前置き
日々の運用、お疲れ様です。
今回は、GoogleAdwords「動的検索広告(DSA)」を、ちょっと発想を変えて、有効活用してみた件をお伝え致します。
まず、「動的検索広告(DSA)」とは、なんぞや?という点に関しては、以下、弊社過去記事をご参照ください。
端的に、「動的検索広告(DSA)」の機能を説明すると、 「Googleがクロールし、インデックスしている広告主サイトの情報に基づいて、関連性の高いキーワードに対して、自動的に広告文を表示させる仕組み・広告メニュー」 となります。
それでは、事例紹介に行きたいと思います。
事例
以下の画像は、とあるクライアントの、とある期間の、GoogleAdwordsアカウントです。
既に、動的検索広告を利用したことのある運用者の方、もしくは、上記弊社過去記事をご覧頂いた方は、お気づきかもしれませんが、通常の検索広告(画像中では、「通常検索_No1」「通常検索_No2」)の、クリック単価(CPC)と比較しても、動的検索広告のクリック単価(CPC)は、非常に低く抑えて、運用できていることがわかります(赤枠の部分)。
「クリック単価を低く抑えて、運用できている」理由として、表示回数(IMP)が、通常の検索広告よりも、およそ10倍近く多い為、必要以上に、入札金額を上げずとも、クリック数を増やすことができる為と考えられます。
「表示回数(IMP)が、通常の検索広告よりも多い」理由としては、先の弊社過去記事からの引用として、以下が理由になるかと考えられます。
3語以上の検索クエリの占める割合は? ⇒54%
過去6ヶ月に検索されたことのない新規検索クエリの占める割合は? ⇒20%
完全に一致するキーワードのない検索クエリの占める割合は? ⇒70%
つまり、通常の検索広告が、リンク先の対象となるサイトコンテンツを鑑みて、「ユーザーは、こんなキーワードで検索し、サイトに誘導すれば、アクションするだろう」と想定されるキーワードを入稿・運用しますが、その場合では網羅できない「未知のキーワード」を、動的検索広告は、サイトコンテンツに基づいて、広告表示をさせることができる為、通常の検索広告よりも、表示回数(IMP)が多くなると想定されます。
少し前置きが長くなりましたが、「なぜ、今回のアカウントに対して、動的検索広告(DSA)を利用しようと思ったのか」、その理由をお伝え致します。
今回のクライアントは、新規でサイトを開設・更新(SEO増強の為)しており、リスティング広告運用の初期段階では、自然検索からの流入がままならず、売上の上がる経由は、ほぼ全てリスティング広告からのものでした(クライアント談)。
2,3ヶ月後、クライアント自身で、サイトコンテンツの更新を継続し、SEO増強の甲斐もあり、売上の上がる経由が、リスティング広告を抜き、自然検索からのものとなりました(クライアント談)。
このタイミングで、クライアントからの依頼として、「自然検索からの流入が安定しているから、リスティング広告を停止したい」というものでした。
「売上・利益を上げるための予算配分(工数配分)の最適化」という観点からすると、自然検索(SEO)からの売り上げの割合が多く、また、そちらの予算(工数)を割いた方が効果的ということであれば、無理やり、リスティング広告を続ける必要性もないと考えた為、その依頼を受諾しました(ただし、一旦停止というステータスで)。
その1,2ヶ月後、同じクライアントから連絡がありました。
「自然検索(SEO)からの流入が激減し、売上を確保できなくなった為、リスティング広告を再開したい」 というものでした。
どのようなSEO対策をしていたのか、詳細は不明ですが、検索エンジン(Google)から、何かしらの理由により、ペナルティを受け、自然検索の掲載順位が、軒並み低下し、自然検索からの流入が、ほぼなくなったそうです。
この再開依頼のタイミングで考えたこととして、「(ペナルティを受けたとはいえ)これまで、増強してきたサイトコンテンツを、リスティング広告の運用において、有効活用出来る方法はないだろうか」という点です。
この点、自然検索(SEO)も、動的検索広告(DSA)も、インデックスされたサイトコンテンツに基づいて、検索結果に表示させるという仕組みは、同じです(それが、広告枠なのかどうかの違いだけです)。
その為、今回のクライアントにおいて、「動的検索広告(DSA)」を利用しようと思い立ったわけです。
利用・運用した結果、今では、自然検索経由で、好調に売上を伸ばしていた時期と、同等か、それ以上とのことです。
ちなみに、今も、自然検索の掲載順位は、低いままのようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
運用者として、長く身を置くと、「SEOとリスティング広告は、どちらをやった方がいいの?」というような質問を、よく受けます。
今回の事例を通して、お分かりいただけたかと思いますが、「SEO」と「リスティング広告」は、メリット・デメリットを考慮し、お互いに補完しあう関係にあると考えられる為、「どちらか」よりも「どちらも」行い、目標に向けて、お互いを高め合う仕組み作りをした方がいいと思っています。 「SEO」も「リスティング広告」も、目標売上・利益を達成させる為のツールでしかない為、広い視野をもって、取り組んだ方がいいと考えています。