前置き
日々の運用、お疲れ様です。
今回は、GoogleAdwordsを利用されている運用者の方なら、ほぼ配信しているであろう「ディスプレイ広告」に関して、Googleが、クリックの質を高める為に、導入した取り組みが、実際の管理画面上で、どのような影響を与えていたのか、考察してみました。
まず、今回、Googleが行った、「新たな取組」とは、以下のものとなります。
Google:ディスプレイ広告でクリックの質を高める新たな取り組みについて
詳細に関しては、上記の記事をご参照いただきたいのですが、特に、重要な点のみ、以下抜粋致します。
※今回の「新たな取り組み」の、対象となるデバイスは、スマートフォン・タブレット、すなわち、「ディスプレイネットワーク上での、モバイル広告」となります。
- 広告画像の縁近くをクリック不可に
- アプリアイコンをクリック不可に
- クリック可能になるまで少し時間を置く
つまり、今回の「新たな取り組み」とは、スマートフォン上での、クリックの質を上げる為、例えば、スマートフォン上で閲覧していたページにおいて、誤って、広告(特に、バナー広告など)を、クリックしてしまわないような仕組みを導入したということです。
クライアント・広告主サイド、さらに、運用者サイドからも、今回の取り組みは、歓迎する取り組みと感じます。
では、今回の取り組みにより、管理画面の数値に、どのような変化があったのでしょうか?
早速、事例をご紹介したいと思います。
事例
以下の画像は、とあるアカウントの、期間:6月1日〜7月30日(本記事は30日に作成)の、キャンペーン管理画面(月別に分割)となります。
今回、考察の対象となるキャンペーンは、「ディスプレイ広告_A」「ディスプレイ広告_B」「ディスプレイ広告_C」となります。
ほぼ全てのキャンペーンにおいて、クリック単価がほぼ変わらない(青枠)にも関わらず、クリック率(CTR)が低下していることがわかります(赤枠)。
逆に、コンバージョン率(CVR)が、一部キャンペーンを除いて、上昇傾向に有ります(黄枠)。
この点、Google記事中にも、平均コンバージョン率が、平均15%上昇したという事例があったようですので、今回の取り組みが、好影響したと言えるかもしれません。
次に、当該キャンペーンの、スマートフォン経由のディスプレイ広告のクリック率(CTR)が、本当に、低下しているのか、見ていきます。
こちらの画像は、期間:6月1日〜6月30日 VS 7月1日〜7月30日の期間比較で、かつ、デバイス別に分割したものです。
今回のキャンペーンは、ほぼ全てスマートフォンへの配信になっていますが、やはり、スマートフォン経由のクリック率(CTR)が低下傾向にあるようです(赤枠)。
さらに、この変化が、いつ起こったのか、見ていきます。
今回は、コンバージョンがついているもので、かつ、クリック率(CTR)の低下が最も大きかった、「ディスプレイ広告_B」とします。
また、期間比較として、今回の記事が、「7月9日」に掲出されたことを受けて、
7月2日〜7月8日(7日間)
VS
7月10日〜7月16日(7日間)
での比較を行っていきます。
期間比較の結果が、以下の画像となります。
こちらの画像の通り、「7月9日」を起点として、前後7日間で、クリック率(CTR)が 低下していることがわかります。
様々な要因が考えられますが、今回の「新たな取り組み」による影響も考えられそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
前述の通り、今回の取り組みは、歓迎すべきものと思います。
なぜなら、ユーザーからの、広告の誤クリックが減少する為、無用な広告費を支払わずに済みます。
さらに、誤クリックが減少した分、ディスプレイ広告のデータが、より正確なものとなり、データ分析からの改善の精度も増すことが想定されます。
そして、その分、今まで以上に、コンバージョン単価等の、パフォーマンスも改善されるでしょう。
今後も、このような取り組みが増えることを期待できますね。