先日のGW、その波に乗っていろいろな企業様がいろいろなキャンペーンを打ち出したことでしょう。勿論それに合わせてバナーや動画広告、サイト内画像、文言なども変更したことと思います。今回はそんなサイト内の画像を変えた事が原因で、売り上げが大きく下がってしまった事例をご紹介します。
※どちらかというとサイト寄りのお話です。
案件概要
- 業種:バイクの修理&カスタム
- 月CV平均数:リスティング全体で30件程(Web問い合わせフォーム経由は5件ほど)
きっかけ
昨年の年末商戦、かけこみ需要に向けて、お客様が今一番売り出したいプランをWebで大きく打ち出したいというご要望がありました。その打ち出したいプランというのが、内容は素晴らしいものですがそれゆえに、かなり高額なプラン。(お客様がご用意しているプランの中で1,2を争うレベル)
ただ、そのプランの顧客が欲しいだけではなく、通常プランの顧客も今まで通り必要であったため、リスティングの広告文などは変更したりせず、サイトのファーストビューで押し出し、流入した(=中古バイクの修理、改造に興味のあると思われる)ユーザーにのみプランを大きく見せる、というところまでにとどめました。
LP内画像変更後…
リスティング管理画面上
コンバージョン数としては、12月の駆け込み需要はキャッチできていたような数値でした。毎年年末は数値が上昇するのでなんとも言えないところもありますが、言ってしまえば「いつもどおり」の数値で落ち着いていた印象です。アカウント調整についても、大きく動かしたりはしておらず、クリック率などもあまりかわらず、CVRも上振れ下振れはあれど大きく下がったりはしていませんでした。流入クエリに関しても違いはなく、平常通りの運用が出来ていたと考えられます。
実際の売り上げ(実店舗ベース)
売り上げは結論から言うと激減。リスティングはどうなってるのかを確認しても先述の通り、めぼしいボトルネックは見つかりませんでした。そのため、先日改修したLPの部分に問題があると想定しました。
要因分析
該当期間内で起こった変化といえば冒頭で書いた、高額なプランをファーストビューに目立つように入れたことです。具体的には下図をご覧ください。
一番打ち出したいものをファーストビューで押し出したことにより、そこそこの値段でカスタムなどをしたいユーザーを取りこぼした可能性があります。また、リスティング基準で言えば出稿していた広告文が「実績」やその時に同時に実施していた別キャンペーンを押し出していたため、ギャップも原因のひとつとしてあったかもしれません。
ということで、売り上げの減少を戻すための施策として、サイトの内容を従来の画像(実績などなどを訴求した画像)に戻し、かつ高額プランの画像を縮小し、下の方に配置するようにしました。
LP再変更後の結果
この施策を行った結果、お客様の体感値として売り上げは復調傾向となりました。どちらかというと高級なものよりも一般的な車種が多くなったというお声も聞けたため、広告主様が求められてるユーザー層と、マッチングするユーザー層に齟齬が生まれた結果、成約につながる問い合わせが減り、売り上げが減少してしまったと想定できる結果となりました。
ユーザーイメージをしっかり持ってキャンペーン内容を考えて、サイト構成を変更する事が最大の利益につながります。今回でいうならば、例えば元々高級志向(例えば高級車両専門の修理&改造の会社)だったらこの打ち出しは上手くいっていたかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はリスティングというよりは、サイトの話しとなってしまいました。リスティングも大切ですが、ユーザーさんにとっての決め手はLPにかかっていると言っても過言ではないと考えております。そのため、広告主様の「これを押し出したい…!」「これを売りたい…!」に大きく偏ってしまうと、売り上げなどにかえって悪い影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
もちろん、広告文にも言えることですが、しっかりユーザーに求められるニーズを把握した上でキャンペーンを押し出せるといいですね。
※一概にファーストビューを従来のユーザーニーズを度外視したものに変更することが良くない、と言い切る内容ではございません。一時的に売り上げなどが下がってでも売り出したい物があるなどの場合はやるべきと考えています。ケースバイケースではありますので、状況に応じてご判断をしていただければと思います。