突然ですが私はコミュニケーション能力が高いとは言えない部類の人間です。
相手に自分の思いが伝わらなかったり誤解されてしまったりと、意思疎通は非常に難しいですよね。
そんな私が気をつけているのはお客様への運用状況の報告です。
出来るかぎりポジティブな話をするように心掛けています。
悪い報告の例
まず、前提条件としては弊社のお客様に多い中小企業の経営者様からのご依頼という形で例文を作ってみました。
- ご予算:10万円
- CV数目標:10件/月前後で厳密なコミットはない
- リスティングに関しての知識はなく、難しそうだからお願いしたいと思っている。
下の文章を読んでみてください。
- 例文1
先月の運用状況ですが広告コストは10万円、成果数は9件と前月比で1件減少しています。
クリック単価が高騰しクリック数が減少した事が原因で、クリック単価が高騰した原因は今までいなかった競合他社の出現によるものです。
クリック単価の抑制は行っていますが先月中は改善しきっていません。
どうでしょうか?
個人個人で感じ方は違うと思いますが悪い報告に感じますよね。
これでは報告を受けた方は「これはマズい、何とかしてもらわないと!」と思うのは当然です。
どこを気をつけようか?
ではどういう報告をするのが良いでしょぅか?
悪い比較はしない
悪い例
先月の運用状況ですが広告コストは10万円、成果数は9件と前月比で1件減少しています。
この一文は蛇足です。
今回の例では1件の違いはブレの範囲ですのでほぼ同等の推移と見て良いのでは無いでしょうか。
もちろんですが毎月10件必達という話でコミットされている場合はブレでは無いため報告は必須です。
良い例
先月の運用状況ですが広告コストは10万円、成果数は9件でした。
事実として9件だった事は変わることがありませんのでその事だけ伝えれば問題ありません。
重要なのは「何故」です。
悪い説明だけで終わらせない
悪い例
クリック単価が高騰しクリック数が減少した事が原因で、クリック単価が高騰した原因は今までいなかった競合他社の出現によるものです。
ネガティブな報告からスタートしているためか何故悪かったかの話だけで終わってしまっています。
CPCが高騰した事も事実ですので包み隠す必要はありませんが、どういった影響があったのかといえば上述の通り大きな影響はなかったとの説明ができ、ネガティブな報告だけで終わることはないと思います。
良い例
新たな競合他社の出現でクリック単価は上昇しましたが大きく成果に影響を与えてはいません。
今回の例ではCV数は厳密にコミットされていないこともあり、1件程度はブレの範囲内である事を伝えたいと思います。
また、「高騰」ではなく「上昇」という単語の違いも相手に与える印象は結構違うものです。
最新の状況を伝える
悪い例
クリック単価の抑制は行っていますが前月中は改善しきっていません。
その月のみを切り取ると確かに改善はしていないのかもしれません。
しかし、「改善しきっていない」と言っている通り、改善の兆しはあるはずです。
最新の情報を元に改善されてきているので大丈夫という話をしましょう。
良い例
クリック単価の抑制を行い回復の兆しがあるのでこの調子で調整していきます。
話をするその時点でCV数も上向きなのであれば、その事実も伝えた方が良いと思います。
次回の話をする
お客さんが一番知りたいのは今が悪かろうが今後改善の見込みがあるのか、どうやって改善させるのかという点です。
良い例
次の施策は広告文の精査を検討しています。
クリック単価を抑制する事で掲載順位が下がりクリック数が減少する懸念があるため、クリック率の良い広告を残すことでクリック数の維持を図ります。
実施後のレビューは次回報告させて頂きます。
ポジティブな報告とネガティブな報告の比較
では、それぞれの文を見比べてみましょう。
- 改善前
先月の運用状況ですが広告コストは10万円、CV数は9件と前月比で1件減少しています。
クリック単価が高騰しクリック数が減少した事が原因で、クリック単価が高騰した原因は今までいなかった競合他社の出現によるものです。
クリック単価の抑制は行っていますが先月中は改善しきっていません。 - 改善後
先月の運用状況ですが広告コストは10万円、CV数は9件でした。
新たな競合他社の出現でクリック単価は上昇しましたが大きく成果に影響を与えてはいません。
クリック単価の抑制を行い回復の兆しがあるのでこの調子で調整していきます。
次の施策は広告文の精査を検討しています。
クリック単価を抑制する事で掲載順位が下がりクリック数が減少する懸念があるため、クリック率の良い広告を残すことでクリック数の維持を図ります。
実施後のレビューは次回報告させて頂きます。
どちらも基本的には同じことを言っているのですが上の文章はネガティブな要因にフォーカスしており、下の文章はポジティブな要因にフォーカスしています。
自分がお客様であれば同じ内容なのであれば不安を煽らるよりも良くなっている話をしてもらいたいと思います。
まとめ
どちらの話をするのがお客様の安心感に繋がるかは考える余地もないと思います。
当然ですが嘘を吐くのはいけません。
お客様が気にされている箇所が悪化したのであれば悪い部分は悪い部分として報告することは必要です。
しかし、必要以上に不安を煽る報告は必要ありませんし、その時点で何らかの手を打っているはずですので施策による改善がお伝えできるはずです。
リスティングは数字で様々な指標を見ることができます。
そのため単月で見れば良くなったもの悪くなったものが必ず発生します。
その一部を取り出して悪く言おうと思えばどれだけでも悪くいうことはできますが、お客様に安心して貰うというのも代理店として必要な価値ではないでしょうか?
伝え方にはこれからも気をつけて精進していきたいです。