Instagramは、世界中の人と画像や動画を共有できる人気のSNSです。日本でもアクティブユーザー数が3,300万アカウントを超え、若者世代を中心に広く普及しています。
そんなInstagram上に広告を掲載できる、Instagram広告が多くの企業から注目されています。
Instagram広告は、詳細なターゲティングと、Instagram特有の魅力的な写真や動画を通して多くのユーザーに自社の商品やサービスをアピールできることが特徴です。
本記事では、Instagram広告の出稿方法と出稿するときに必要なもの、注意点について詳しく解説します。
Instagram広告について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください!
【プロが解説】Instagram広告とは?特徴や可能なターゲティング、掲載フォーマットなどを解説
1.Instagram広告とは
Instagram広告とは、若者を中心に広がっている、写真・動画共有用のSNS「Instagram」に配信できるSNS広告です。
補足としてお伝えしておくと、Instagram広告はFacebook広告の配信面の一種です。下記のようにFacebook広告の配信面設定でInstagramを選択できます。
実は2014年2月にInstagramはFacebook社に買収されてからfacebookの傘下になっており、両アプリでデータが共有されているので配信面の1つになっています。そのためFacebook広告を配信しているのであれば、すぐにInstagram広告の配信が可能です。
2.Instagram広告のメリット3つ
Instagram広告のメリットは概ね以下3つです。
- 10代・20代の若年女性に配信しやすい
- ブランディングに適している
- BtoC商材の配信に使いやすい
それぞれ説明していきます。
10代・20代の若年女性に配信しやすい
若年女性に配信するならInstagram広告は外せません!
日本において57%の利用者が女性で18-29歳が67%を占めています。Instagramの国内月間アクティブアカウント数は2019年6月7日時点で3,300万を突破していることから、多くの若年女性がInstagramを利用しているといえます。
・参照データ
ニールセン デジタル:若年層女性のInstagramアプリ利用状況
Instagram:国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
ブランディングに適している
Instagramは写真や画像を投稿する媒体であるため、画面占有率が7~8割と他媒体と比べて高いです。そのためクオリティが高い、映える画像や動画を広告に利用することでブランディングに活用しやすい特徴があります。
無機質な素材だと期待できる効果が見込めない可能性が高いので、映える(パっと見て目立つ)素材を配信することが大切です。
BtoC商材の配信に使いやすい
Instagramはプライベート利用目的のユーザーが多いため、BtoC向け商材の配信に使いやすい媒体です。BtoC商材かつ10代20代の女性がターゲットであれば、ドンピシャでハマる可能性が高いので、一度配信してみることをおすすめします!
BtoB向けの場合には、問い合わせや購入といったダイレクトレスポンスよりも、ブランドイメージの向上などを目的として行うことが多いです。正直なところディスプレイ広告などの他媒体のほうが効果的なことも多いので、媒体選定から見直すのも視野に入れておきましょう。
3.Instagram広告の掲載面
Instagram広告の掲載面は、大きく6つあります。
ここでは詳細を割愛しますので、以下の記事を参考にしてください。
Instagram広告の種類は6つ!特徴や選ぶべきポイントを解説
種類 | 特徴 |
ストーリーズ広告 | 画面いっぱいに表示される広告 |
写真広告 | 画像1枚+テキストで構成されている広告 |
動画広告 | 映像で訴求する広告 |
カルーセル広告 | 1つの広告につき10つの画像や動画が配信できる広告 |
コレクション広告 | カタログの様なフォーマットの広告 |
発見タブ広告 | 発見タブの特定の投稿内へ配信できる広告 |
4.Instagram広告の出稿は6ステップでできる!
Instagram広告の出稿手順は、以下の6ステップです。
- ビジネスマネージャーのアカウントを作る
- FacebookページとInstagramアカウントを連携する
- 広告キャンペーンを作成する
- 広告セットを設定する
- 広告を作成する
- 広告を出稿する
手順について、それぞれ詳しく解説します。
①ビジネスマネージャーのアカウントを作る
Instagram広告を出稿する際は、Facebook広告と同様にビジネスマネージャー(広告管理画面)を使用して設定します。
ビジネスマネージャーのアカウント作成方法について順番に解説します。
まずは、business.facebook.com/overview にて「アカウントを作成する」をクリックします。
ビジネス名、名前、仕事用のメールアドレスを入力して、「次へ」をクリックします。
入力したメールアドレス宛に認証リンクが届きますので、クリックしましょう。そして、表示されるポップアップの「完了」をクリックします。
ビジネスマネージャーのビジネスホームに遷移します。
赤枠の「ページ」から「ビジネス設定へ移動」をクリックして、Facebookページを作成しましょう。
ビジネス設定画面に移動したら、左側の「ページ」を選択します。
赤枠の「追加」からスクロールし、「+新しいFacebookページを作成」をクリック。
Facebookページ名と、カテゴリを選択し、「Facebookページを作成」をクリックします。
ここまでが、ビジネスマネージャーアカウント及びFacebookページの作成についてです。
表示されたページは、ご利用中のブラウザでブックマークし、いつでもログインできるようにしておくとよいでしょう。
つぎに、FacebookページとInstagramアカウントと紐付けを行います。
②FacebookページとInstagramアカウントを連携する
広告を配信したいInstagramアカウントをプロアカウントに変更し、Facebookページとの紐付けを行いましょう。
連携は、Instagramアプリから紐付ける方法とブラウザでFacebookページから紐付ける方法の二つあります。
今回は、先ほど作成したFacebookページからの連携方法について紹介します。
まずは、ビジネス設定画面左側の「Instagramアカウント」から追加をクリックします。
もしMeta Business Suiteから開いた場合は、左下にある歯車マークの「設定」から「その他のビジネス管理」をクリックするとビジネス設定画面に移動できます。
「Instagramアカウントを連携」のポップアップが表示されますので、下にスクロールし、「Instagramアカウントをリンク」をクリックします。
連携したい(Instagram広告を出稿したい)アカウントのIDとパスワードを入力し、ログインします。
「ログイン情報を保存しますか?」というポップアップ表示されますので、「情報を保存」をクリックすると、ビジネス設定画面に戻るので、「完了」をクリックします。
これでFacebookページとの連携が完了します。
③広告キャンペーンを作成する
Meta Business Suiteから「すべてのツール」を選択し、「広告マネージャー」をクリックします。
広告マネージャーに遷移します。
左上の「+作成」ボタンをクリックすると、広告入稿の手順に進むことができます。
選択できるキャンペーンの目的は、以下の6つです。
- 認知度
- トラフィック
- エンゲージメント
- リード
- アプリの宣伝
- 売上
これら6つにカーソルを合わせると、より細かい目的を確認できます。例えば、トラフィックの場合は、「リンクのクリック」「ランディングページビュー」に最適です。
「キャンペーンの目的」を選択し、次へをクリックすると、キャンペーンの設定画面に移動します。
画像に記載している番号に従い、順に説明していきます。
①:キャンペーン名
任意の名前を設定します。
②:カテゴリ
カテゴリでは、以下のような特別な広告カテゴリに含まれる商材の場合、事前に選択する必要があります。
- カードローンの配信
- 雇用にかかわる配信
- 社会問題
- 選挙についての配信 など
選択をせずに配信した場合、広告の審査落ちに繋がるため注意しましょう。
③:A/Bテスト
クリエイティブやターゲティングをABテストする際に使用します。
④:キャンペーン予算の最適化
キャンペーン予算を設定します。
オフのままだと、際限なく広告費が使用されてしまうため必ず「オン」にしましょう。
予算の設定方法は「1日の予算」と「通算予算」の2つから選択可能です。
通算予算で配信する場合は、配信の終了日を決める必要があります。もし終了日が決まっていない場合は、1日の予算を選択します。
また、「Advantageのキャンペーン予算」は、予算最適化の機能です。
ターゲットが複数考えられ、「広告セット」を複数使う場合には、オンにすることをおすすめします。
④広告セットを設定する
「広告セット」では、「ターゲティング」「配信面」「オーディエンス」などの設定をしていきます。また、必要であれば、広告セット単位の予算や広告の掲載期間の設定も可能です。
こちらも画像の番号に従い順に説明していきます。
①:広告セット名
任意の名前を設定します。
②:コンバージョン
トラフィックを増やしたい場所を選択します。
キャンペーンの目的によって、コンバージョンのポイントが変わりますので、どこをコンバージョンのポイントとするかによって、選択する箇所を変えましょう。
③:ダイナミッククリエイティブ
複数の広告見出しと画像を登録することで、ユーザーごとに自動的に組み合わせて配信される機能です。
④:オーディエンス
商品やサービスのターゲット層や、広告配信の目的からどんなユーザーに広告を配信したいのかを考えターゲットを設定します。
オーディエンスは大きく分けて以下の3つに分類できます。
オーディエンスの名称 |
概要 |
コアオーディエンス | ユーザーがアカウントに登録 している基本情報を元にタ ーゲティングが可能 |
カスタムオーディエンス | 自社が保有するデータを利 用して、お問い合わせなどの 成果につながりやすい顧客 や、既存顧客と行動パター ンが類似しているユーザーにア プローチできる |
類似オーディエンス | 特定のユーザー層と類似した行動パターンをとるユーザーを狙うターゲティング
自社に関心を示す可能性が高いと思われる層に配信する際に有用な手法 |
⑤:配置
今回は、Instagramに広告配信するので、「手動配置」を選択しましょう。
プラットフォームでInstagramを選択し、詳細な配信面を設定します。
⑤広告を作成する
いよいよ実際に出稿する広告を入稿していきます。
必要となるのは、以下の2つです。
- 写真(静止画)や動画などの「メディア」
- 広告文である「テキスト」
入稿した広告は、画面の右側のプレビュー表示で確認可能です。
Instagramにはメディアの中に20%以上テキストをいれてはいけないというルールがありますので、広告画像を用意する際は注意してください。
⑥広告を出稿する
ここまでの入稿作業を行い最後に、画面最下部の「広告を公開する」を選択すれば出稿が完了します。
下書きとして保存し、後日配信することも可能です。
5.Instagram広告を出稿するのに必要なもの
次に、Instagram広告を出稿するために必要なものは、以下の4つです。
- Facebookページ(Facebookアカウントが必要)
- Instagramアカウント(プロアカウント設定が必要)
- Instagram広告配信用の画像または動画
- 支払い用のクレジットカード
広告クリエイティブの推奨サイズについて、使用するフォーマットによって異なります。画像サイズを以下の表にまとめましたのでご参照ください。
画像の形状とアスペクト比(横×縦) |
最小解像度(単位:px) |
最大解像度(単位:px) |
正方形(1:1) | 600 x 500 | 1,936 x 1,936 |
横型(1.91:1) | 600 x 315 | 1,936 x 1,936 |
縦型(4:5) | 600 x 750 | 1,936 x 1,936 |
縦型(9:16) | 600 x 1,067 | 1,936 x 1,936 |
また、動画の推奨サイズは、以下のとおりです。
- 動画ファイルの最大サイズ:250MB
- フィードで表示できる動画広告の長さ:最大60分
6.Instagram広告を出稿する際の注意点3つ
Instagram広告を出稿する際の注意点は以下の3つです。
- Instagramアカウントなしで広告出稿する際のデメリット
- クリエイティブ制作は使い回しを前提としないこと
- 何の広告か分かるクリエイティブを制作する
それぞれ詳しく解説します。
Instagramアカウントなしで広告出稿する際のデメリット
Instagramアカウントをプロアカウントにしたくない場合は、FacebookページをInstagram広告のリンク先として使用できます。
しかし、Instagramアカウントを持っていない状態で広告配信を行う場合、次のようなデメリットがあるため注意が必要です。
- 広告に対してついたコメントに返信をすることができない
- フォローやいいねをもらうことができない
クリエイティブ制作は使い回しを前提としない
Instagram広告のサイズ形式はGDNやYDNなどで使われている一般的な広告サイズとは異なります。
そのため、基本的にはInstagram広告はインスタグラム専用という位置づけになり、広告クリエイティブは使い回しが効きません。
SNSユーザーがタイムライン上で広告を目にしたときに、少しでも違和感を持ってしまうとクリックから先のアクションを期待できなくなるでしょう。
Instagram広告で成果を出すためには、Instagramに最適化されたクリエイティブを制作することが大切です。
何の広告かわかるクリエイティブを制作する
実はFacebook・Instagram広告は、広告のバナーや見出しをAIが見て「どういう人に配信すべきか」を判断しています。
なので、バナーや見出しが「誰に向けての広告なのか」「そもそも何の商材・サービスなのか」がわからないと、狙いたいターゲットに表示されず、成果が悪くなります!
例えば、これは私がMeta社の担当者から聞いた話ですが、「ドーナツの広告」を出した際に、「丸のドーナツ」と「一部かじられたドーナツ」の2つでテストをしたところ、後者はドーナツと認識されず、前者のほうが効果が良くなったケースも公式の事例として発表されています。
なので、誰が見てもこの広告は「誰に向けて」「何の商材で」がわかるバナーや動画を作る必要があるので、注意が必要です!
4.まとめ
今回はInstagram広告の出し方や出稿に必要なもの、注意点について詳しくご紹介しました。
広告配信をスタートした後は、仮説検証をしたり分析をすることでPDCAを回し、コンバージョンの獲得といった広告効果の最大化に繋げていきましょう。