前置き
日々の運用、お疲れ様です。
今回は、少額予算の案件の運用に関して、成果を上げるために、運用者として、どのようなポイントに、気をつけた方がいいのか、事例を交えながら、お伝えしたいと思います。
なお、今回の少額案件とは、以下の様な案件を対象としています。
- 月額ご予算:10万円前後
- 商圏:市区町村レベル
- 業態:医院、飲食業、整骨院など、地場に根ざした事業を展開されている。
事例
今回、題材となる案件は、以下の様なクライアントとなります。
【基本情報】
- 月額ご予算:3万円前後
- 商圏:一部の市区町村のみ
- 業態:医療系
当該クライアントは、リスティング広告を実施する以前の、月間の問合せ数は、2、3件ほどで、リスティング広告の運用を皮切りに、月間9、10件ほどの問合せが欲しいという目標をお持ちでした。
以下は、運用1ヶ月目・2ヶ月目・3ヶ月目・4ヶ月目・5ヶ月目の問合せ数の推移です。
【問合せ数推移】
1ヶ月目:3件
2ヶ月目:4件
3ヶ月目:9件
4ヶ月目:10件
5ヶ月目:9件
運用1ヶ月目・2ヶ月目は、問合せ数が鳴かず飛ばずという状況となりましたが、3ヶ月目より、目標数値に到達しています。
では、3ヶ月目に、どのような運用をしたのでしょうか?
3ヶ月目にしたことは、「クエリ(検索語句)データの分析」と「調整」のみです。
それでは、どのように、「クエリ(検索語句)データの分析」を行い、「調整」したのか、見ていきます。
以下は、運用1ヶ月目・2ヶ月目の、Googleの「クエリ(検索語句)データ」を、分析用に抽出したものです。
今回のデータ分析の肝は、「キーワード(=クエリ)をカテゴライズ(=分類)」するということです。
上記の画像中に、「軸kw_No1」「軸kw_No2」「カテゴライズkw_No1」「カテゴライズkw_No2」「カテゴライズkw_No3」等と追記していますが、以下の様なルールを元に、追記しています。
●軸kw:クライアントの商材・サービスを、ダイレクトに表しているキーワード
→つまり、りんご通販サイトであれば、kw「りんご」などが、それにあたります。
●カテゴライズkw:クライアントの商材・サービスを、ダイレクトに表しているものではなく、その掛け合わせとして出現したキーワード
→
つまり、りんご通販サイトであれば、kw「通販」などが、それにあたります。
●No1、No2など:キーワードの性質を鑑みて、アクションしやすいであろう順番で、優先順位を付けたもの
→
つまり、No1とつけたクエリ(検索語句)は、他のキーワードよりも、多く集客をしていきたいキーワードとなります。
●カテゴライズの方法: 上記の「カテゴライズkw_No1」「カテゴライズkw_No2」は、全てがユニークというわけではありません。
→
つまり、例えば、以下のように、キーワードの性質により、まとめています。
「カテゴライズkw_No1」:通販、販売、購入 etc
「カテゴライズkw_No2」:比較、口コミ、評判 etc
このようなルールの元、上記の画像中のデータをまとめてみたもの(Excelのピボットなど利用)が、以下の画像です。
この画像からもわかるように、運用1ヶ月目・2ヶ月目では、クエリ(検索語句)をベースに見ると、最も集客を伸ばしていきたいと考えられる「カテゴライズkw_No1」からのクリック数が少なく、次点の「カテゴライズkw_No3」からのクリック数が、最も多い結果となっていました。
つまり、キーワードをベースに、ターゲットとなるであろうユーザーを取り逃がしている可能性が高いということです。
その為、「カテゴライズkw_No3」に属するキーワード(広告グループ)の入札金額を下げて、逆に、「カテゴライズkw_No1」に属するキーワード(広告グループ)の入札金額を上げて、調整してみた結果が、以下の画像となります。
思惑通り、「カテゴライズkw_No1」からのクリック数、つまり、集客数が伸びてきました。
また、この調整による影響なのか、前述の通り、3ヶ月目から、問合せ数も増加傾向となっております。
4ヶ月目・5ヶ月目も同様の視点で、調整した結果、問合せ数が目標数値に到達している為、この調整により、ある程度の影響を与えていると想定出来ました。
※注意※
どんなに少額であっても、クエリ(検索語句)データは、膨大となります。 その為、1つ1つのクエリ(検索語句)を、カテゴライズするわけではなく、例えば、「クリック数が●以上あるもの」などのように、条件を加えて、分析してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の考え方は、単に、少額案件だからやること、というよりも、リスティング広告の案件の運用においては、非常に、重要な考え方・データの見方の1つと考えております。
特に、少額案件の場合、月間に投資できる金額に制限があり、思うように、集客数が伸びない場合があります。
その為、今回のようなデータの見方を行い、ターゲットとなるユーザーの集客を、適切に増やすことができるよう、キーワード(クエリ)をベースに、ご予算投下の最適な使い方を模索する運用をしてみてもいいかもしれませんね。