みなさんこんにちは!
国内企業を構成する99.7%の中小企業の味方、小野周太郎です。
依然としてリスティング広告のご利用者は年々増え続けており、
Yahoo!さんもGoogleさんも、大手運送会社さんも、大手通信キャリアさんも
小額のリスティング広告をご利用される中小企業市場を重要視する時世になってきましたね。
既に行っているリスティング広告予算を、紙媒体などからどんどんシフトしていき増額していく伸び盛りの中小企業さんに注目すべき、というのは当たり前すぎるので、
今回は初めてリスティング広告を開設する中小企業さんに対し、より良い提案をしていくための小ネタを紹介します。
※この層の企業は、新規開設数も短期間撤退(解約)も共に、最も多いといわれています。
有名な大手代理店、クライアント数が物凄く多い代理店に発注していても同じくこの層は解約数が多いのです。
私はこれらの層の企業を、弊社の、そしてリスティング広告業界の、
ひいては日本の宝物だと考えています。
初リスティング広告導入検討企業との商談の注意点~事業フェーズ~
まずはその企業がプロモーションしたいサービス、商品の事業フェーズをしっかりとヒヤリングしましょう。
その会社にとってまだ売れた事の無い新規サービスなのか、もう何年もリスティング広告以外の経路から売れ続けているサービスなのか、その内容により、提案内容は大きく変化します。
同時に、そのサービスは未だ類似サービスがこの世に出ていない新規発明品なのか、
競合ひしめく類似サービスの多いサービスなのか、の確認も必要です。
これらを基に、テンプレートトーク営業は必要最低限ほどほどに、なるべく1to1且つ適切な提案を行いましょう。
それは顧客事業のゴールビジョン?リスティングの第一フェーズ目標?直近の運用方針?
貴方の会社にも受注件数が多いが解約件数も多い営業マンというのが社内に1人は覚えがあるはずです。彼らに共通しているのは、主に以下の2パターンです。
- 顧客から提示された目標数そのままに「がんばります!」と請け負って受注してくる御用聞きパターン
- リスティング広告側の具体的数値目標は無いが、顧客企業側のゴールビジョンの話題を中心として、夢を観てもらう商談スキルが高いドリーム妄想誘導パターン。(1年計画達成目標の売上げにわずか1ヶ月で到達してしまいそうに聞こえてしまう営業手法)
この場合、以下のような運用方針のままお申込みをいただき、サービス開始→即撤退(解約)してしまうケースが多い傾向があります。
- (例)CPAを5,000円以内にする
- (例)CVsを月間100獲得する
このような方針は、以下参考記事でも触れている通り
「顧客側の要望や顧客側のゴールビジョンであって、運用方針では無い」のです。
もしこのまま目標と方針がごちゃ混ぜのままサービスINした場合、顧客側としては「CPAを5,000円以下にする」というような評価しか出来なくなってしまうので、リスティング運用状況が順調に推移したとしても、撤退(解約)率が上がってしまうという仕組みです。
WEB担当者、広報担当者が順調だと感じていても、上司命令でリスティング広告から撤退する事になったりなど。。。
これは非常に勿体ないですね。
では、上記記事に記載されている通り、なんでもかんでも具体的運用方針に落とし込めば良いのかというと、それは困難です。
なぜなら、具体的な運用方針を手法レベルまで細部を決めるためには、
「現状のCPA」「現状のCVR」などの「現状のリスティング広告運用情報」が必要となるためです。
データが全く揃っていないと、具体的数値目標や手段を確定し辛いのです。
では、初めてリスティング広告を導入したい企業へはどう提案すれば良いのでしょうか?
商談時時点で出来る、リスティング広告初導入企業への提案ポイント総括
- 客単価、粗利などの情報は把握し、許容範囲CPAとして「短期~中期の許容範囲」として顧客との共通認識を持っておく。
- ただし実運用データがないため初月~2ヶ月目辺りは許容範囲CPAを超える可能性があることの合意を得ておく。
- そして開始直後に許容範囲CPAを超えても超えなくても「適切な運用サイクル」を踏んでいけば必ずパフォーマンスが改善されていく事を認識していただく。
※Yahoo!さんが公開しているロジックツリーをお伝えするなどすると理解を得やすくなります。 - その適切な運用サイクルの詳細を認識していただく。(インプレッション数、内訳の蓄積・最適化作業期間、クリック数、内訳の蓄積・最適化期間、CVデータの蓄積・最適化期間。それらのPDCA期間)
- それら実データが揃ってから本物の目標設定、運用方針の再定義。
やや語弊の生まれる言い回しではありますが、一言でいうと
リスティング初導入企業に対しては(運用数値上の)目標を設定・提示しない商談
(結果でなくプロセスにコミットした商談)
が顧客のため、自社のためになることが多かったり、安易な早期撤退による機会損失を防げる、という事です。
まとめ
成果に対してコミットする商談手法に慣れている営業の方は、このやり方で商談を行うと受注率が低下するかもしれません。
しかし、少額予算&短期解約案件の連発は確実にリスティング代理店を疲弊させ、体力低下を招いてしまいます。
リスティング広告初導入企業は日本の宝です。時期早尚すぎる撤退によって顧客の機会損失を招かないよう、適切な営業活動をしていきましょう!