「納期までに仕事が終わらない、ヤバイ」
納期まで余裕のある仕事だったが、気づいたら納期は明日。余裕で間に合うはずだったのに、なぜだ。このような経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか?
結論からいうと、仕事の着手が遅い可能性が高いです。納期間近になってから頑張る「ラストスパート思考」から脱却する必要があるかもしれません。
今回はパソコンの「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」などを現在の形にしたことで知られる、元マイクロソフトの伝説プログラマー中島聡さんの著書「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」で紹介されていた、効率的に仕事を終わらせる「ロケットスタート時間術」を紹介します。
納期までに仕事が間に合わないことが多い方の参考になればい幸いです。
1. ロケットスタート時間術とは端的に説明すると、納期までの日数の2割で仕事の8割を終える術
ロケットスタート時間術とは、端的に説明すると「期限までの日数の2割で仕事の8割を終えること」を重視した術です。つまり仕事に早く取り掛かり、早めに進める「常に締め切りを守れるような仕事の仕方をする」ということです。
8割完成を資料作成を例とすると「資料は一通り完成しており、あとはデザインの調整、データの整合性・誤字脱字の確認」くらいの感覚でしょうか。
当たり前のような内容ですが、多くの人が「最初はのんびりしていても最後に頑張ればなんとかなる」と考える「ラストスパート思考」で仕事をしているため、納期に間に合わないと中島さんは提言しています。
私は夏休みの宿題を最後にやるタイプだったので、その通りだと本を読みながら痛感しました。心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
2. ロケットスタート時間術の3ステップ
ロケットスタート時間術は以下の3ステップで進めていきます。今回は広告代理店でよくある「報告書提出」を例にしてロケットスタート時間術の利用イメージを紹介します。
例:2/6に報告書作成の依頼をクライアントから頂く。「早めに」ほしいとだけ要望があった。
2-1. 仕事を爆速で着手して「絶対に」終えられる納期を導き出す
もらった仕事を爆速で着手し、どれくらい完成までにかかるかスケジュールを割り出します。そして「絶対に」終えられる納期を導き出します。
ex. 報告書作成の依頼をもらった「当日2/6」に作成に着手。2週間後の2/20には確実に提出できると把握。
2-2. 最初の2割の期間をスケジュールの見積もり期間とするが、実際には仕事量の8割を終える
納期を見積もった後、その2割の期間をスケジュールの見積もり期間として報告します。しかしこの2割の期間で仕事を「8割完成の状態」まで持っていきます。
ex. 2/20には提出できると想定できるが、2割の期間である「2/9まで」をスケジュール見積もり期間として報告。しかし2/9までに報告書の8割作る。
2-3. 残り8割の期間で余裕を持って品質を高めて完成させる
残り8割の期間で余裕を持って品質を高めて完成させます。
ex. 2/10以降は報告書のデザインや根拠の整合性など細部を整えて品質を高め、完成させる。
3. ロケットスタート時間術を実施する際の2つのポイント
ロケットスタート時間術を実施する際に気をつけるべきポイントを2つ紹介します。
3-1. 最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、納期調整の提案をする
納期の2割の期間でほぼ完成まで持っていけなかった場合は納期の提案をしましょう。終わる見通しが立てられない場合は納期を後ろにずらす必要があるでしょう。
ただし書籍の内容は「絶対に」納期を遵守する必要のあるプログラム開発が元です。弊社のような広告代理店などの業務においては、最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、納期調整の提案をするのは少し早すぎるかもしれません。
3-2. マルチタスクをしない
最初の2割の期間は全力で仕事に集中するため、マルチタスクはするべきではありません。可能な限り1つの仕事に集中できる環境を作ることの望ましいです。
まとめ
ロケットスタート時間術とは、端的に説明すると「期限までの日数の2割で仕事の8割を終えること」を重視した術です。
「最初はのんびりしていても最後に頑張ればなんとかなる」と考える「ラストスパート思考」で仕事をしてしまう時があるため、とにかく早めに仕事を着手して、早めに完成させる習慣をつけるべきだと感じました。