皆さんこんにちは。
先日Google AdWordsが新機能「カスタマーマッチ」を発表しました。
http://adwords-ja.blogspot.jp/2015/10/Google-brings-you-closer-to-your-customers.html
ざっくり言うと、広告主が持つ顧客リストとGoogleアカウントでログインしているユーザーを照らしあわせて広告配信ができますよーという機能です。機能の詳細は上記リンクで確認して下さい。
ほうほう!早速使ってみよう!と思われた方も多いかもしれませんが、カスタマーマッチを使うためには顧客リスト(メールアドレス)が必要です。ですが、広告主が持つ顧客リストって普通は超超超社外秘の極秘情報ですよね?
代理店「カスタマーマッチやるんで顧客リスト下さいー^^」
広告主「アホか!渡せるわけねーだろ!(#^ω^)ビキビキ」
普通こうなります。重要情報を取り扱う上でかなり軽率ですねw
また、インハウス担当者であっても顧客リストをオンライン上にアップロードするのはちょっと躊躇しするかもしれません・・・
さて、ではどうやって重要機密情報をやりとりするか?
ここで登場するのがハッシュ化という概念です。
長い前置きとなりましたが、ハッシュ化を行うことで広告主↔代理店↔AdWordsの間で安全に情報のやり取りが出来るようになります。
ハッシュ化とは?
ハッシュ化とは顧客メールアドレス等の元データを一定の計算手順でハッシュ値と呼ばれるランダムな文字列(擬似乱数)に置き換えることです。
例)
test@test.com をハッシュ化すると↓になる
f660ab912ec121d1b1e928a0bb4bc61b15f5ad44d5efdc4e1c92a25e99b8e44a
ハッシュ化の最大のポイントはハッシュ値から元の値を割り出せないということです。
つまり、ハッシュ値を知ったところで元の顧客リストの復元は不可能ということです。
また、ハッシュ化にはいくつかの計算手順が存在しますが、カスタマーマッチにおいて使われるのはSHA256です。
https://support.google.com/adwords/answer/6276125#hashing
代理店やインハウス担当者としては最低限ここまでの話は知っておくべきでしょうが、これ以上のハッシュ化についての詳細については今回は説明を割愛させて頂きます。(というか私もこの辺りまでしか分かってません)
ちなみに、カスタマーマッチではハッシュ化してないデータも普通にアップロードできて、Googleさんが一応安全性を担保してくれます。
本当に安全に顧客リストをアップロードするためにSHA256でハッシュ化したデータにも対応してますよーってことです。
カスタマーマッチとハッシュ化の関係
カスタマーマッチとは、冒頭で書いたように、広告主が持つ顧客リストとGoogleアカウントでログインしているユーザーを照らしあわせて広告配信ができる機能です。
この「照らし合わせる」という部分にカスタマーマッチではメールアドレスを使うのですが、ハッシュ化を使うことで代理店に顧客リストの中身を分からないようにすることが出来るわけですね。
そしてGoogleは膨大に抱えているGoogleアカウントをハッシュ化したハッシュ値と、代理店やインハウス担当者がアップロードしたハッシュ化された顧客リストのハッシュ値を照らし合わせることでメールアドレスのマッチングを行います。
まとめ
ローカルにある顧客リストを広告配信に使うという手法はカスタマーマッチに限った話ではなく、FacebookでもDSPでも可能です。その際にはハッシュ化によって安全に情報のやり取りが出来るということは理解しておく必要があります。
また、念のため補足しておきますと、安全に情報をやり取りするということだけにフォーカスすると、顧客リストエクセルをパスワード付きのZipファイルでやり取りする等も考えられますが、この場合は第三者はZipファイルを開けないのでOKなのですが、Zipファイルを復元した代理店には顧客リストがはっきりと分かってしまいます。
そもそも代理店であれ社内であれ大事な顧客リストを見せたくない!という場合に、
「安心して下さい!ハッシュ化すれば中身はわかりませんよ!」
と言えるために、今回の話を覚えておいて損はないです。
おまけ
ハッシュ化するためには専門知識やスキルが必要なのですが、このWEBツールを使えば私のような素人でも簡単にSHA256ハッシュ化ができました。
http://www.convertstring.com/ja/Hash/SHA256
ただ、顧客リストをWEBツールに貼り付けて変換するという行為自体が情報セキュリティ的にどうなのよって話も勿論あるので、使い方には十分気をつけてくださいね。
(ちなみに、私は社内にいるエンジニアに秒速でハッシュ化依頼を出しちゃって楽ばかりしてます)