リスティング広告 運用代行サービス|株式会社カルテットコミュニケーションズ|Yahoo広告/Google広告正規代理店

部分一致の拡張について、考察してみた件

公開日:
更新日:

前置き

日々の運用、お疲れ様です。

リスティング広告に携わっていると、必ず一回は出くわすであろう、以下の言葉。

“部分一致の拡張”

さらに、この言葉を用いて、良く聞く、以下のような言葉。

“部分一致の拡張によって、余分なキーワードでの誘導が多くなり、結果、CPAが上昇の傾向にあります。”

リスティング広告を運用する者にとって、「部分一致の拡張」というのは、
時として、アカウントの効果を悪化させる要因の1つになり得ますが、
実際に、「部分一致の拡張」とは、アカウントの内部で、どのような変化を
もたらすものなのでしょうか?
今回は、実際のアカウントのデータを利用して、「部分一致の拡張というのは、
どのように起こっており、どのような変化を起こすのか?」という点を、考察したいと思います。

事例

以下の画像は、とあるYahooアカウントの、とあるキャンペーンの、
とある広告グループのある一定の期間(4月11日~4月20日)を、
日別で分割したものです。

Yahooアカウント_広告グループ_日別分割

なお、この広告グループに格納しているキーワードは、「部分一致」のみです。
また、赤線の前に、このキーワードに対して、10~20%前後の入札強化を
行っていました。

では、赤線を境(4月11日~15日対4月16日~20日)として、以下の項目・数値に着目してみてください。

・クリック数(CT):増加傾向
⇒赤線を境とした前後クリック数比較:4,318 対 4,732 +400回ほど増加
・クリック単価(CPC):徐々に上昇傾向
⇒入札強化を行った影響
・コンバージョン(CV):減少傾向
⇒赤線を境とした前後CV比較:11件 対 5件 -6件減少
・コンバージョン単価(CPA):増加傾向
⇒赤線を境とした前後CPA比較:2,032円 対 5,376円 +3,000円ほど上昇
・インプレッション損失率(掲載順位)(IMP損失率(掲載順位)):徐々に低下傾向
⇒入札強化によって、掲載順位が上昇
・掲載順位:徐々に上昇傾向
⇒入札強化による影響

当該キーワードは、CV見込みキーワードとして、入札強化によって、
クリック数を増やし、さらにCVを増やそうと考えていました。

しかし、データで見ると、想定とは違ったものとなっています。

これによって、上記でも触れた「部分一致の拡張によって、余分なキーワードからの誘導が多くなり、CPAを上昇している」ということが想定されます。

それでは、その「想定」が正しいかどうか、検証してみましょう。

以下の画像は、4月11日~15日対4月16日~20日の期間で比較した
全クエリデータ(一部)です。

クエリデータ_期間比較
なお、今回の検証の為、以下のような加工を行っています。

・機密情報ですので、クエリキーワードは、全てぼかしています
・各クエリキーワードのパフォーマンスの正確性を図る為、要素分解を行っています(つまり、全て1つのユニークなクエリキーワードということです)。
・表中の「ラベル」に関して、「主要」「対象」とは、以下の通りです。

主要:これまでのクエリデータから、CVが最も見込まれるキーワード群
対象:今回の検証対象のクエリキーワード群

「主要」「対象」として、「対象」のみを、今回の検証の土台にのせた理由として、
「主要」のクリック数が、「対象」のクリック数よりもあまりに多く、
データとして算入すると、データがぶれる為です(データが見えにくくなる)。

・また、これらのクエリデータを、以下のように、クリック数によって、分類しました。

46回~
36~40回
31~35回
26~30回
21~25回
16~20回
11~15回
6~10回
1~5回

クエリデータが膨大であった為、クリック数5回刻みで分類を行うことによって、
データの集まりとして、見やすくしています。

それでは、この分類を行った上で、4月11日~15日対4月16日~20日の期間比較の
データを、グラフ化してみました。

4月11日~15日のグラフ(クリック数割合)

4月11日~15日のグラフ(クリック数割合)
4月16日~20日のグラフ(クリック数割合)

4月16日~20日のグラフ(クリック数割合)このデータから、以下のようなことが読み取れます。

・クリック数「1~5回」が、期間比較で、以下のように、割合が上昇傾向

4月11日~15日:81.71%
4月16日~20日:92.44%(約11%ほど上昇)

・クリック数「1~5回」以外の、クリック数割合(クリック数6回以上の割合のこと)が減少傾向

4月11日~15日:18.29%
4月16日~20日:7.56%(約11%ほど低下)

つまり、入札金額を上げたことによって、クリック数「1~5回」の割合が上昇し
(この部分が「部分一致の拡張」)、クリック数そのものは、増加しているが、
増加した分が「余分なキーワードによる誘導」に相当し、結果としてのCVが
減少している為、CPA上昇を起こしているということになります。

「部分一致の拡張によって、余分なキーワードからの誘導が多くなり、
CPAを上昇している」とは、以上のような流れがあり、行った考察になります。

なお、CV減少要因として、当然、それまでCVしていたクエリキーワードでの
クリック数も増加している為、CVが増加してもいいようなものの、結果として、
CV増加せず、CPAを悪化させていることを考えると、今回の入札金額を上げる調整は、
当該キーワードの適正な入札金額を超えた金額で、入札しており、即時に、
入札金額を下げる調整が妥当ということになります(つまり、予算投下のし過ぎ)。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
「部分一致の拡張⇒CPA悪化」という現象を考察・深堀する為には、
以上のような流れが必要となります。
リスティング広告運用者から、「部分一致の拡張」に関する考察があった際には、
今回のような背景があり、出てくるものであるということをご理解いただければと
思います。
リスティング広告運用者は、御社のリスティング広告管理画面を、常に直視し、
運用しているのですから。

また、リスティング広告運用者にとっては、管理画面上から出現してくる、
様々な変化に対して、常にアンテナをはり、今回のようなことを、
感覚として感じ取れるように、日々精進し、養ってなってもらいたいものです。

1営業日以内に返信いたします 広告の運用代行についてのお問い合わせはこちら
シェアする

ブログ記事の中で広告運用の事例をご紹介することがありますが、実際の事例を一部加工した内容となっておりますのでご留意ください。

また、2018年7月24日よりGoogle AdWordsはGoogle広告に名称変更されました。それ以前の記事に関してはGoogle AdWordsと表記されておりますのでご了承ください。


リスティング広告の
情報をお届け

メルマガではリスティング広告に詳しくなれる記事を毎週一週間分まとめてお届けします。不定期にはなりますがリスティング広告に限らず、Web集客改善に繋がる資料もお送りしていきますので、興味のある方はぜひご登録ください。

同じカテゴリの最近の記事