デジタル広告が大きな市場を獲得している現在、Web上で広告を配信する際にしておくとよいアドベリフィケーションについて解説します。
アドベリフィケーションとは
アドベリフィケーション(ad-verification)は、広告を検証する仕組みです。
Web上に配信した広告が広告主のイメージ低下を招くような不適切なサイトに貼られていないか、Webページの見える場所に掲載されているかなどを測定ツールで配信のコントロールを行います。
アドベリフィケーションの役割
ブランドイメージの保護(ブランドセーフティ)
ブランドセーフティ(brand-safety)とは、広告が適切なWebサイトで表示されていることです。
広告掲載サイトやページが、公序良俗に反するなど広告主様にとって不適切な内容だった場合、広告主のブランド毀損につながる可能性があります。
例えば、ブランドイメージの良い大手企業の広告が違法なアップロード動画サイトに掲載されてしまうと、サイトの雰囲気やイメージが広告にも波及して影響を与えてしまうのは想像できます。
このような状況を防ぐために、健全なメディアへ広告が掲載されるように検証して、広告の品質を高める必要があります。
見られる場所に広告を表示する役割(ビューアビリティの保証)
ビューアビリティ(Viewability)とは、広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション(ビューアブルインプレッション)の比率を指します。
広告インプレッションは、Webページ上に広告配信されたタイミングで発生するため、広告主は広告がユーザーの目に触れなかった場合でも、広告コストを支払うという問題があります。
特に、表示面積が限られるスマートフォンではビューアビリティが低い傾向にあり、それを担保することは大きな課題となっています。
Webサイトに掲載される広告は、顧客の認知や購買意欲を刺激し、ブランドイメージや集客力の増加が目的となりますから、高い水準で「見てもらう」広告を保証することもアドベリフィケーションの重要な役割です。
広告詐欺がおこなわれていないか(アドブラウド対策)
アドフラウド(ad-fraud)とは、広告掲載料を不正に得るために、ボットと呼ばれる自動化プログラムを利用し、広告の表示回数やクリック数を偽装・量産して、不正に広告収益を得ようとするものです。
人が見ていない広告に対して、費用が発生しないため対策を講じます。
まとめ
今回は、アドベリフィケーションについてその役割を中心にご紹介しました。これまで広告といえばテレビCMが主流でしたが、現在はデジタル広告市場が目覚ましい成長を遂げています。
一方で、仕組みが複雑になるに伴い、ブランド棄損や広告詐欺など、新たな課題も顕在化してきています。
国内ではアドベリフィケーション問題を解決すべく、「アドベリフィケーション推進協議会」が2017年に発足されています。
支払った広告費が悪用されることなく、目的にかなった効果を上げているかを確認するには、アドベリフィケーションの導入の必要性は高いでしょう。 この機会にぜひ一度自社のWeb広告の見直しをしてみてはいかがでしょうか。