こんにちは。私は常日頃、中小企業さまがWEB集客を行う際は『いくらお金をかけたらどのくらい儲かりそうなのかを予想する&目標を立てる』ことがとても重要だと思っています。
しかし、リスティング広告のご提案をしていると、広告費(媒体費)に対してはすごくシビアなのに、制作費についてはなぜか必要経費としてどんぶり勘定する方が結構いらっしゃる印象です。
そこで今日は、日頃お客様からご相談いただくことの多いLP(ランディングページ)の制作の必要性について、数字をからめて必要性を考えてみたいと思います。
LP(ランディングページ)の正式な意味合いとしては、サイトに訪れた際に閲覧者が一番最初に見るページのことですが、本記事では便宜上、LP(ランディングページ)をよくある縦長の一枚物のページとして書き進めておりますのでご注意ください。
大切なのはかけた費用に対してのリターン(=利益)
制作費なのにどうやって計算するの?というあなた、ではなぜLPを制作するのかを考えてみてください。様々な理由はあると思いますが、リスティング広告に限定して考えるなら、広告のリンク先の変化は『コンバージョン率』の変化に繋がります。
つまり、LP制作によって上昇するであろうコンバージョン率から、増加するコンバージョン、さらには売上や利益を想定することができるのです。
増加分の売上や利益の計算方法
それでは簡単な計算方法のご紹介です。事前に必要な情報は下記の通りです。
- 月間獲得クリック数 ⇒10,000クリック
- 現在のサイト(アカウント)のコンバージョン率 ⇒0.6%
- LPの制作費(見積り) ⇒50万円
- 1コンバージョンあたりの客単価や利益率 ⇒客単価3万円、利益率30%
実際の数字があったほうが分かりやすいので、今回は太字の数字を使って実際に計算してみましょう。
①コンバージョン率の上昇の倍率を試算する
内容にもよりますが、コンバージョン率はそう簡単に2倍、3倍には跳ね上がりません(※元が極端に低い場合を除く)。現在のコンバージョン率が0.5~1%の場合は、1.2~1.5倍程度でシミュレーションすることをおすすめします。
今回は1.5倍の0.9%になると仮定します。
②コンバージョン数の増加分を計算する
クリック数ともとのコンバージョン率を元に、下式に当てはめてコンバージョン数の増加分を計算します。(式中はコンバージョン率をCVRと表記します)
(クリック数)×(想定CVRー元のCVR)=(コンバージョン数の増加分)
今回だと、10,000クリック ×(0.9%ー0.6%)= 30件 ですね。
③増加見込みの売上や利益を求める
今回は客単価と利益率も分かっている想定なので、
増加見込みの利益は、30件 × 3万円 × 30% = 27万円 と計算することができました。
④制作費用がどの程度の期間で回収できそうか計算する
制作費用が50万円だとすると、
50万円 ÷ 27万円 = 約2ヶ月 で回収できる見込みがあると分かりました。
ある程度安定したアカウントで事前情報に大きなズレが発生しなければ、悪くない投資といえそうです。
しかし、これから初めて広告配信をする場合や、コンバージョン率なんてさっぱりわからないよ、という場合はどうすれば良いのでしょうか。
答え:分からないのにやっちゃだめ
個人的には、現時点のコンバージョン率もよく分からないのにいきなりLPを何十万円も払って作っちゃうなんて無謀なことはしないほうが良いと思ってます。お客様のお金なので絶対ダメとは言いませんが、そういった場合の多くは目標値もないので結局良いかどうかもよく分からず辞めてしまう、という残念な結果になってしまいます。
まずは既存でお持ちのページにしっかりとクリックを集めて、コンバージョン率や獲得単価がどの程度なのかを探ってみましょう。先述した通り、よほどリンク先ページに欠陥が無い限り、コンバージョン率は2倍も3倍も変化しないので広告費をすごく無駄にした、なんてことはありません。
そもそも、LPを作ったからってコンバージョン率が上がるなんて保証もありません。過去記事でもご紹介していますが、『リスティング広告=LP』というイメージは捨てましょう。
過去記事:(ランディングページ)を作る必要ある?リスティング広告の視点から考える
おまけ
今回はLPをテーマに、とりあえずよく分からないうちのLP制作はだめ、とお話ししました。
が、例外として下記のような場合は広告開始前のサイト修正やLPの準備をおすすめします。
競合が多くてクリック単価がものすごく高騰している業種やサービス
医療関係の人材、不動産や自動車の買い取り、金融サービス(ローン等)
クリック単価が1,000円を超えることもあるため、広告費がすごく無駄になることがあります。
お問い合わせフォームが無いサイト
簡単で良いのでフォームを用意することをおすすめします。
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