こんにちは。先日お客様とお打ち合わせをしていると「原さんは何でも言い切ってくれるから信頼できるね」と褒めていただきました。実はこれ、普段すごく気にして使い分けをしています。
そこで今日は、私が個人的にお客様へのご提案や報告時に気をつけている話し方のポイントをご紹介しようと思います。
『言い切る=何でも分かる』ではない
私は常日頃、お客様へは何でも『言い切る』ことが大切、とチームのメンバーに伝えています。
しかし、とかく運用型の広告においては未来のことや競合ありきで分からないことも多いですよね。じゃあ言い切れないじゃないか、ということではありません。
勘違いしてほしくないのは、『言い切る=何でも分かる』ではないということです。
「分からない」「知らない」等という回答も含め、きちんと言い切ることが、広告『代理』業の責任だと思っています。
では、具体例を見てみましょう。
具体例
月次の報告時、先月と比べてクリック単価が上がった時、一番わかりやすい指標なのでお客様からご質問をいただくことも多いのではないでしょうか。まずはイケていない例を見てみましょう。
イケてないやり取り
お客様:なんかクリック単価が先月と比べてすごく上がってるけどこれなんで?
担当者:コンバージョン数最大化で最適化をかけたのでクリック単価が上がったみたいです。
お客様:最適化するとクリック単価が上がるの?
担当者:そういうわけではないんですが、上がることが多いみたいです。
お客様:これ下がらないの?
担当者:最適化にするとなので、変えられないですね。
お客様:コンバージョン増えてないけど大丈夫なのかな?
担当者:媒体が学習する期間がかかるんですが、コンバージョン最適化にはしているので。
お客様:・・・・そうなんだ。
なかなかここまでの会話もないかもしれませんが、質問したお客様の心配度がどんどん上がっていく雰囲気は伝わりますよね。言い切っている表現もあるのですが、使い方を間違って悪い方に断定してしまっています。
では、これを言い換えしてみましょう。
イケてるやり取り
お客様:なんかクリック単価が先月と比べてすごく上がってるけどこれなんで?
担当者:コンバージョン数最大化っていうのを入れてみたので、機械学習をした結果、たしかにクリック単価が上がりました。
お客様:最適化するとクリック単価が上がるの?
担当者:最適化=クリック単価上昇、ではないんですが、コンバージョンが取れる、と思ったキーワードには入札をガンと上げる傾向にあるので、初動の傾向としては他のアカウントでも同じ傾向が多いですね。
お客様:これ下がらないの?
担当者:下げようと思えば下げられます。ただ、同じ設定のままではクリック単価はコントロールできないので、他の最適化に変更する必要がありますね。
お客様:コンバージョン増えてないけど大丈夫なのかな?
担当者:最適化に約1、2ヶ月は走らせてクリックとコンバージョン数を集めないと判断できないので、もう1ヶ月だけこのまま走らせて、来月やめるか続けるかご提案したいと思っています。
お客様:そうなんだ!
いかがですか?
お客様のセリフを同じにしたので若干不自然なコミュニケーションですが、同じ内容についてでも印象が全然違いますよね。
分からないことを言い切る
大切なことは、現時点で分からないことを、『全く予想できない』のか、『ただ今分からないだけで調べれば分かるのか』等をしっかりお客様に伝えることです。
いくら担当者でも、指標の多いリスティング広告でお客様からの質問にその場で全て即答できる担当者なんていません。しっかり準備することは大前提ですが、その上で分からないことや調査不足であることはそのままお客様に伝えることで、ぐっと信頼度が上がります。
まとめ
ちょっとした表現ですが、ひよっこ営業マンの頃から私自身も先輩に何度も注意されてきたことで、実際にお客様の反応も違うことを実感しています。
打ち合わせ時、たとえ準備不足で分からないことがあったとしても、一瞬取り繕って後々ボロが出るくらいなら、「申し訳ありません、そこまで確認できていないので持ち帰って宿題にさせてください」と正直にお話したほうが、その後の関係性も含め何十倍もプラスになります。
お客様に「この人なら安心して任せられるな」と感じていただけるような担当者を目指したいですね。