気がつけば10月もあと残り僅か…今年は運動の秋にしたいと強く願っていましたが、いつの間にか食欲の秋になってしまいました。営業部の山方です。
今回はアカウント分析提案時の注意点について考えてみました。
分析に至る経緯 現状の不満理由
各クライアントによって不満理由は様々ですが、パフォーマンス上の理由に絞れば大きく下記2つに分かれると思います。
- コンバージョン数を現状よりも増やしたい
- コンバージョン単価(CPA)を現状よりも抑制したい
それぞれ悩みの切り口は違ってもこのどちらかに当てはまるはずです。
コンバージョン数を増やしたい場合
コンバージョン数を増やしたい場合、主にチェックする部分としては下記内容かと思います。
- コンバージョンが取れているキーワード(検索クエリ)のインプレッションシェア損失がないか
- マッチタイプを絞り込み過ぎていないか
- デバイス、配信時間、曜日、エリアなどで根拠不明な制限が掛かっていないか
- コンバージョンが取れているクエリから更なるキーワードの拡充が図れないか
- 媒体追加(現状Googleのみの配信でYahoo!を追加するetc..)できないか
- 動的検索広告(DSA)など新たな配信手法を追加できないか
などなど現状よりもさらに広告表示機会を増やすための提案が主になると思います。
提案時の注意点
本ケースの場合、私は下記3点に注意してご提案しています。
1.予め許容CPAを確認しておく必要がある
予め許容CPAを把握していないと「いくらなんでもこれじゃ儲からないよ…」と提案内容を全く受け入れて貰えない可能性があります。ヒアリングしても全く出てこない場合は「例えば現状より倍のCPAになっても大丈夫ですか?」とか「倍が無理なら1.5倍ぐらいならどうですか?」など事前に確認しておけば「話にならない」なんてことはなくなりますよね。
2.効果を想定しやすい内容と、しにくい内容がある
前述したとおり、広告表示機会を増やすための手段として、今やっていない新たな取り組みも提案内容に含まれます。例えばインプレッションシェアの損失を無くしたり、デバイス、配信時間、曜日、エリアなどの抑制が掛かっている場合は現アカウントのデータを元に影響度を見積もりやすい内容になります。反対に新たな配信手法を試すなどやってみないとわからない部分については想定が大きく外れる場合もあります。
3.新たな取り組みについての効果検証期間
上述したように新たな配信手法は当初の見積もりより大きく外れる場合があります。なので検証期間をいつまでとするか、打ち手を試す優先順位はどう組むかといった内容についても予めご提案内容に含めておけば検証に必要な期間待ってもらう事が可能になります。(ロードマップの作成)
逆にこれがなければ「切り替えて1カ月たったけど今の代理店大丈夫かな?」と不安に思われてしまう可能性もあります。
コンバージョン単価(CPA)を現状よりも抑制したい
CPAを抑制したい場合は下記内容が主になると思います。
- 見込みの低いキーワードがしっかり除外されてるか
- マッチタイプは適切に選定されているか
- 獲得効率の良いメニューに予算はしっかり配分されているか
- デバイス、配信時間、曜日、エリアなど獲得効率の悪いところに配信されていないか
などなど現配信のムダをどれだけ削げるかという内容が主になると思います。
提案時の注意点
本ケースの場合、私は下記2点に注意してご提案しています。
1.現状のコンバージョン数が少ないと効果の見積がしにくい場合がある
コンバージョン数が少ない(サンプル数が少ない)と傾向が掴みにくくなるので抑制した事による影響を図るのが難しくなってしまいます。その分シミュレーションの精度も悪くなりがちです。
2.CPAの抑制を行うと、コンバージョン数が減ってしまう
例えば現状CPA5,000円でコンバージョン獲得している案件をCPA4,000円まで圧縮した場合、4,500円で取れていたコンバージョンは捨てないといけません。つまりほとんどのケースでコンバージョン数は減ってしまいます。
このリスク説明をしっかり行っていないと運用をお任せいただいた後からコンバージョン獲得目標数が追加され、当初の分析提案内容を再現できない…なんて事も起こりかねません。
まとめ
今回はアカウント分析提案時の提案者側目線で見た注意点についてまとめてみました。列挙したリスク説明ももちろんですが本当に言いたかったことは「コンバージョン数を増やす」ことと「CPAを抑制する」ってことは相反するオペレーションであり、アカウント分析する前に設定すべき目標についてクライアントとしっかり協議しておく事が大切。という事です。
稀に「とにかく今より何か良くならないか」というザックリとした提案依頼をいただく事があります。この場合、代理店が良きに計らう(今風に言うと忖度ですか…)のではなくクライアントが求める要望をしっかりヒアリングし、ご提案しなければなりません。
「アカウント分析をして貰ったのに全然当初の見積もりと違う」という事にならないためにもしっかり要望をすり合わせしなきゃいけないですね。以上、営業部の山方でした。