前置き
日々の運用、お疲れ様です。
先日、とあるクライアントから、以下の様なご意見を頂いたことがあります。 運用者であれば、同様の経験があるかもしれません。
「指名検索広告でコンバージョンしているユーザーは、すでに自社名を知っているリピーターユーザーではないですか?新規顧客獲得をしたいので、一般ワードにしたほうがいいと感じるのですが・・・」
指名検索の必要性はこれまで何度も議論されてきていますが、今回は、新規ユーザーのコンバージョンという観点で考えてみたいと思います。
なお、今回の題材を、解析する具体的な方法として、GoogleAnalyticsを利用しています。
事例
GoogleAnalyticsにて、セグメントを、全てのセッションと新規ユーザーに設定し、
集客>キャンペーン>検索広告キーワード
集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード
からそれぞれ主要指名キーワードを幾つか取得し集計してみました。
全てのセッションと新規ユーザーそれぞれでの自然検索と指名検索広告をまとめました。
上記の画像の通り、コンバージョン率に有意差は認められませんでした。
ただ、今回は「指名検索流入ユーザーはリピーターでは?」という疑問ですので、その点を見てみます。
新規ユーザー/すべてのセッション= 4,744 / 30,485 =15%
やはり85%くらいがリピーターのようですね。。。
では、次に、自然検索と指名検索広告における新規率を比較してみます。
指名検索広告のほうが、セッション、コンバージョンともに新規率が高くなっています。 新規ユーザーは、広告で流入する傾向がリピーターよりも高いということが分かりました。
まとめ
今回のクライアントの要望は、「新規ユーザーを増やすため、指名検索ではなく一般ワードを強化したい」ということでした。
確かに、指名検索でも、リピーターが多いことが分かりましたが、同時に検索広告である程度の新規ユーザーがコンバージョンに至っていること、自然検索よりも新規率が多いことも分かりました。
さらに、指名キーワードは競合がおらず、クリック単価も低い状態です。
今回のように、指名検索の有意性に疑問を感じられる広告主様や、それに対応が必要な場面は多いと思います。今回は、新規顧客獲得における有用性を考えました。
新規ユーザーは、最初にディスプレイネットワークなどで流入し、後から指名検索を行うこともあると思います。
その場合、1番上に広告文と共に、指定したページURLに誘導するように設定してみたり、有効なリンク先URLがどれか、ABテストしてみたり、さらには、指名検索のみでは、どのようなニーズがあるのか、想定しづらい場合に、Googleの「サイトリンク表示オプション」などを利用して、複数のリンク先URLを用意し、ABテストしてみたり等。
自然検索ではできないことを、検索広告で利用することにより、指名検索の持つパフォーマンスを、 さらに、高めることができるのではないかと考えています。