今年も残す所あと僅かとなり、朝夕が一段と寒くなってきましたね。
インフルエンザの季節が近づいていますが注射が大嫌いなので予防接種を受けなかった松原です。
これで感染したら戦犯レベルの扱いを受けることでしょう。
絶対に感染したくありません。
さて、今回は運用に失敗してしまうケース4選をお届けします。
1.成果目標の設定ミス
よくあるのはCV数とCPAの両方を目標に設定してしまうケースです。
CV数を伸ばし、その後不要な箇所を削って採算を合わせることでCV数もCPAも見合った費用対効果の高い広告にしていくことが可能であっても、最初から両方を目標に設定してしまうことでどちらも達成できなくなってしまいます。
また、CPCには相場があり商材によってシェアやニーズ、LTVも違います。
CPCの相場が1000円の商材でCPAを10000円に抑えるにはCVRは10%以上でないと達成できません。
適切な目標設定がされていないと達成不可能な目標に振り回されるだけになってしまい、そこから得られるものも無くなってしまいます。
対処
CPC、CVRなどの相場を知り達成不可能な目標値を立てない事です。
また、目標をころころと変動させる事も成果には悪影響です。
少し厳し目な目標を設定する場合は達成可能なプロセスとそれに掛かる適切な予算、時間も同時に設定することが必要です。
2.方針の未設定
ここで言う方針とは運用上のKPIです。
運用におけるKGIをCV獲得とするのであればKPIはその手前、CVに至るまでの運用が計画通りかを判断する指標です。
BtoB商材や家、車といった価格帯の高い商材、ニッチな商材は頻繁にCV獲得できるわけではありません。
そのためKPIを設定しておかないと現状の把握もままならず、PDCAを回すこともできなくなってしまいます。
仮にCV獲得があったとしてもその要因が分からず戦略的な広告運用が難しくなります。
一方、CVが頻繁に獲得できる商材であればCV獲得自体をKPIに設定しても良いでしょう。
その際のKGIは売上やLTVといったひとつ上のレイヤーを設定することで、広告効果を最大化していくことが可能となります。
対処
CVだけを追うのではなくその前の地点を意識して置くことが必要です。
これは仮定、想像力が重要になります。
ユーザーのサイト内での動きや心理状況を予想してKPIを設定します。
例えばお問合せがCVの場合、ただサイトの来訪だけでなくフォームのあるページへ到達したユーザーの方が問い合わせへのモチベーションは高いはずです。
その場合はフォームページへの到達をKPIに設定するといったものです。
上記のケースであれば分かりやすのですが一枚LPの場合などは工夫が必要になります。
3.効果計測の軽視
広告に付き物なのは効果計測です。
成果が可視化されているのはリスティング広告のメリットでもありますが、リスティング広告だけでは測りきれない効果もあります。
特に認知施策としてディスプレイ配信を行う場合は特に効果測定は重視されるものです。
街頭でのアンケート調査などの認知度調査やブランドリフト、意識調査はもちろん、顧客へのヒアリングによる満足度調査などはリスティング広告の管理画面だけでは分かりません。
インプレッションやクリックが多かったから認知が上がったはずという短絡的な結論は危険と言わざるを得ないでしょう。
そうすると成果(=CV)を認知施策の成否に据えがちですが、認知されたからといって直ぐに購買に繋がるほど消費者心理は単純ではありません。
効果測定は成果を出すために必要な行程だと言えます。
対処
成果測定を行うだけでなく、認知施策はすぐに成果に直結しないということを念頭に置いてKPIを設定すべきです。
認知が取れたら、メルマガの登録や会員登録、資料ダウンロードなどユーザーへ次のアプローチを行い、それぞれの過程で効果測定を行って長い目で顧客を育てていく事が重要になってきます。
4.ディスプレイ配信の乱用
リターケティング配信が上手くいっているアカウントで成果を落とす原因として見かけるのがインタレストやプレースメントなどのターゲティングによるディスプレイ配信の実施です。
リターゲティング広告もディスプレイ配信の一種ではありますが、一度サイトに来訪している見込みユーザーへのみ配信している点で新規流入を呼び込むターゲティング配信とは明確に違う手法の広告と言えます。
そのリターゲティングはサイト来訪ユーザーをリスト化し、そのリスト内のユーザーに配信しています。
特に何の対処もせずにターゲティング配信を行うと今までと全く違った客層のユーザーをサイトに来訪させ、今まで上手くいっていたリターゲティングのリストに客層の違うユーザーを大量に溜める事になります。
ユーザーは必ずしも広告を吟味してクリック、タップするわけではありません。
中には誤タップを誘発するサイトやアプリもあり、不要な流入を全て排除するのは現実的に不可能です。
更にターゲット配信のメリットは大量のユーザーへアプローチが可能な事ですが、その大量のユーザーの全てが購買意欲の高いユーザーであるとは限りません。
それどころか購買意欲の低いユーザーがほとんどでしょう。
それはターゲティング配信を行った際のCVRを考えればお分かりいただけるかと思います。
今まで購買意欲の高いユーザーに優先的に配信出来ていたリターゲティングがターゲティング配信を行う事で購買意欲の低いユーザーへの配信量が増え、広告利用額が同じであればCV数が犠牲に、予算を上げれば費用対効果が犠牲になります。
対処
対処としてはターゲティング広告からの流入ユーザーをリターゲティングで利用するリストから除外する事で回避が可能です。
一方、ターゲティングで集めたユーザーの全てがリターゲティングに利用できない訳ではありません。
上述のKPIに沿ったユーザーであればCVに対してのモチベーションは低くはないはずです。
そういったユーザーを大量に獲得するためには有用な配信方法でもあるため、配信の手法だけでなく、その後のリストの切り分けまで考えてプランを立てる必要があります。
まとめ
今回は施策上の話というよりもう少し大きな枠組みでの話でした。
しかしどういった施策を行うかというミクロな対策は目的、目標、方針といったマクロな枠組みが間違っていると何をしても達成できないという事態を招きかねません。
常に俯瞰して物事を見る事が出来る運用者になりたいですね。