今回は私がキャンペーンを分割する際の考え方を紹介させて頂きます。
リスティングのアカウントを構成している要素はキーワードや広告文などですが、全く同じキーワード、広告文を入れても同じ成果になるとは限りませんよね。
その理由は品質だったり、入札単価だったり季節要因だったりと様々です。
キャンペーンの構成もその内のひとつで、大きく成果に影響を与えたりします。
事例を交えながらキャンペーンの分割を行って運用した際の考え方を伝えられれば幸いです。
事例
LP制作を請け負うクライアント様で、売りたいものはLP制作。
CPCが高いため予算額自体は大きいのですが十二分と言うわけにはいかない業種です。
元々のアカウント
- 屋号キャンペーン
- 商材キャンペーン
はじめは大きくこの2キャンペーンでした。
屋号キャンペーンには会社名が、商材キャンペーンにはメインとなる「LP制作」を軸にしたキーワードが入っています。
屋号キャンペーン、商材キャンペーンともに全国に向けて配信していました。
成果
この時の成果は以下のとおり。(屋号では検索母数が少ないため成果数も少なく今回の話には関わらないため割愛します)
見ての通りCVが月によって安定していません。
この時には一日の上限予算にも達していたためスケジュール設定で夜間の広告配信を停止するなどの施策を行いましたが大きな改善はみられませんでした。
分析
成果のついていない地域を除外して予算を確保しようと分析を進めました。
その中で良い時と悪い時の状況を見比べると違いがある事に気づきます。
東京からのユーザーの方が圧倒的にCVに結びつきやすいのに、悪い時期はそれ以外の地域からのクリックで占められています。
キャンペーン分割
ここでキャンペーンを分割しました。
東京での入札比率を上げて配信量をコントロールする事も可能ではありますが、今回は下記の状況を作りたかったためキャンペーンを分割することにしました。
- 東京への配信で予算によるインプシェア損失を無くす
- それ以外の地域でも成果には繋がっているので別途最適化を図る
地域ごとの入札比率の上げ下げでは東京のユーザーに間違いなく配信させる事はできません。
また、入札比率を上げればCPCを上げるリスクにも繋がります。
その他の地域の入札比率を下げる場合でも同じく広告ランクによるインプシェア損失を生むリスクが生じます。
インプレッションシェアの損失を無くすためには一日の予算を大幅に上げれば良いのですが、それでは予算を使いきってしまいます。
一日の上限予算を司っているのはキャンペーンです。
つまり予算を東京とその他の地域で分けてしまえば予算を食い合う事はなくなります。
上述の状況を作るためには東京向けの配信キャンペーンを分割するのが最善だと考えた訳です。
成果
以下が成果です。
キャンペーンを分割する事で成果がある程度安定しました。
実は分割した際に予算も増加したため完全に同条件で検証できたわけではありませんが、CVが大きくバラついて毎月の成果に大きな差が出るという事はなくなりました。
4ヶ月でCVが19件だったアカウントが予算が増加したとは言え合計でCVが58件、毎月コンスタントにCV獲得できるようになったという点ではキャンペーン分割は効果的だったと思われます。
まとめ
今回の話はキャンペーンを分割しよう!という事が伝えたい訳ではありません。
施策を行うにあたって得たい状況を実現するために思案する事が運用なのだと思います。
リスティングはツールに過ぎません。
何が出来て何が出来ないかを理解し、どう使うかを考える事が成果に繋がるのではないでしょうか。