WEB広告が身近なものになってきており、中小企業であっても社内にWEBの部署や広告の部署を持つ会社も増えています。
そういったクライアント様からの要望もあり、弊社でもインハウス担当者育成の支援なども行わせて頂いております。
今回の記事では、その中でお話させて頂いている『目標の決め方』の特にコストを軸にした話を簡単に説明したいと思います。
目標設定
リスティング広告の最大のメリットはやはり数字が見える事です。
広告効果が狙ったとおり出ているのか、採算は合うのかなど、運用するにあたって定量的な判断基準として目標を設定する事は不可欠です。
運用上の判断基準となるわけですから目標設定が誤っていれば行う施策や改善策も誤ってしまう事になります。
CV数目標とCPA目標を同時に設定しない
『CV50件獲得』という目標であれば「コスト投下」「入札強化」「配信メニューの追加」などの施策を行う事になりますし、『CPA5,000円』という目標ならば「コスト抑制」「入札抑制」「配信メニューの停止」という施策を行います。
成果に大きな影響を与える要素の1つはコストですから、アカウントに与える影響を考えれば当然真っ先に打つべき施策となります。
コストはロジックツリーを見てもらえば分かる通りCV数、CPAと密接な関係にあります。
CV数とCPAの両方を同時に目標設定するという事は、コストを大きく動かすという最もインパクトを与える施策を封じる、またはその施策を行いにくくしてしまう事に繋がりかねません。
CPAを守りながらCV数を増加させるのは非常に難しいですが、CV数を確保したうえで無駄を削りCPAを抑制する方が比較的易しい事が多いためです。
いきなり理想のCPAで理想のCV数を獲得することを考えた結果プロモーション全体が失敗してしまう事も多々あります。
CPAにとらわれ過ぎない
商材や利益率などによっては来ますが、CPAにとらわれ過ぎてしまうと得てして広告効果を最大限発揮できなくなってしまいます。
『CPAを抑える』という事は利用するコストを抑えれば達成する事が多々あります。
しかし、コストを抑えると多くの場合サイトへの流入数を減少させる事に繋がります。
上の図はグレーのファネルが来訪者全体として、コストを上辺、CVを下辺とした来訪者と成果の関連性を表したイメージです。
上辺と下辺の差が小さいほどCPAは低くなっています。
しかし、右と左を比べてもらうと分かる通り上辺(コスト)を小さくすればするほど下辺(CV)も少なくなってしまいます。
もちろん、これはイメージですので必ずしもこの通りになるわけではありません。
しかし、コストを減らせば減らした分だけCV数が減少する事が多いのもまた事実です。
必要以上にCPAに固執し、費用対効果ばかりに目がいってしまうと広告戦略の幅が狭まり本来獲得できたユーザーを大きく取りこぼしてしまうという事も忘れてはいけません。
まとめ
他にもまだまだ気をつけるべき点はありますが、今回は特に陥りがちなコスト、CPAを軸にした話を中心にしましたが決してCPAを目標にしてはいけないという事ではありません。
その時その時のフェーズによってCV増加を目標にする事もあればCPAの抑制を目標にする事もあると思います。
重要なのは正しく適正な目標設定がなされなければ運用型広告は失敗してしまう可能性が非常に高まるという事です。
『CPAを悪化させてでもCVを獲得する』『CV数の減少させてでもCPAを抑制する』など、その時のフェーズに応じた目標があるはずですので目標の設定自体を定期的に見直す事も重要なPDCAとなるのです。