先日、とある勉強会に参加させていただきまして、そこで「理想のアカウント構成とは?」という議論がありました。
お客さまからのご相談で他の代理店さまのアカウントを拝見することは多々ありますが、代理店さまによってアカウントの構成は様々です。もっと言えば、弊社内でもアカウントの構成についての一定のルールはあるものの、同じ会社であっても運用者が違えばできるアカウントは全く同じということはありません。
当然、勉強会でのやりとりの中身を公開するわけにはいきませんが、それについて個人的に考えたことを書いてみたいと思います。
案件によってまちまちなので、画一的な理想のアカウントなんてない、と結論付けることは簡単ですが、ここではそういうものがある前提で話を進めます。
理想って?
何をもって理想とするか?というところが、思考のスタートだと思いますが、個人的には当然リスティング広告であるからには「利益が出る」というところが最終的な理想だと思います。
誤解を恐れずに言えば、「成果」とかあいまいなものではなく、「利益」が出ていればアカウント構成なんてどうでも良いですよね?
しかしながら、すべての商品に対して「絶対に利益が出る」ということは誰にも分かりませんし、言えません。そもそもリスティング広告は競合との相対性の強い広告ですし、独占市場でもない限り100%利益を出すと言い切ることは不可能です。
ただ、それでも成功率を出来るだけ上げるのが我々の仕事です。そう考えると、つまりは「できるだけ利益を出しやすいアカウント」が理想のアカウントに近いと考えます。
できるだけ利益を出しやすいアカウント?
上述したとおり、よく他の代理店さまのアカウントを拝見することがありますが、すべてが悪いアカウントなんてことは当然ありませんし、現代理店さまの運用が良いアカウントも存在しています。
ここで言う、良し悪しについてまず判断するところは当然アウトプット(CV数やCPA)です。ただ、そこが仮に十分でなくとも良いアカウントと思うことがあります。
それは適切な意図のあるアカウントです。
どの部分を伸ばすためにこのアカウント構成にしているか、この辺りはアカウント構成を見れば分かります。目標に対して適切なKPIを置き、それをいつでも追いやすいような状態にし、KPIさえ達成していけば、目標さらには利益を出すという最終目標に到達できるアカウントが「できるだけ利益を出しやすいアカウント」なのではないでしょうか?
逆に悪いと思うアカウントは、なぜこのアカウント構成なのか分からなかったり、複数のことをやろうとしすぎて結局どの数値も追えない状態になっていたり、ということが多いです。
エリアごとに大きくCV率が変わってしまう業種であれば都道府県ごとのキャンペーンを作るのも良いと思いますし、曜日によってCVするキーワードが違うなんてことがあれば曜日ごとのキャンペーンを作ってもいいかもしれません。
要は最もコントロールしなければいけない数値が見えてコントロールできるようにしておくことが大事ですね。
そうすると品質スコアが・・・とか、運用工数の問題が・・・とか、いろいろな意見もあると思いますが、それらを全てを解決することはかなり難しいので、重要と思われる数値を確実に追えるようにして、そうでないものは諦めることも大事だと思います。
個人的な結論
ここまでで、理想のアカウントは「適切な意図のあるカウント」と結論づけても抽象的すぎて非常に分かりにくいですよね?なのでもう少し具体的に。
最近のトレンドとして、Google・Yahoo!はシンプルなアカウント構成(通称:Hagakure)を推奨しています。私としては品質スコアのメリットもありますし、基本的にこの考えには賛成です。
ですが、品質スコアのメリットを捨ててでもエリアのコントロールが大事なのであれば、エリア別の47都道府県キャンペーンを作ることが正解だと思います。
なので、理想のアカウントとして実用的に結論付けるのであれば
- 意識する数値がない場合:キャンペーン数を減らし、できるだけシンプルに
- 意識すべき数値がある場合:それがコントロールできるキャンペーン構成
という風に考えられると思います。
ですが、基本的にほとんどの案件はシンプルということで良い案件ばかりだと思います。
まとめ
結局、どのアカウントであってもこういうふうな構成にすればうまくいく、というものは存在しませんし、例外ももちろん存在します。その時の方針次第で、追う数値も変われば、やらなければいけないことも変わり、それ次第で理想のアカウント構成は変わってきます。
今回何を見なければいけないか?どこの数値を見ることが全体に大きなインパクトが与えられるか?ということを日々考え、理想のアカウント構成を追っていきたいですね。