弊社クライアントの実例ですが、他社のサジェスト対策でリスティング広告に実害が出た事例をご紹介いたします。
リスティング広告のパフォーマンス悪化時の一つの視点として持って頂ければ幸いです。
サジェスト対策とは?
画像のようにYahoo!やGoogleで検索窓に文字を打ち込むと、打ち込んだ文字に応じて窓の下に候補のキーワードが並ぶかと思います。
これがサジェストキーワードと呼ばれるものなのですが、サジェスト対策は特定の会社に都合の良いようにこのサジェストキーワードを操作するという対策です。一番よくあるのが、サービス名を入力すると「サービス名 会社名」というようなサジェストキーワードを出して、特定の会社のサイトへ誘導すると言った手法です。
例えば、「歯医者 名古屋」の検索結果で上位に出すためには、いろいろな歯科医院とSEOで戦う必要がありますが、仮に「歯医者 名古屋」と検索窓に打った時に「歯医者 名古屋 ○○歯科医院」とサジェストキーワードを出すことができて、そのキーワードでの検索をさせることができれば、その検索結果では◯◯歯科医院は検索順位で当然1位になってサイトへ誘導がしやすくなります。
何年か前は結構流行っていたので、年末時期に検索窓に「おせち」と打ち込むとサジェストキーワードは「おせち ネットショップ名」で埋め尽くされたりしていましたね。
で、実害って何が起こったの?
とある弊社のアカウントでの話なのですが、数年運用しており毎月20件近くはCVが取れていたアカウントのCVが激減し、月間でいうと90%ダウンするという事がありました。
原因を探っていく中で辿り着いたのが、検索クエリです。
パフォーマンスが悪化した月の検索クエリですが、クリックを一番集めているのが「サービス名 他社名」というクエリになっていました。もちろんパフォーマンスが良かった月のクエリを見ると、こういったクエリでの流入はありませんでした。
キーワード的にサジェスト対策っぽいキーワードでしたので、このクエリの頭の部分を入れると
案の定、サジェストキーワードにこのキーワードが出てきます。このクエリからのCVはありませんので広告を出す価値の無いキーワード(クエリ)です。リスティング広告の管理上はこの他社名を除外キーワードへ登録するだけでOKです。
ただ、少し引っかかったのはこのキーワードのクリック数以上にクリック率です。
上記のクエリの表を見て頂ければ分かるのですが、右から2列目のクリック率に関して、このキーワードのクリック率が7.37%と異常に高いことです。母数もある程度ありますし、その上でのクリック率としてはやはり異常です。
サジェスト対策の噂
上記に関して、その手の対策に明るい方に話を聞いてみたところ、下記のような回答が返ってきました。(あくまで噂程度として閲覧ください)
昔のサジェスト対策は単純に特定のクエリを機械的に大量に送ることで、サジェストに狙ったワードを出すというものでした。ですが、Yahoo!もGoogleもサジェストキーワードを操作されることを基本的には嫌っているため、「機械的」というのを見ぬくためにシステムのアップデートを繰り返しています。
最近ですと、「機械的」と思われないためにクエリを送るだけでなく、表示された検索結果上で自然検索範囲や広告のクリックを一定数行うことでYahoo!やGoogleの目をかいくぐっているということもあるそうです。
広告主としては最悪ですよね。他社のサジェスト対策の過程で意味のない広告費を使われているということになりますので。
これはあくまで噂ベースの話ですが、本当だとするとクリック率の高さにも納得がいきますね。
まとめ
現時点ではサジェスト対策は可能ではありますので、あなたのアカウントも他社のサジェスト対策による被害を受ける可能性は十分にあります。
しかしながら他社がどんなタイミングでサジェスト対策をするかは分かりませんので、地道に日々クエリを見て除外キーワードを逐次追加していく方法しかこの被害を抑える方法はありません。
サジェスト対策と思われる他社クエリがあったら、被害が拡大する前に速やかに削除することをおすすめします。