先日実際に自動最適化を導入、体験しました。結論からいうと・・・普通にすごいと思いました。とはいえ、導入後間もない状態での記事ですので、こういう動きをするよ!というご参考としてご覧いただければ幸いです。
※自動入札に関する過去記事はコチラ
概要
まず、結果に入る前に、今回実施したクライアント様の概要から。
クライアント様の概要
出稿商材:とあるローン
月額予算:500万~1000万円
配信手法:検索広告
CVポイント:ローン申込(申込後審査の結果、受諾・非受諾は問わない)
構成:先方様のご要望もあり、マッチタイプの 完全一致/それ以外 でキャンペーン分割
運用の大まかな流れ
運用の変遷は以下のとおり。
- はじめ
→他社様で運用されていた時代、ほぼブロード配信 CPA:80,000円程度 - 第一次改善後
→弊社へ運用移管当初、再構築を行った CPA:30,000円程度 - 第二次改善後(現在)
→運用移管後、除外・入札調整を軸にアカウントを精査 CPA:15,000円~18,000円程度
ここまでで約3年半ほど。全て手動で調整を行ってきました。
最適化導入に踏み切ったキッカケ
現在の悩みは・・・目に見えるレベルでの改善ポイントが無くなってきている。具体的には・・・キーワード(クエリ)の要素分解がこれ以上できない。
※CVキーワードが「屋号 ローン 」などに決まってきており、ユーザーの意思が掴みづらい
そのうえで、除外・入札調整を軸とした運用のポイントでみても
- クエリ:多少のふり幅はあれど想定の範疇
- CVキーワードのインプレッションシェア:ほぼ100%
となっており、配信の無駄はほぼないのでは、と考えられる状況でした。最適化の導入を考えるにあたり、地盤はもう固まった、後はどうするか・・というこのタイミングは、それこそ最適だったのではと思います。
導入した結果
まず、今回実施した最適化の内容がこちら。
目標CPA:現在CPA以内(15,000円程度)
配信期間・分析方法:およそ8日間・最適化の設定前後で比較
この内容で、成果数が向上する事を願って実施しました。
おお、「有効目標コンバージョン単価」よりも「実際のコンバージョン単価」のほうが、ちゃんと安く推移しているのが分かります。
CPAとCVの相関を見てみる
見る角度を変えてみると・・・序盤に試行錯誤した感がありますね。序盤の調整期間、CVとCPAの波形が、キレイに交互になっているあたりAI感抜群です!数日で学習し、安定化したということなのでしょう。単価に関わる部分・・うーむ、CPCが安くなったのか・・・??
CPCとCVの相関をみてみる
CPCは一旦安くなったのち、最終的には上がっており、それとともにCVも増加。単にCPCが下がって、多くのクリック母数を集めたから、というわけではないんですな。ということは、結果としてCVRが倍近く良くなったとみられます。
データ掲載はしていませんが、実施前後を比較したところ表示順位が上がっていました。入札単価はある程度高くとも、上位表示時のほうがメリットが高いとAIが判断したのでしょう。
※実際に、上位表示のCVRが高いという傾向はありました
行っていることは、シンプルにデータに基づく対応であるため、上位VSその他で分割したデータをみれば、人間でも思いつく事が出来る内容です。とはいえ・・・具体的に何をどうコントロールすべきかは悩ましいところですよね。
AIは、何をどうコントロールしたのか
媒体は推奨していないものの、このアカウントは、マッチタイプでキャンペーンを分ける構成。これによって、キャンペーンレベルでも、変化は分かりやすかったです。
- 広めのマッチタイプで登録しているキーワードのパフォーマンスが向上
- 完全一致のほうも悪化したわけではなく、CPA・CVRに関しては横ばいor良化している
- クエリをみてみると、今までとほぼ変化はない
更に細かくみてみると「手動運用時はほぼ使っていなかったマッチタイプ」でのCV獲得が増加していました。具体的には「屋号、一般キーワードともに、フレーズ一致でCVを獲得」するようになっています。
※手動運用時は上図のデータでも判るとおり、CVキーワードに目星がついているときのセオリーに則り、完全一致メインで運用
クエリはほぼ変化がないということは・・・広めのマッチタイプを使う→すると、完全一致ではリーチ出来ない潜在層までリーチ範囲を拡大可能→それによって流入母数を増やし、CV増加させたというような、簡単にイメージできるような流れではない模様・・・不思議。
まとめ
品質の良い完全一致キーワードでなく、フレーズ一致で拾ったほうが良化するとは目から鱗。ビッディングの妙によるものというか、まさにAIならではの動きといえるのではないでしょうか。本記事用のデータを取得した時期から現在まで、全体CPA8,000円程度を維持しており順調です。
原理はブラックボックスながら、自動入札の説明にある「成果が見込める場合には入札を引き上げ~」といったくだりが実現されていました。こういう「定石を敢えて外すような対応」は人間の思考ではなかなか難しいのではと思います。
※無理やり考えると、想定クリック率あたりが関係しているのでは
引き続き、進化するテクノロジーをうまく使いながら、より良い運用を目指します。