にアメリカで販売・広告の実務書を書いていたサミュエル・ローランド・ホールが『Retail Advertising and Selling』にて提唱したものです。各文字の略は下記となります。

A Attention(注意)
I Interest(興味)
D Desire(欲求)
M Memory(記憶)
A Action(購入)

消費者の心理状態に焦点を当て、各心理フェーズにいる消費者にどのようなアプローチをするかを検討、分析する際の最も基本的なモデルとなります。その他のモデルも基本的にはAIDMAを参考に作られているくらい基本です。

消費者行動としては、企業が広告や営業活動で、消費者の注意を引き、興味を持ってもらう。その後「この商品が欲しい!」と思った消費者は自ずと商品を記憶し、最終的な購入に至る、といったものです。いかに商品のことを記憶にとどめてもらうかまでを考えることが重要なモデルとも言えます。

ただ、使い所にもよりますが、現代で使うには若干時代遅れな感じもあります。というのも最初のA,Iは現代の消費者は企業からするというよりも自分で取りに行く傾向が強いからです。1920年ともなると消費者が自ら商品の情報を得る手段が少なかったんですね。とりわけこのモデルはTV広告や新聞広告など、マス広告が強い場合にこそ輝くモデルとも言えます。とはいえ、他のモデルの基本になるくらいには基本なので、たとえWEBのみのプロモーションだとしても、AIDMAではどう動くかなどシミュレーションをしてみると、次にどのモデルで活用出来るかなどが明確にみえるようになる印象です。

ただ、このAIDA、AIDMAには非常に重大な欠陥がありました。それは、長期的な購買心理の変遷には適用しづらい事、購入後の行動についてはカバーできないということです。AIDAもAIDMAも、所詮「短期、単発的な購買心理、行動」に対するものでしかありませんでした。そのため、この後のモデルでは「購入後も含めた長期的な消費者行動のモデリング」を意識して作られていきます。

AMTUL(アムツール)

先述したようにAIDAとAIDMAが「短期、単発的な購買心理、行動」に対する消費者行動モデルだったのに対し、「長期的な購買心理の変遷」に着目されて編み出されたのがAMTULです。1970年代に水口健治氏によって提唱されました。

A Awareness(認知)
M Memory(記憶)
T Trial(試用)
U Usage(本使用)
L Loyalty(ブランド固定)

以前の2つと違うのは、購買後の行動も追加されていることです。AIDAとかAIDMAはAMTULでいうところのTrialで止まってしまうのですが、本使用、そして「もうその商品しか使わないぞ!」というLoyality(ブランド固定)まで含めており、いわゆるLTVがしっかり反映されたものです。ここまで来るとかなり現代のサービスにも落とし込めると思います。

例えば、サブスク系サービスでは試用期間を一ヶ月与えたあとに、そのサービスに課金するかどうかを判断(→本使用へ移行させる)、その後にそのサービスを固定で使用していく、という部分がこのモデルに該当します。

そしてこの後永くAIDMA、AIDA、AMTULなどなどが活用されたのち、ネットの時代が訪れます。

AISAS(アイサス)

AISASは2004年に電通さんが提唱した「消費者がインターネットを使用し、購入する」事を想定した消費行動モデルとなります。

A Attention(注意)
I Interest(興味)
S Search(検索)
A Action(行動、購買)
S Share(共有)

ここまで来ると皆さんにもかなり馴染み深いものになるのではないでしょうか?インターネットで消費者が自ら検索することでAIDMAのDesire、MemoryがSearchになり、Actionの後にShareが追加されました。インターネット時代の特徴とも言える行動に置き換わっているようなイメージですね。皆さんも心当たりがあるかと思いますが、商品に興味を持ったらまずは手元のスマホで検索しますよね?その後、購入をした後、口コミなどを投稿し、感想を「共有」。これにより企業側の営業、広告行動がなくても商品の事がより広まるようになりました。

企業側は楽になったのかと言われるとそうではなく、商品を売り出すという部分で考える事がかなり変わったと考察します。というのもSearchの段階では、いかに消費者がスムーズにその商品の情報にたどり着けるかを考えなければならず、また、良い商品を作らなければ「良くない(悪い)商品である」というShareが広がってしまい、売上にも大きく影響しかねないからです。

インターネットの普及でとんでもないスピードで情報が伝わってしまうため、適当な商品開発、サービスをし、顧客に不快感を与えてしまうことは企業にとっての「死」にも直結しかねません。ただ、逆に言えばAISASの各層の行動を意識した商品、サービス作り、マーケティング、プロモーションを行い、それが消費者に刺されば加速度的にビジネスは成功していくとも言えます。

AISCEAS(アイシーズ)

こちらは先述したAISASを更に細かく分割し、購入の前に重要な消費者の行動を2つ追加したものと見てもらえれば良いかと思われます。アンヴィコミュニケーションズの望月社長が提唱されました。

A Atteintion(注意)
I Interest(興味)
S Search(検索)
C Comparison(比較)
E Examination(検討)
A Action(行動、購買)
S Share(共有)

AISASのAction(購入)の前に消費者が取るであろう「Comparison(比較)」「Examination(検討)」という行動が追加され、モデル化されています。消費者はインターネットを使って検索はするのですが、購入検討対象を複数持つ事が前提となっています。複数の情報を比較し、よりよい物を購入しようとする消費者行動もプロモーションやマーケティングの中で重要な立ち位置を持つということです。

実際、例えばAmazonで買い物をする際に、「マウス」を検索すると、複数の似たような商品が出てきますね。その中で、必要な機能のあるものをいくつかピックアップし、比較、検討を行うはずです。一人で複数の情報を取捨選択出来る時代に、1つのものを比較検討なしに買うことはほぼ無いのかなと考えております。

リアルな活用だと、比較部分ではネットの比較サイトや、自分で様々なサイトの料金表を見たり、といったところで、検討は実際に問い合わせをして、その企業の営業などに話しを聞く事が当たるかと思います。

ZMOT(ジーモット)

文字の振り方的に、ちょっと今までと毛色の違う消費者行動モデルとなります。

ZMOT … Zero Moment Of Truth

いきなり主人公の技名みたいになりましたが、こちらは2011年にGoogleが提唱した、消費者行動モデルです。ZMOTは、「消費者は来店より前の段階から、何を買うかを決めている」という理論です。来店の前からというのはつまり、インターネットでの検索などで目星をつけている、という事です。実はZeroの他にもFirst Moment of Truth(FMOT)Second Moment of Truth(SMOT)があります。FMOTは店頭の商品陳列棚やディスプレイで行われる購入意思決定理論で、調査結果として「陳列棚で商品を見たあと消費者は3~7秒でどれを買うか決めている」という傾向を論じた理論となります。そしてSMOTは「その商品をリピートする瞬間」の理論で、使用した商品に対して、良し悪しの判断を消費者が付ける瞬間に対する言葉です。FMOT、SMOTは有名なP&G社が提唱しました。

WebでのマーケティングではZMOTを良く押さえておくべきで、購入プロセスで言うところの認知、注意の次にくるものになるためです。この理論を押さえると、消費者が検索をするときになんと検索されるかを予測して、SEOや広告を出し、購入決定を促す事が出来ます。勿論、そこには魅力的な文言や、関連性の深いPRでのアピールも必要不可欠です。結構リスティング広告の構成を設計する時の考え方に似ていませんか?Googleの思想にもつながってくるのですが、「潜在的なニーズをもつ消費者に対して、有効な検索結果を表示するか」、というところが重視されているのもこの考え方があるからかもしれないですね!

一旦まとめ

いかがでしたか?今回は1900年代から、購買活動がインターネット上で終わるようになる2000年代までに提唱されたモデルをご紹介しました。個人的な意見なども入っているため、ご意見、ご批判などはあると思いますが、是非ご参考にしていただけたらと思います。

今回は長くなってしまったので、ここで切りますが、次回ご紹介する予定のものとしては、「SNSの普及~コンテンツマーケティングの流行」にかかる消費者行動モデルとなります。より現代的になり、新しいモデルもご紹介出来るかと思いますので楽しみにしていただければと思います

ご紹介予定モデル…

VISAS

SIPS

DECAX

ULSSAS

Dual AISAS

 

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