みなさんこんにちは。5月以降テレビ会議商談だけでお申込みいただける事が増えてきて、営業活動効率化に喜んでいる北野です。(冷房環境&訪問移動無しの圧倒的効率感)
さて、今回は急成長ベンチャー企業の営業組織がハマりやすいインサイドセールス部門導入時の注意点について、経験則を基にご紹介いたします。
結論:インサイドセールス部門導入は正義
導入検討時は社内から
「自アポ自営こそ最高かつ至高!」
(※翻訳):「自分でリード対応してアポ入れて自分で営業するのが受注率考えても最強」という理論
という反対意見は出るでしょう。しかしリードの件数が増加していきつつ、商談数も受注数も増えていく状況下では分業による選択集中による効率アップは間違いありません。物理的に活動限界値が引きあがるのはもちろん、せっかくお問合せをしていただいた見込み顧客をお待たせする時間は1分でも1秒でも短い方が、「商談転換率」においても圧倒的に良しなんです。
「いやしかし受注率が…」
ご安心下さい!ちゃんと工夫すればほとんど受注率は変わりません。下手すると向上します。そのためにどのような工夫が必要なのかについての小ネタ集が本記事の本題となります。
インサイドセールス連携時の受注率アップを狙った心構え
早速いくつかの心構えをご紹介いたします。インサイドセールスというお仕事そのものは業種・サービスによって幅広い職域がありますので、今回は法人向け広告商材のセールスという前提でお読みいただければと思います。
①電話は入電だったのか、架電だったのか?
商談へと繋がったその案件は、自社にお電話が入って獲得したアポなのか、リードに対して自社から電話して少しお話した結果としてアポになったのか、もしくは中長期的なコミュニケーションで時間を掛けて商談に繋がったアポなのか、によってフィールドセールス側での商談の展開方法に違いが出てきます。
違いが出る理由としては、インサイドセールス部門の評価方法も影響していたりするのですが、特にアルバイトや派遣の方々で構成されているよくあるインサイドセールス部門は、時給上げるために華麗なトークなでけっこうゴリっとアポをねじ込みます。むしろその辺の営業マン社員よりもアポ獲得スキルはそういった方々の方が優秀だったりします。
最終的に顧客側から会いたいと言われたアポイントと、ゴリっとねじ込んだアポイントのどちらなのかが分かれば対策は立てやすいのですが、物凄く受け身な顧客で相槌しか打たない方も一定数いらっしゃるので、そうなった場合は突発的入電なのか、リードからの架電なのか、という要素を重視して商談の展開を考察します。分かる方には分かると思いますが、突発入電からのアポの方が確度が高いケースが多いため重要な情報となります。
②リードは自社メディアだったのか、他社メディアだったのか
商談へと繋がったその案件は、自社が運営しているメディアからのリード発生なのか、他社が運営しているメディアでのリード発生なのか、が分かるようにしておきましょう。
アポに発展してるならばアツさ(確度)は一緒では?と思う人もいるかもしれませんが、まったくもってアツさが変わります。
商談時の展開方法を工夫して初めて同等のアツさに育てることが出来るようになるので、この情報も分かるようにしておきましょう。
③リードの種類は相談形式リードだったのか、特典目的だったのか
商談へと繋がったその案件は、相談形式リードから発生したのか、「無料〇〇」や「事例〇〇」などの特典系リードから発生したのかが分かるようにしておきましょう。
アポに発展してるならばアツさ(確度)は一緒では?と思う人もいるかもしれませんが・・・(以下省略)
商談時の展開方法を工夫する事で初めて同等のアツさに現場で育てていけたりしますので、この情報も分かるようにしておきましょう。
④インサイドセールス担当者からの提供情報の精査
商談へと繋がった案件の情報をインサイドセールス担当者からパスをいただく際、その情報は
- お問い合わせフォーム本文に見込み顧客自らが記入した情報
- お電話口でお客様から口頭で聞いた情報
- お電話口でお客様から口頭で聞いた情報から予想される情報
の、どれなのか、分類出来るようにしておきましょう。
100%間違いない情報と参考程度に留める情報とで分けて想定しておくことで、商談現場で不測の事態(聞いてた話と違うよ!系)が発生しても焦ることなく対応できます。
特に相談形式系リードのフリーテキスト欄は一字一句がアツい情報の宝石箱ですので信頼度AAA情報になります。最低限その情報に対する準備は完璧に仕上げて商談に臨みましょう。
⑤インサイドセールス担当者の練度を理解して精査
これはご紹介すべきかどうか10秒程度悩んだネタとなりますが、前述した
- お問い合わせフォーム本文に見込み顧客自らが記入した情報
- お電話口でお客様から口頭で聞いた情報
- お電話口でお客様から口頭で聞いた情報から予想される情報
の情報信頼度の分類について、その案件をパスしてくれたインサイドセールス担当者の練度に応じてこっそりと対策をカスタマイズしましょう。
例えば、当社最強のインサイドセールスのRさんからのパスであれば、
・お問い合わせフォーム本文に見込み顧客自らが記入していただいた情報
→信頼度AAA(トリプルエー)
・お電話口でお客様から口頭で聞いた情報
→信頼度AAA(トリプルエー)
・お電話口でお客様から口頭で聞いた情報から予想される情報
→信頼度AAA(トリプルエー)
となりますが、もし新人さん経由のパスであれば3つ目の情報は参考程度、2つ目の情報信頼度は半々、としておくのが良いかもしれません。
これは表立ってオフィシャルな動きでやってしまうと波が立つので、フィールドセールス営業マン同士でコッソリと理解して精度を高めましょう笑
⑥ここまでのお話を理解した上での上級レベルロープレ
インサイドセールス部門の導入後、新しいロープレ方式を導入して新人育成を行いましょう。
初級ロープレは今まで通りで構いませんが、独り立ち間際の上級ロープレでは「商談相手の仮想設定」に、前述した「入電or架電」、「リード種別」、「ねじ込みアポ or リード時点で来社希望アポ」
などの情報を加えることで、トークを変化させていくトレーニングも行いましょう。
余談:上記ロープレをしないとどうなるか?
駆け出し営業マンに上長が営業同行(補佐)した際、
「(技術的な)事で悩んでいる。まずは解決策を聞きたい。サービス説明などは後回しで良い」
という情報提供的アプローチからニーズを高めていくべきアポイントのお相手に対して、
「この度は弊社サービスへのご発注を検討されている、ということでありがとうございます!」
というアポイント確度A(見込高)用のテンプレ冒頭挨拶をしてしまい、開始10秒で私に強制バトンタッチとなった商談があったとかなかったとか。ちょっとポジティブすぎる挨拶なのでミスマッチですよね笑
※このお話はフィクションです
さらに先のステップ:インサイドセールス部門の営業力強化
ここまではインサイドセールス部門の立ち上げ期に起きやすい問題の解消方法小ネタでした。それ以降で目指していくべきところはやはり、
「アポに繋がっているんだからどういった発生源、折衝を経由していようが確度は一緒」
という状況です。その状況を作ることが出来ればフィールドセールス側では特別なスキルがなくとも簡単にクロージング出来るようになっていき、その企業はパラダイスなゴールドラッシュシーズンに突入すると思います。
ではどのようにインサイドセールス部門側での商談確度を高めていくべきか、については専門家ではない私には分かりませんが、一つ確実だと感じているのはフィールドセールスからの結果報告のフィードバックです。立ち上げから早い段階で完全にインサイドとフィールドを完全分離して縦割りのお隣さん組織にするのではなく、物理的に座席を近くしたり、仕組み的に商談結果が簡単に閲覧できるようなツールを導入するなどしてインサイドセールスとフィールドセールスの間に太いパイプを設けておくことが大切だと個人的には考えています。
まとめ
いかがでしょうか。
確かに小さな規模で見れば「自アポ自営こそ最高!」ではありますが、大量のリード、大量の商談が発生している急成長企業であれば、活動限界を突き抜けるにインサイドセールス部門は間違いなく必須だと思います。少数精鋭時代への回顧はそろそろ思い出にして、事業拡大にマッチした体制に対して前向きに捉え期待と希望とモチベーションを高めていきましょう。
以上、少しでも共感が得られたら幸いです。