リスティング広告では入札額を決め広告を運用しますが、100円で入札したとしても実際はそれを下回るクリック単価になります。理由としてはその算出の方法にあるのですが、計算式だけをを見ると実際のクリック単価は、自分の入札額に依らないため、『実際のクリック単価が入札額を上回らない』という因果関係が見えなかったので、ふとその証明をしてみようと思い立ちました。
つまり、AdWordsのヘルプの例にある
の証明をしてみようということです。
https://support.google.com/adwords/answer/6297?hl=ja
計算方法についておさらい
リスティング広告の掲載順位は広告ランクの高い順に決まります。その計算式は
品質スコア×入札額=広告ランク
というふうに言われています。
さらに、実際のクリック単価の算出方法としては、
自分より一つ下の広告の広告ランク÷自分の品質スコア+1=実際のクリック単価
となるようです。
品質スコアと入札額を下記の表のようにおくと、広告ランクや実際のクリック単価は下記の様に計算できます。
ここからは推察ですが、下記においてA=10、B=100円、a=9、b=111円のとき、広告①の実際のクリック単価は100.9円になり、入札額B(=100円)を超えます。
いろいろな数値を当てはめてみましたが、1円以上上回ることはなかったので、おそらく実際のクリック単価の算出時の小数点は切り捨てられるようになっていると思います。
実際のクリック単価が入札額を上回らない証明
上記の推察が正しいとすれば、実際のクリック単価から入札額を引いた値が1未満であれば、実際のクリック単価が入札額を上回らない証明となります。
今回はその前提で話を進めます。
(ab/A)+1からBを引いたとき、1未満になることを証明する
(ab/A)+1-B
=(ab-AB)/A+1
ここで広告①の方が広告②より掲載順位が上なので、AB>ab
よって、ab-AB<0
Aも正の整数なので(ab-AB)/A<0になる
∴(ab-AB)/A+1<1
実際のクリック単価を入札額が上回らないことが証明された。
ここから見えること
この証明自体は特に意味がある結果とはいえませんが、実際のクリック単価を文字式で表すと中々面白いですね。
自分の品質スコアが分母なので、1と10で最大約10倍のクリック単価の差があるとか、式の見方によってはab/A=(a/A)×b+1なので競合の入札額に自分の品質スコアを基準とした比率を掛けあわせている、という風にも見えますよね。
新しい係数などが見えたりすると、そこから生まれる施策もあるかもしれませんね。
まとめ
とにかく入札額を実際のクリック単価が超えることは通常はありえないことが確認できました。
もし、そういったことがあればデバイスや地域や時間帯での入札調整や、キーワード毎などの入札設定などが原因かもしれませんので一度ご確認下さい。