4月も折り返してもうすぐGW。皆さんお出かけの計画は済ませたでしょうか?
我が家は4泊5日で妻の実家へ帰省予定でしたが、急遽、私だけ留守番することになりました。
実は先日行ったお祭りで息子が金魚をすくって帰ってきまして、それはそれは大事に大事に飼育しております。
そこで、帰省中の餌やりは?という問題が出てきて、居残り候補としては私が最有力、というか一択でしたね。
ちなみにですが、金魚には名前を付けて可愛がっており、「こめな」「ここな」「ことち」「ことま」「はるこ」だそうです。
はるこ・・・「こ〇〇」縛りはどこいった??それにしても覚えにくい。。。
さて、今回はLPデザインを改善して配信したが、成果獲得率は従来のLPより低い結果となってしまった事例の紹介です。
これまで使用してきたLPでも成果獲得はできており、パフォーマンス自体に問題があったわけではないですが、長く使用してきたこともあり、一新したいということで用意されたものです。
したがって、記載内容自体に大きな変更はないですが、見た目、ページ構成などデザイン部分が大幅に変更となっております。
ぱっと見は、すごく見やすく、わかりやすくなったように見えるのに、なぜか成果獲得率は今までのLPに比べ低い結果となってしまったので、何が悪かったのか考察してみました。
新LPの検証実施
まずは案件概要と検証内容について。
案件概要
商材について
商材:経営者、事業主向けのセミナー募集
特徴:参加費無料/全国各地で定期的に開催
配信メニュー:ディスプレイ広告配信
成果:セミナー参加申し込み
これまでの実績(LP変更前まで月平均)
CV数:15~20件/月
CPA:10,000~15,000円
LPデザイン変更の経緯
以下のような意向があり、新デザインLPを作成することとなりました。
- リスティング広告のLPとして数年ずっと使い続けているものでマンネリを懸念
- 怪しいセミナー感を抑えて、クリーンなイメージにデザイン変更したい
- セミナーのメリットや雰囲気をより分かりやすくなるよう構成変更やセミナー風景の動画を追加
ちなみに、既存のLPについては敢えて「怪しいセミナー感」を出すことで、興味を持たせる意図もあったため怪しいセミナー感自体は悪い要素ではなく、クライアント様も認識しているものでした。
ただ、せっかくデザインを変えるなら今度はクリーンなイメージにしてみたいという意向で変更しております。
検証
今回は既存のLP差替えではなく、新たにページを用意したものなので、従来から使用しているLP(=従来LP)と新たに用意したLP(=新LP)の両方で配信して成果獲得率の検証しました。
検証方法
- 広告文など、リンク先LP以外の配信設定は同様
- 同等数のクリックを獲得した上で成果獲得率を比較
検証結果
ひと月分の配信実績となりますが、下記のような成果獲得率に差が見られました。
圧倒的に従来LPの獲得率の方が高いですね。
すっきりした印象とわかりやすいレイアウトになったはずの新LPにはどんな問題が考えられるのでしょうか。
要因分析
検証時の配信設定はLPデザイン以外は同じであるため、同じように広告流入したユーザーのLP内でのアクションに差が生じたものと考えられます。
では、改めてLPの構成を比較してみましょう。
LP構成比較
下記は今回のそれぞれの特徴をイメージ化したものです。
従来LPの特徴(新LPと比較して)
印象:怪しいセミナー感
わかりやすさ:訴求点が文章として並べられているだけで、ユーザーの気になるポイントが探しづらい
申込みやすさ:LPの尺の長さは短めで、セミナー日程や会場情報と申込みフォームまではすぐたどり着ける&随所で参加費無料であることを強調
成果獲得傾向:実績を強調した広告からしか成果獲得ができない
新LPの特徴(従来LPと比較して)
印象:クリーンなイメージ
わかりやすさ:訴求点が項目ごとに分けてわかりやすくレイアウトされており、動画などでセミナー雰囲気も伝わる
申込みやすさ:従来のLPに比べ尺が3倍に長くなっており、ページ最下部のセミナー日程や会場、申し込みフォームまで遠い&無料参加できることは控えめ
成果獲得傾向:悩み共感訴求軸やノウハウ伝授的な訴求軸などの実績強調以外での広告でも獲得できる
仮説
それぞれのLPの特徴を踏まえるとユーザーの思考パターンに下記のような違いがあるのではないでしょうか。
従来LPで申し込みに至るユーザー
あんまりよくわからないけど、なんとなく自分のためになりそうなこと聞けそうだし、参加費も無料だからとりあえず申し込んでおくか。最悪、無料だからキャンセルしてもいいし。。。
もしかすると、わかりにくいことや怪しいというマイナス要素がありはしたが、無料訴求が強いことが申し込みに対してのハードルをぐっと押し下げていたのかもしれません。
その一方、安易な申し込みであるが故、キャンセルや欠席、その後の案件化につながりにくい申し込みである可能性も高いそうです。
クライアント様にヒアリングをすると、やはり一部はそういったキャンセルがあったり、参加したがその後にはつながらないということは多いそうです。(リスティング含め全体的な傾向)
新LPで申し込みに至るユーザー
パターンA:自分にとって参考になる内容なんだろうか?わかりやすく記載されているけど、動画もあったりで全部目を通す時間は今無いな。。。またあとで検討しよう。
パターンB:よくよく見てみると、自分が想像してたのとちょっと違うな。。。無料とはなってるけど、無駄に行っても時間がもったいないしな。。。
パターンC:広告にも記載されてたように自分の悩みを解決できるかもしれない。サイトに記載されている内容を見てみると確かに有用そうだし、講師もしっかりしてそうだな。近日近くで開催されるから申し込んでおこう。
こちらは、従来LPのユーザーに比べると、しっかりセミナー内容を吟味して判断しているユーザーなのかもしれません。
ただ、吟味できるサイト構成であることで、検討時間が伸びてしまったり、吟味した結果、自分にとっては不要という判断で不参加という結論に至ってしまう事もあるのかもしれません。
一方で、すごく悩んでいる人が吟味した結果、自分にとって有益だと判断できるのであれば、次にもつながりやすいユーザーである可能性が高いかもしれません。
再検証
上記の見立てをお伝えしたところ、まずは安易な申込であってもセミナー申込みを獲得することが大事ということで、一旦は従来LPの配信ボリュームを増やして、新LPの配信ボリュームは抑え気味にすることになりました。
しかし、新LPが全くダメというわけではなく、申込みまでのハードルを下げるなどの改善の余地は大いにあると思います。
現段階でも新LP訪問者はしっかり吟味している可能性が高く、申込み行動までに時間がかかっている、もしくは検討したまま忘れているかもしれないので、新LPの訪問者に対してだけリマーケティングを実施してみました。
その結果、まだ2週間ほどでの配信ですが申し込みを2件獲得できました。ちなみに従来LPではリマーケティングを実施しでもまったく獲得ができなかった過去があるので、この仮説自体大きく外れていないのではないでしょうか。
まとめ
あくまで今回の事例においての仮説なので、他の案件でも同じような見立てができるとは限りませんし、現時点では今の仮説が正しいとも言い切れません。
大事なのは、配信結果に大きな差が生じていることがあれば、何かしら原因があると思います。
何かよくわからないけど、「良くなった」とか「悪くなった」で終わらせず、変化が生じたのであれば、そこに何かしらの要因が存在するはずで、仮説立てすることで解決に向けた検証や振り返りがしやすくなると思います。
その仮説が正解である必要はなく、その仮説に基いてアプローチを策定、実施、検証することで、より商材やそのユーザーとマーケットの動きなどを深く理解することにつながれば、成果獲得増加につながる解がその後見えてくるものかと思います。
運用型広告はこういった分析、検証がしやすい広告でもあるので、日々の運用が作業だけにならず、結果に対して「なぜ」「どうして」と追求できる運用者を目指していきたいと思います。