指名キーワードのパフォーマンス(CPA)が、Yahoo!とGoogleで大きく差が出ることはあまりない印象ですが、かなり差が出た事例がありましたので、その背景について考察してみました。
まずはこちらを御覧ください。
とあるアパレルブランドの指名キーワード完全一致だけを登録したキャンペーンの過去1年間のパフォーマンスです。
キーワードはカタカナ表記、英語表記、ひらがな表記、表記ゆれが含まれています。
使用コストはだいたい同じ、なのにどうしてこんなにもCPAに差が出たのでしょう?
理由は簡単。
理由はCPCです。
Googleと比べてYahoo!はCPCが異様に低くなっており、同じ使用コストでも3倍近くのクリックが
集まっているからです。CVとCPAにはかなり開きがありますが、CVRはあまり変わっていないことが分かります。
単純に入札を下げればいいのか?
問題は「じゃあGoogleの入札を下げたらYahoo!と同じようになるのか」という点です。
この場合、Googleの方の予算がショートしていて、入札を下げることでクリックを増やせないかを考えてみる必要がありますが、果たしてどうでしょうか?
確かに予算によるインプレッションシェアの損失は出ていますが、微々たるもので、ここを改善したとしてもYahoo!ほどクリックは集められません。
むしろ、広告ランクによるインプレッションシェア損失が大きく、クリックを増やすには広告ランクを上げなくてはいけませんので、入札強化などの対応が必要になります。
つまり、GoogleでYahoo!ほどのCPCで、かつ同程度のクリックを集めることは難しそうだということになります。
Googleにおいて選択肢は
- クリックやCVの減少は見越した上で、CPAの抑制のために入札を下げる。
- CPAの上昇は見越した上で、CV拡大のため入札を強化する。
のどちらかになります。
なぜCPCがこんなに違うのか?
Yahoo!とGoogleで入札はだいたい同じです。
メインで使っているキーワードの品質も同じです。
だとすると、「競合の広告ランク」が考えられます。
CPCは「順位が1つ下の競合の広告ランク÷自分の広告ランク」で出されますので、Yahoo!の方が競合の広告ランクが低く、Googleの方が高いと想定できます。
しかしながら、実際検索してみても競合らしい競合の出稿は見当たらないのです。
First Page Bid(1ページ目掲載に必要な入札価格)はどうでしょう。
※メインキーワードの一例
- Yahoo!:\27
- Google:\134
First Page Bidは品質スコアと競合状況に基づいて算出されるはずですが、品質スコアも競合状況も
さほど変わらないのに、Yahoo!とGoogleではだいぶFirst Page Bidが異なるようです。
まとめ
- 入札が同じ
- 品質が同じ
- 競合がいない
上記の条件が揃っていても、どうもFirst Page BidがGoogleの方が高くなる傾向にあるようです。
内容によっても異なりますが、他の案件でも指名キーワード(一般キーワードに拡張されるものを除く)はGoogleでは表示されにくかったり、CPCが高い、という経験があります。
今回その理由までは分かりませんでしたが、非常に気になるところですので、
引き続き調べていきたいと思います。