こんにちは。運用者の村松です。
リスティング広告を扱う中で「入稿作業」は必ず発生する業務ですが、数・種類が多くて大変なのが、キーワードの入稿作業だと思います。特に、入稿を覚えたての方にとっては、その「多さ」に圧倒されてしまうかもしれません。
例えば、「愛知県で注文住宅の工務店」をリスティング広告で宣伝したい時、メインキーワードに「注文住宅」、掛け合わせ語句に「愛知」「名古屋」といった地名キーワードや、「見積もり」「資料請求」「モデルハウス」といった一般的な語句での掛け合わせが考えられると思います。
これらを入稿する際に、もしも「注文住宅 愛知」「注文住宅 見積もり」と一個一個入力してからマッチタイプを選択していたら、凄まじい工数になってしまいます。また、メインキーワード・かけ合わせ語句が増えると、その分更に入稿数が増えます・・・!そして勿論、「手打ち」でやることで、打ち間違いや登録数の整合性に関してもリスクがあります。
そこで、Excelの関数を使って一気にキーワードの掛け合わせを構築して、作業効率をグ~ンとアップ・精度もアップさせましょう!もちろん、入稿について他にも良い方法は様々ございますが、今回の記事では①キーワードの掛け合わせ、②マッチタイプ、③除外キーワードの基本的な三点の効率化について、参考頂ければと思います。
キーワードの掛け合わせを構築して入稿しよう
手順としては、
- Excel関数を用いて「組み合わせ」を一気に作る!
- それをコピーしてエディターに登録
という流れになります。以下では、組み合わせの方法とマッチタイプの設定方法まで、ご紹介します。
キーワード登録の準備で使う関数
使うExcelの数式は以下3つのみです。
- アンパサンド【&】:数式内の要素を繋げる
- 絶対参照【$】:セルを指定する
- ダブルクォーテーション【”】:文字を入れる
まずは、メインキーワードをA列に入れ、次に掛け合わせ語句をB列に入れます(以下画像参照)。
そうしたら、C列に以下の数式を組み込んでください。
=$A$1&” “&B1
上記数式ですが、「$=セルA1は動かさないで!」「” “=半角スペースを文字として入力して!」といった命令を、&(アンパサンド)でつないでいるイメージです。ちなみに「$(絶対参照)」は、対象のセルを選択した状態でF4キーを一回入力すると、上記数式のようになります。
さて、実際に数式を入れると、以下画像のように列の下にこの数式をコピーするだけでC列に「メインキーワード×掛け合わせ」の結果がズラ~~ッと反映されます!
上記数式は、メインキーワードが増えた場合でも対応可能です。同じ列に繋げて数式を組む時は、参照画像のように数式を組んでみて下さい。
上記数式を踏まえた上で、Google,Yahoo!のマッチタイプの入稿方法の違いを見てみましょう。
Google,Yahoo!のマッチタイプ入稿方法の違い
GoogleとYahoo!では、互いにマッチタイプの入稿方法が異なります。
Googleのマッチタイプ指定
Googleのキーワード入稿では、角かっこ【 [] 】で括ると完全一致、ダブルクォーテーション【 “” 】で括るとフレーズ一致になります。絞り込み部分一致は該当語句の前にプラス【+】を付与することで、入稿することができます。
- 完全一致:[注文住宅 愛知]
- フレーズ一致:”注文住宅 愛知”
- 絞り込み部分一致:+注文住宅 +愛知
- 部分一致:注文住宅 愛知
Yahoo!のマッチタイプ指定
Yahoo!エディターで入稿する場合は、Googleのように記号をつけて入稿する必要はありません。絞り込み部分一致のみ、「+」記号を入力する点は同じですが、マッチタイプの指定は別の欄にあるため、一括入稿したい場合には、「掛け合わせた語句」+「次の列にマッチタイプを入力」すればOKです。
以上の媒体毎の入稿方法の違いがあるため、Google,Yahoo!でそれぞれ組む関数が異なります。それでは、実際にExcelの関数を使ってキーワード構築を効率的に行ってみましょう!
キーワードを入稿しよう!
キーワードを掛け合わせる関数、媒体毎のマッチタイプ入稿方法の違いについて、説明しました。それでは、その2つの要素を意識して、Excelでマッチタイプ付の掛け合わせ語句を構築し、エディターに入稿しましょう!
Googleのエディターから入稿する
上記で構築したキーワードの掛け合わせですが、Googleエディターではキーワードタブの「複数の要素を変更」をクリックしてペーストすれば、一括で入稿することができます。
ただ、これだと部分一致の入稿しかできません。そのため、完全一致・フレーズ一致・絞り込み部分一致も同時に一括入稿する場合は、以下の数式でキーワードの掛け合わせを構築しましょう。
- 完全一致:=“[“&$A$1&” “&B1&”]”
- フレーズ一致:=“”””&$A$1&” “&B1&””””
- 絞り込み部分一致(両絞りの場合):=“+”&$A$1&” “&”+”&B1
- メインのみ絞り込む部分一致:=“+”&$A$1&” “&B1
上記数式をC列に組んだら、同じく列の下にコピーし続けるだけです!
Yahoo!のエディターから入稿する
Yahoo!のエディターでキーワード・マッチタイプを入稿する際は、Google,Yahoo!のマッチタイプの入稿方法の違いの項目の説明通り、キーワードとマッチタイプは別セルで入力します。
- 完全一致:=$A$1&” “&B1
- フレーズ一致:=$A$1&” “&B1(※完全一致と一緒)
- 絞り込み部分一致(両絞りの場合):=“+”&$A$1&”+”&B1
- メインのみ絞り込む部分一致:=“+”&$A$1&” “&B1
以上のように数式を組み、マッチタイプは隣のセルで指定をして、エディターにコピー&ペーストすれば、入稿することができます。
キーワードを除外しよう
キーワードの入稿の次は、キーワード除外についてです。キーワード除外を行う際も、一括でマッチタイプまで指定して入稿したいですよね。以下に、数式と管理画面上の除外方法を紹介します。
Google広告でキーワードを除外する
上述の「入稿の準備で使う関数(Google検索広告編)」で紹介した通り、Googleで入稿をする際は完全一致、フレーズ一致、絞り込み部分一致などで用いる記号がありました。除外でも、同じような数式を組めば大丈夫です(以下参照)。
- 完全一致:=“[“&対象のセル&”]”
- フレーズ一致:=“”””&対象のセル&””””
- 部分一致:=対象のセルのみ
キーワード除外をする際には、除外したい語句をA列に、数式をB列に入れることで、B列にマッチタイプ付き語句を生成することができます。(以下画像参照)
生成された除外キーワードは、エディター左側「キーワードとターゲット設定」の「キーワード,除外」、「複数の項目を変更」で入稿できます。
また、以下のように管理画面上から除外キーワードリストを作成して、キャンペーンに適用することで、除外をすることができます。
1.ツールと設定の共有ライブラリから、「除外キーワードリスト」を選択
2.「+」ボタンをクリックし、リストの名前とキーワードを入力して保存
3.キャンペーンに適用
Yahoo!検索広告でキーワードを除外する
Yahoo!検索広告のエディターでは、キーワードタブの「対象外キーワード」に除外したいキーワードを入稿します。入稿の準備で使う関数(Yahoo!検索広告編)でご紹介した入稿方法と一緒で、除外キーワードを登録する際にも、①キーワードの列、②マッチタイプの列を作成→コピーして除外語句を登録します。
そして、Yahoo!検索広告もGoogleと同じく管理画面上からリストを作成することができます。
しかし、Yahoo!検索広告の場合、管理画面でのリスト除外をするときのマッチタイプ指定方法がGoogleと異なります。除外したい語句の前に、「完全一致,」「フレーズ一致,」と、マッチタイプの後に「カンマ【,】」をつけて設定する必要があります。そのため、以下の数式を組んで除外設定用のキーワードを作成する必要があります。
- 完全一致:=“完全一致,”&対象のセル
- フレーズ一致:=“フレーズ一致,”&対象のセル
- 部分一致:=“部分一致,”&対象のセル
Googleと同じく、A列に除外したい語句、B列に上記数式を入力することで、除外語句がズラーッと並びます。以下、管理画面でリストを用いた除外手順になります。
1.「ツール」タブ一番上「対象外キーワードリスト管理」を選択
2.「+対象外キーワードリスト追加」を選択
3.リストのタイトルと除外語句を入力して作成し、キャンペーンに適用
まとめ
いかがでしたでしょうか?
キーワードの入稿は、①キーワードの個数、②掛け合わせ(マッチタイプ)の種類、③除外キーワードと、入稿する数と種類が多く、初心者にとっては非常に大変な作業かと思います。勿論、掛け合わせ語句を生成するツールはありますが、まずはキーワード構成・入稿方法を理解した上で、業務に励みましょう!
ただ、冒頭で書いた通り「手打ち」は時間もかかるし精度も良くない・・・。そんな時、紹介した関数を用いて頂ければ、作業スピードアップ・精度アップ間違いなしなので、是非ご活用頂ければと思います。