前置き
日々の運用、お疲れ様です。
今回は、GoogleAdwords【オークション分析】を利用して、分析・運用してみた件をお伝え致します。
「GoogleAdwordsのオークション分析とは、なんぞや?」という方は、以下、弊社過去記事をご参照ください。
●オークション分析、ちょっと知っておきたい注意点
●オークション分析、その概要と使いかた《Google AdWords》
●オークション分析レポートの使い方【Google AdWords】
この【オークション分析】とは、何ができる機能かというと、端的に「そのアカウントが属する業界の競合他社との比較が、キーワード単位でできる」というものです。
当該機能に関しては、いくつか注意事項が有りますので、上記記事をご参照の上、利用していただければと思います。
では、事例に入ります。
事例
以下は、5月から6月にかけての、とあるGoogleAdwordsアカウントのキャンペーン管理画面です。
赤枠のキャンペーンαにおいて、コンバージョンが、5月から6月にかけて、減少傾向となっております。
このキャンペーンは、当該アカウントにおいて、主力のキャンペーンとなる(つまり、最も効率的にコンバージョンを獲得できる)為、今回のコンバージョン減少は、アカウントに対して、非常に大きな影響を与えます。
その為、赤枠のキャンペーンαに関して、詳細分析を行いました。
以下画像は、キャンペーンαの、広告グループ管理画面です。
こちらの画像の通り、一部の広告グループにおいて、5月から6月にかけて、コンバージョンが減少しております(青枠2つ)。
また、5月のクリック単価(CPC)と6月のクリック単価(CPC)を比較すると、ほぼ同じ金額であるにもかかわらず、クリック率(CTR)が、2%程度低下していることもわかります。
その為、何かの影響により、クリック率(CTR)が低下した為、コンバージョンが減少していると仮定しました。
さらに、細かく見ていく為、広告グループAを分析していきます。
以下画像は、キャンペーンαの、広告グループAの、キーワード管理画面です。
当該広告グループは、1広告グループ1キーワードを基本構成としておりますので、1つのキーワードが格納してあります。
また、当該キーワードは、単体キーワードの完全一致です。
このキーワードに対しては、広告文が1本のみ設定されておりますので、広告文の設定変更等による影響はなさそうです。
その為、今回の本題である【オークション分析】を利用しました。
以下画像が、当該キーワードの、オークション分析画面となります。
この画像でも、既にお分かりかと思いますが、一部の競合他社の「上位掲載率」が突出して、高いことがわかります(赤枠)。
ここで、「上位掲載率」とは、当該アカウントの広告が、インプレッションを獲得した時に、 その広告よりも、他の競合他社の広告がページの上位に掲載された割合のことです。
つまり、今回のキーワードにおいて、競合他社①が、入札強化等により、ほぼ1位での掲載となっていた結果、キーワードのクリック率(CTR)が、クリック単価(CPC)の割に、低下してしまったと考えられます。
さらに、このオークション分析を、月別に分割しました。
こちらの画像の通り、競合他社①の「上位掲載率」が上昇しており、また、「優位表示シェア」が低下しております(赤枠)。
※「優位表示シェア」とは、競合他社の広告よりも、アカウントの広告が上位に掲載されたか、 そうした広告が掲載されずにアカウントの広告が掲載されたオークションの割合のことです。
つまり、競合他社①の「優位表示シェア」が低下している為、この競合他社①により、5月から6月にかけて、上位での掲載割合を、奪われてしまったということを考えられます。
以上の分析から、当該キーワードの入札金額を上げて、上記の数値を改善に向けさせればいいのですが、ここで問題があります。
今回の案件の目標は、一定のコンバージョン単価(CPA)以内で、一定数以上のコンバージョンを獲得することです。
当時の時点では、当該キーワードのコンバージョン単価は、10,000円を超えており、目標コンバージョン単価をも、超えるキーワードとなっていました。
その為、これ以上の、当該キーワードに対する入札強化、及びご予算投下は、競合他社との関係性も踏まえながら、リスクが高いと判断し、不本意ながら、入札強化を取りやめました。
その代わりに、別のキーワードや、媒体(Yahoo・YDNなど)間でのご予算配分を変更しつつ、 なんとか、6月の目標を達成させた次第となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の事例は、良いパフォーマンスになったという事例では、残念ながらありません。
ただ、今回の件でもそうですが、リスティング広告は、リアルタイムで、盤面は動いており、 常に変化するものと捉えた方がいいと考えています。
変化している為、今回のようなこと(競合他社による入札強化により、CV・CPAのバランスが崩れる)がいつでも起こる可能性があるということです。
そういった場合、一旦、目標数値に立ち返り、急がず慌てず、冷静に現状分析することをお勧め致します。
今回の【オークション分析】のように、リスティング広告の管理画面上には、分析する為のツールがたくさんあります。
数値に変化が起こった場合、それまで触ったことのない機能を使って、分析してみてもいいかもしれませんね。