リスティングの運用の中で日常的に行う事にキーワードの入札があります。
リスティング広告ではこの入札が広告掲載のポジションを決める大きな要素となりますので非常に重要です。
そもそもCPCはどう決まるのか?
CPCは「Cost Per Click」、クリック単価の事というのはご存知だと思います。
CPCは
入札価格 × 品質 = 広告ランク
次の順位の広告ランク ÷ 自身の品質 = CPC
で決定されます。
ここで言う『品質』とは、Google AdWordsでは「品質スコア」、Yahoo!プロモーション広告では「品質インデックス」の事を指します。
つまり入札を行う際に考えなければいけないのは入札価格ではなく広告ランクだという事です。
リスティングというキーワードに入札している企業A、企業B、企業C、企業Dがあったとします。
企業Aは品質3、企業Bは品質5、企業Cは品質8、企業Dは品質10だとすると掲載順位は以下のようになります。
品質 | 入札価格 | 広告ランク | 掲載順位 | 実際のCPC | |
企業A | 3 | 300 | 900 | 4 | – |
企業B | 5 | 330 |
1650 |
2 | 300円 |
企業C | 8 | 250 | 2000 | 1 | 206円 |
企業D | 10 | 150 | 1500 | 3 | 90円 |
この図を見ると、1位の企業CのCPCは2位の企業Bより安いです。
つまり掲載順位が高いからといって必ずしもCPCが下位ライバルより高いというわけではないのです。
なお、この表で最下位になる企業Aは他に競合が居なければ「キーワード毎に定められた最低広告ランク÷品質」がCPCとなります。
First Page Bid – 1ページ目掲載に必要な入札価格
さて、実際にアカウントを運用すると頻繁に目にするのがGoogle AdWordsでは「First Page Bidを下回る見積もり」、Yahoo!プロモーション広告では「1ページ目掲載に必要な入札価格」という単語です。
使っている単語は媒体それぞれで違いますが意味合いは全く同じです。
複数の入札者が同じキーワードに入札すれば全ての入札者の広告が掲載される訳ではありませんので必ず1ページ目に掲載される入札者の数は限られます。
競合が多いキーワードであれば1ページ目に表示される入札者の中で最下位の広告ランクより自身の広告ランクが下回った場合に表示されるものです。
ただし平均掲載順位が1位なのにも関わらずこの表示があるキーワードもあります。
競合もいないのに何故?と不思議に思う方もいるかもしれませんがこれは先程のCPC決定の際に出てきた「キーワード毎に定められた最低広告ランク」を下回っているからなのです。
まとめると
「First Page Bidを下回る見積もり」が表示される条件
- 1ページ目に表示される広告数<自身の広告ランクを上回る競合の数
- キーワード毎に定められた最低広告ランク>自身の広告ランク
となります。
まとめ
もちろん競合の品質は知る由もありませんので周りの競合のCPCを把握するのは不可能です。
しかし、仕組みを知っていれば品質1のキーワードの入札を無闇に強化する際のリスクは分かるはずです。
もちろん品質を改善するために入札価格を上げる、という手法は良く行われています。
目的を持って行う入札であれば、そのデメリットを飲み込んででもするべき時はあると思います。
仕組みを把握せずに平均掲載順位や実際のCPCに惑わされるだけではいけません。
明確な目的をもってひとつひとつの運用を行うためにも正しい知識、仕組みの理解を深める事が重要です。
■3/15追記
本記事を公開した3/15 9:00時点で記事中の「実際のCPC」が間違って計算されておりました。(本文表部分)
9:38時点で該当箇所を修正しましたが、 この間に記事をご覧になった方にはご迷惑をお掛けしました。
正しい情報発信を心がけておりますが、間違い等がございましたらご指摘下さい。