皆様、あけましておめでとうございます。
今年もカルテットコミュニケーションズをよろしくお願いします。
さて、今回はリーセンシー(期間)によるCVの違いを実際のデータを交えて検証したいと思います。
検証
過去の記事で広告接触からの期間がCVに影響を与えるという話はしてきました。
その期間は商材によっても違うため必ずしも決まった値という訳ではありません。
検討期間の短い商材であればリーセンシーも短めに設定する必要がありますし、長いのであれば短すぎる期間設定ではCVに繋がりにくいかもしれません。
また、リピート商材の場合はリピートまでのサイクルを考えてリーセンシーを設定する必要が出てきます。
全てに於いて言えるのは自社の商材の特性をしっかりと把握する事が最も重要だという事です。
実データ
上図はリーセンシーで分割したリマーケティングリストです。
検討期間が短い商材のため、接触からの期間が早い段階で細かめにリストを分割しています。
- 0~5日(5日間)
- 6~15日(10日間)
- 16~30日(15日間)
リストのサイズは最初の5日間で160とリマケ配信をするには結構ギリギリな数になっています。
サイトへの流入数が少ないと期間を短くしすぎた場合、配信されないという事も考えられますので注意が必要です。
また、この商材はリピートはしないため、全リストに対してCVユーザーを除外しています。
そしてこちらが結果です。
検証期間は1ヶ月、入札単価は多少違いますがクリック率は大きく違います。
「0~5日」と「6~15日」のリストではインプレッションにも違いはありますが、それ以上にクリック数に違いがあり、CVRにも大きな違いが出ています。
何よりCVの大半を広告接触から5日間で獲得しているのが分かるかと思います。
推測
ではどうしてこのような結果になったのかを推測してみます。
この商材の場合は広告接触から早い段階での再接触が効果的だという事はデータから読み取れますが、その理由まではわかりませんので推測する事が重要になります。
- リストサイズは期間が短いほど小さいがインプレッションは多い
「6~15日」のリストは広告ランクによるインプレッションシェア損失率が比較的高い事から入札単価が違う事が要因と考えられる。 - クリック数の違い
接触からの期間が短いほどユーザーのモチベーションが高く、まだ検討段階にあるため心理的な敷居が低いと考えられる。 - リストサイズの大きな「16~30日」でのクリック率、CVRが低い
ユーザーのモチベーションが低く、クリックに至らない。既に検討期間を抜けているため広告表示自体に不快感を示している可能性も。
結果の良し悪しではなく、どうしてこのような結果になったのかを推測し、再検証を行っていく事で成果に近づけていくことが可能になります。
そうする事で再現性のある施策を行えるようになり、アカウントが改善していくのです。
まとめ
リーセンシーによる消費者の購入モチベーションを考えてリマーケティングリストを作るだけで成果に違いが出る事がお分かり頂けたかと思います。
もちろんリーセンシーでの分割を行っているアカウントも多いですが、それだけでは成果があまり出ないという話もちらほら耳にします。
しかし私の経験上、そういったアカウントはただ分割しただけのリストで広告を配信しているに留まっていて、「検証」「推測」が疎かになっているケースが目立ちます。
そもそもデータを検証できるような構成にしていないというケースもあります。
データに振り回されるのではなく、乗りこなせるようにならなければどんなデータも宝の持ち腐れになってしまいます。
データを元にデータだけではわからないユーザーの心理を推測する事で、まだまだ改善できる事は多いですよ。